北九州に宗像市という町があります。
宗像大社がある町としても有名です。
この宗像地方は豊臣秀吉の九州征伐までの数百年の長きに渡り、宗像家によって治められていました。
宗像家は宇多天皇の皇子を祖とする名門であり、もともとは宗像大社の大宮司家として存在していましたが、戦国時代は武装化し戦国大名として近隣の大名と戦っていました。
この宗像家の滅亡史話が尋常なものではないのです。
白石一郎が書いた小説『弓は袋へ』にも紹介されていますが、お家騒動によって殺された6人の女性の怨霊が、宗像家を滅亡に追い込んだとされています。
ちょうど今から450年前の3月23日(旧暦)に、宗像家の菊姫様、菊姫様の母である山田の局様、そして4人の侍女たちが、3名の刺客によって命を落とされました。
刺客は宗像家最後の当主「宗像氏貞」の母が差し向けたとされています。
それからの彼女達の怨霊のお怒りはとても凄まじくそして怖く、また、あまりにも沢山あるので書ききれません。
貝原益軒の『筑前国続風土記』によりますと、刺客3人のうち二人の家系は年は違えども3月23日に原因不明の病で滅亡しております。
私は残る一人の子孫となりますが、最近ドキッとすることがありました。
何気なく上司に連れられて行った東京の居酒屋で冷酒を頼んだところ、私の前に置かれた一合枡に『楢の露』と書かれているのです。
そこの居酒屋は全国の地酒の桝をコレクションしているのですが、楢の露は宗像大社のお神酒なのです。
ちなみに宗像家の家紋が楢の葉にどんぐりが5つ描かれています。
また、昨年末に愛知県のある名門ゴルフ場で初めてプレイをしていた時の事です。
私がアドレスを取っているまさにその瞬間、後ろの組がボールを打ち込んで来ました。
愛知県でも屈指の名門クラブですのでキャディも驚き「こんなことはないんですけど…」と言っていました。
後ろの組の誰が打ったかは分かりませんでしたが、私達についているキャディさんが「後ろは宗像さんの組…」と小さな声で言ったのです。
豊臣秀吉が宗像家を取り潰したため一族は日本中に離散していますので、愛知県に宗像を名のる子孫がいらっしゃっても不思議ではありません。
菊姫様他を供養するために宗像氏貞公の奥方が地蔵を彫らせ、お寺を建立しました。
それが今も「山田の地蔵様=増福院」として残っています。
残念ながら宗像地方では怨霊だ亡霊だ、呪い殺すだ食い殺すだのと、怖い部分のみが強調されて伝えられているのが残念です。
私は今の世はこの宗像のお家騒動から始まっていると思っています。
何故ならば秀吉は宗像家の怨霊や祟りを不気味がり単に後継ぎがいないとして、宗像庶流は多々あったにも関わらず一切の養子縁組を許さず取り潰しました。
そして小早川氏を筑前の守として入れたのです。
小早川氏は「山田の地蔵様」の寺社領をすべて没収し寺を苦境に追いこみました。
その後、小早川氏に秀吉が秀秋を養子に送り込みましたが、その秀秋は関が原の戦いで西軍から寝返り徳川家康を勝利に導きます。
秀秋を説得したのが黒田長政です。
そして豊臣家は徳川によって滅ぼされてしまい、秀秋も気が狂ってしまいます。
徳川幕府となって筑前の守には黒田家が入り、黒田家は「増福院」に寺社領を与えています。
つまり、山田の地蔵様に祀られている霊は殺されたからといって、単にその刺客やその家族を殺すといった悪霊ではないと思います。
怪談から学ぶことは多いですが、努力が足りないと反省しても次に活かすことがなかなかできないですね。
反省の無いものには厳しく接するものの、善を持って生き日々反省する者には優しい霊なのだと信じています。
余談ですが、山田の局様が刺客を前に「(娘の)菊姫の命だけは助けてほしい」と頼んだことから、山田の地蔵様は「親が子を思う願いは必ず叶えられる」と言われています。
興味がおありの方は行ってみられてはいかがでしょうか?
01/12[善@]
詳しいお話ありがとうございました。
年末に古書『九州一の怪談』を手に入れたのは偶然でしょうか。
新橋とは言っても銀座に近く、夜ともなれば綺麗なお姉さんがいっぱいいる辺り。
まあ、これからお話しするのは数年前に倒産、現存しない会社の事ですからサラっと聞き流して下さい。
不動産屋にすれば変な噂が立って借り手が付かないと大変なので内緒にする事がほとんどらしいのですが、内緒にしても死んだ本人が出てくることもしばしば。
昼間に何かを訴えに来るそうなのです。それも実力行使で。
友人の会社が引っ越しをした時の事です。
きれいに掃除され窓が開いているのにジットリするような重苦しさがあり、誰かに見られているような、つきまとわれるような感じがしてしょうがないというのです。
連日の荷造りで疲れているんだろうと思ったその時に予感は的中。
トイレに花が飾ってあったそうです。それも線香とセットで。
社長さんの「縁起でもない!!すぐ片付けろ」の声ですぐに片づけられたが、金縛り寸前の嫌な感覚が体に巻き付いたそうです。
次の日から次々に起きるわ起きるわ、これでもかと言うくらいに怪奇現象のオンパレード。
片づけたはずなのに朝出勤すると社内は線香の香りが立ちこめているし、誰かに見つめられているなんていうのは序の口。
社長以外の社員全員、小柄で色白な女の人の姿を目撃。なぜか天井近くから見おろすように見つめている。
トイレで首でも吊ったのかなあと噂する。
ここまでなら普通の怪談話ですが、ここからが本番です。
宝石屋さんは商品を金庫にしまって帰ります。
全部ではなくても大部分を。それも一つ一つを2,3人一組で点検を兼ねて指紋を拭いたり傷のチェックをしながら。
金庫だって大変で、鍵もダイヤルや幾つかの組み合わせ、簡単に開く物ではない。
しかもその会社は最後の鍵は社長だけが持っていて誰も開けられないはず。
なのに朝、金庫を開けて商品を取り出すと女子社員の悲鳴が。
指輪が潰れているのです。昨日帰る時は何ともなかったのに。
それも十円玉を潰すようにクニャっと。一つや二つではないのです。
イタズラにしても工具で潰したような痕はない。
毎日ではないにしても殆ど毎日のように、それも不思議とネックレスやブレスレットなど鎖のような千切れやすい物ではなく、被害は指輪だけ。
最初は怒っていた社長も何も言わなくなり…。
そのうち何が原因というような原因もなく、何となく倒産。
いつになっても、納得出来ない話として話してくれました。
恨んでいる奴の所に行けばいいのに、何でその場で誰か来るのを待ってるんだろう?
前に借りてた会社でも、なんか壊していたのかなあ?
確か前は普通の会社のはず。毎日湯飲みでも割っていたのかなあ?
そんな事を私に言うくらいなら、現場の当事者に聞いてくればいいのにと思いつつも何とも言えない不思議な話です。
そもそもその近所は、凶悪な強盗殺人などの類の話が多い所。
昼間でも薄気味悪く表通りの華やかさとは裏腹に寂しい所です。
機会があったら一度行ってみて下さい。
01/15[つくもがみ@]
年末に不動産屋の人と話して、色々な怪奇譚を聞きました。
人の出入りの多い所では、その分数多くの奇談が囁かれているようです。
雑誌『ほんとにあった怖い話』ファンページ「ほん怖本舗」。情報交換しましょ。
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