私は成人するまで京都に住んでいました。
深泥池は学区内にあり、良く遊びに行ったものです。
噂については色々と聞き及んでいたのですが、土地がら怪異の噂は多く、当時の私達には特に恐ろしいとは思えませんでした。
ただ興味はあったのです。
いつかは目撃できるかも知れない、だから私達はそこを遊び場に選んでいたのかも知れません。
その日は、私を含め5〜6人で現地に向かったと記憶しています。
学校で飼育するオタマジャクシを採りに行ったのですが、その日に限ってあまり姿がないのです。
誰かが少し奥まで行ってみようと言いだし、私達は池の周りを反時計回りに歩き、絶好のポイントを見つけました。
バケツに溢れかえるほどオタマジャクシを捕まえて、そろそろ帰ろうかという時、仲間の一人が「アレ何やと思う?」と不思議な顔をしたのです。
彼の指差したのは池の中ほど、そこにいる全ての者がその辺りに何かモヤモヤとした得体の知れないモノを確認したのです。
まるで水面から湯気が立ち上る様で、それは次第に人の形になっていきました。
ワンピース姿の、髪の長い女性でした。
見るからに不自然な光景でした。
そこは普通に立っていられる水深ではない筈です。
不思議な事に、その場にいた誰もが恐怖を感じることなく、けれど早々にこの場を立ち去れなければと思ったのです。
急いで来た道を引き返し、自転車を停めていた場所まで戻りました。
そこに辿り着くまで皆無言でしたが、現地を離れて別の場所(児童公園でした)に落ち着くと、みな一斉に「自分の見たモノ」について話し始めたのです。
話していて面白い事に気づきました。
件の女性の着衣が「水色だった」と話す者と「白かった」と言う者に分かれるのです。
同じモノを見ていた筈なのに。
ただ一つ、皆の意見が一致するのは、こっちを向いていたのにその女性の顔がはっきり判らなかった、という事だけでした。
02/07[サトル@]
本能的に怖いモノだと感じたり、得体の知れないモノを見ると、不思議とソレについて細かく覚えていることがあります。
だだ、今回、女性の顔がはっきりわからなかったという事は…。
雑誌『ほんとにあった怖い話』ファンページ「ほん怖本舗」。情報交換しましょ。
バーチャル不思議探訪『近畿紀行』烏天狗のミイラ篇(03/9/4,10/23)「巻物の解説」追加
バーチャル不思議探訪『中国紀行』更新を怠っていたので、いつの間にかサーバから消され、他の方のHPになっていました。
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