ちょうど、アレは夏の暑かった日のこと。
当時僕は大学3年生。
テニスのサークルに入っていて、いつものように練習を終えると、後輩のM君が不意に話し掛けてきた。
「先輩…昨日…ちょっと怖いもの見ちゃって…」
よく見ると、彼は少し怯えた様子だったので、何かあったのか聞いてみた。
「実はですね、昨日の夜に友達とドライブに行ったのです。
初めはコンビニに買い出しに行くつもりだったんですけどね。
なんか急にテンション上がっちゃって、どこか適当に走ろうって事になったんですよ」
彼は昨晩のことを語り出した。
「この辺の道は結構走っていますからね、結構適当に飛ばしていたんです。
それがですね、何処をどう間違えたのか良く知らない山道に入っちゃったんです。
でも皆テンション上がっているからもっと行こうって事になって、グングン進んでいったんですよね」
M君はあまり表情を変えないで喋っていた。
「そうしたら、そのうち喉が渇いちゃって、コンビニでジュース買わなかったものだから、その辺に自販機でもあればと思って探したんです。
でも、山道じゃないですか、そんなモノある訳ないと思いながらも適当に外を探していると…。
なんか自販機が集まっている自販機コーナーみたいなのがあったんです。
それで、車を停めて自販機でジュースでも買おうという事になったんですよ」
M君の表情が少し強ばってきたのが分かった。
「で…、あのHな雑誌とかの自販機ってあるじゃないですか?
あれがそこにはあったんです。
やっぱりこういう所だからこそあるんだろうな〜なんて思っていたら、みんなテンション上がっていたので一寸見てみたんです。
そうしたら…、その自販機の中に置いていたものは、Hな雑誌とかじゃなくて、人間の「眼」とか「耳」とかの人体パーツだったんですよ!!」
「おいおい〜嘘だろ?冗談はよしてくれよ〜」とM君のいつもの冗談だと思って返してみた。
すると「冗談なんかじゃありませんよ! じゃぁ、今晩見に行きましょう」
そう言われて怖いもの見たさもあるのか、承諾してサークルの仲間数人とこの日の夜に現場へ向かった。
M君の案内で、ちょうど車で30分くらい飛ばしていると、その山道に入っていった。
自分の地元なのにこんな所があるなんて、全然知らなかった僕は、ただただ感心していた。
そのうち、目の前に灯りが密集している所が目に入ってきた。
「センパイ、センパイ、アレですよ」
M君は半ば興奮気味に言った。
適当な所に車を停め、車から降りて自販機コーナーへ向かった。
しかし、どこを見ても普通の飲料の自販機で、彼の言うような自販機はおろか雑誌を売っている自販機もない。
「おい〜M〜やっぱり嘘だろ?? 驚かせるなよ〜」
皆で口々に言った。しかし、M君は…。
「そんな…確かに…ここにあったのに…だって…」
彼は落ち着かない様子だった。
「まぁ、酒でも飲んでいたんじゃないか? いいから帰ろうや」
彼を説得してその場は帰る事になった。
それから2週間後、今までサークルを休んだ事のないM君が不意に来なくなった。
彼の親しい友達に聞いても「Mのヤツ…最近学校来てないんですよ」と答えるばかり。
中には「女でも出来て、女の家に入り浸っているんじゃないッスかね?」などというヤツもいた。
それから暫くした後、僕は夜中に車を運転していて、ふと例の山道が気になった。
何となく普段通らないような所を通ってみたくなったのだ。
例によって山道を進んでいくと、目の前には自販機のコーナーがあった。
「そう言えば、Mのヤツここで怖いものを見たって言ってたよな」
そう思い出し、車を停めて自販機のコーナーを覗いてみた。
すると前は無かった雑誌の自販機があった。
何気に自販機をみてみると…。
そこにはM君の言っていたとおり、「眼」や「耳」などの人体パーツがカプセルに入って自販機の中にあった。
そして…、ひときわ大きいカプセルには「M君の生首」が入っていた…。
<おわり>
はじめまして、怖い話スキだけど未だに未経験の、霊感とか無い私です。
怖い話の情報収集源として、貴サイトをいつも利用しています。
ここ最近、怖い話の自作に凝っていて自作してみたので投稿します。
ああ…途中でオチが読める…(笑
これは実際にドライブしていて、自販機コーナーがあり「ここに変なもの売っていたら怖いよな〜」と話をしていたところから思いつきました。
話のスジとしては、初めにM君と一緒に自販機を探しに行き、自販機が見つからない時に「だって…」の後、M君が「眼の入ったカプセル」をポケットから取り出す。
というのとかイロイロ考えた次第です。
01/09/03[(c)天獄]
ゾーッとさせて楽しむ…。奥成 達さんの『怪談のいたずら(ワニの本)』を思い出しました。
先月、高校時代の友人がポックリ病で逝ってしまい、通夜の席で十数年ぶりに集まった同級生の、誰からともなく「そのうち皆で呑もうなんていってるうちに、もう3人も死んじまった。
本気で来月あたり集まって呑もうよ」という話になった。
言い出しっぺのAという男が幹事になって話は進行中だが、なかなか全員(男5、女3)のスケジュール調整がつかない。
今年の夏はくそ暑いし、9月に入ってからにしようかと、幹事のAと今昼飯をいっしょに食べながら話し合った。
そのときビールなんか呑んだのが、間違いだった。
Aが、ふと言わなくてもいいことをつい口に出し、おれは酔った勢いで、それに突っ込んだ。
それは先月死んだ友人に先立つこと十年、学生時代に死んだBとCのカップルのことだった。
十年前、AはB(男)の家(一人暮らしのアパート)で、Cと三人で酒を呑んだ。
直後、BCは交通事故で死亡。
Bの酔っ払い運転による事故という惨事だった。
Aはその事故の第一発見者でもある。
おれは、『2ちゃんねる』のことをAに説明し、事故の第一発見者のスレッドに書き込めと、悪趣味な提案をしたのだ。
すると、Aはたちまちにして顔面蒼白となり「冗談じゃない!」と本気で怒り出した。
おれは、いささか鼻白み「むきになんなよ」と言い返したが、Aの怒りは収まらず「じゃあ、あのときの話を聞かせてやるが、後悔するなよ」と言って、恐ろしい早口で話し出したのだ。
Aのはなし
おれ(A)がBCと呑んでいたとき、D先輩がいきなりBのアパートを訪ねてきた。
顔面真っ青で、突然「おまえ等、裏返しの話を知ってるか」と話し出した。
そのときおれは、酒を買い足しにいこうとしたときだった。
Dさんが止める様子もないので、缶酎ハイを買いに出て、十五分ばかり中座した。
部屋に戻ると、Dさんは大分くつろいだ様子で、おれが買ってきた酎ハイを喉を鳴らして一気に呑んだ。
「なんの話だったんですか?」
「だから裏返しだよ」
「裏返し?」
「裏返しになって死んだ死体見たことあるか?」
「…いいえ。なんですか、それ?」
「靴下みたいに、一瞬にして裏返しになって死ぬんだよ」
「まさか。なんで、そんなことになるんですか?」
先輩は、くっくと喉を鳴らして笑った。
「この話を聞いて、二時間以内に、他の人間にこの話をしないと、そういう目にあうんだ」
「不幸の手紙ですか?」
おれは本気にしたわけではないが、聞き返した。
今なら「リング」ですか?と言うところか。
「なんとでも言え。とにかく、おれはもう大丈夫だ。もさもさしてないで、おまえ等も話しにいった方がいいぞ」
なにか白けた感じになったが、買い足してきた分の酎ハイを呑み干して、宴会はお開きになった。
先輩はバイクで去り、BCはBのサニーに乗った。スタートした直後、サニーは電柱に衝突した。
呑み過ぎたのかと思い、すぐに駆け寄ってみると、BCは血まみれになっていた。
そんな大事故には見えなかったので、おれは少なからず驚いた。
いや、もっと驚いたのは二人がマッパだったってことだ。
カーセックスなんて言葉も浮かんだが、そうでないことはすぐに分った。
二人は、完全に裏返しになっていたのだ。おれは大声で叫んだ。
「裏返しだ!裏返しで死んでる!」
すぐに人が集まってきて、現場を覗き込んで、おれと同じ言葉を繰り返した。
だから、皆助かったのだろう。
Aは逃げるように帰って言った。
おれはこんな話むろん信じないが、一応このスレッドを立てて、予防しておく。
後は、04:30分までに誰かが読んでくれればいいのだ。
肝心な部分を読んでいないとカウントできない。
読んだ方。一応後何時間あるか、時計でご確認を…。
03/05/31[たるたるソース]
03/11/20[海男]
全く別の方から同じ話をいただきました。どこで一番最初に書き込まれた話なのでしょうか…。
※マッパ(真っ裸)
雑誌『ほんとにあった怖い話』ファンページ「ほん怖本舗」。情報交換しましょ。
バーチャル不思議探訪『近畿紀行』烏天狗のミイラ篇(03/9/4,10/23)「巻物の解説」追加
バーチャル不思議探訪『中国紀行』更新を怠っていたので、いつの間にかサーバから消され、他の方のHPになっていました。
バーチャル不思議探訪『東北紀行』再度登録しました。URLが変更されています。<(_ _)>
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