高校時代に体験した話です。
僕は山岳関係の部活動をやっていました。
3年の夏休みに受験勉強の息抜きをしようと、後輩達の企画した山行に参加しました。
目的地は巻機山。群馬県と新潟県の境にある標高1900m程度の山だったと記憶しています。
8月11日の朝、上野を出発して、上越線の六日町駅で下車。
駅から登山口までタクシーで向かい、頂上へ向けて歩いて登って行きました。
頂上を踏破した後、少し下がった場所にある「巻機聖地」という場所で夕食を済ませました。
そして、4つのテントに別れて寝るための準備を終えたのが、だいたい18時位だったと思います。
真夏といっても高地のため、夜中の気温は零度近くまで下がることもあるので、上級生の特権として4人用のテントの一番奥で早々と眠りに就きました。
深夜零時頃、テントの周りを歩くような音で、起きてしまいました。
テントの張られている場所は、直径20cmほどの石を敷き詰めたような場所で、その上を登山靴で歩く音と同じような音がしたのです。
テントの上に張る雨避けのフライシートの間を、風が通る音だと思うようにして、30分ほど我慢しました。
しかし、原因がはっきりしないため眠りに就けず、出入口の一番近くに寝ている山中(仮名・1年生)に外を見るよう頼みました。
「他のテントの連中が悪戯しているんだと思う」
彼はそう言いながら、渋々外に出て行きました。
「誰もいませんよ」
1〜2分して戻ってきた山中はそう言うと、さっさと自分の寝袋に入ってしまいました。
その後も周りを歩くような音は止まず、10分ほどの我慢の後、山中に「外を見てくれよ」と再び頼みました。
ところが、もう寝てしまったのか寝たふりをしていたのか、彼は返事をしませんでした。
「早く見てこいよ!」
業を煮やした私は、命令口調で怒鳴りました。
「嫌ですよ!怖いっすよ!」
彼は、私以上の大声で返事をしました。
その声に只ならぬものを感じた私は、それ以上言うことはせず、外気温以上の肌寒さを感じながら眠ってしまいました。
翌日は何事もなく下山し、来た時と逆の道順を辿り、それぞれが家路につきました。
1週間くらいしたある朝、山中が事故で亡くなったという連絡があり、慌てて仲間と共に通夜に駆けつけました。
その帰り道のこと。
「先輩、ちょっと」
あの晩同じテントに寝た1年生が、それから耳打ちした言葉に私は凍りつきました。
「山中はあの晩、テントの外を歩き回る自分自身を見たらしいんです」
…。山中のいなくなった今、事の真相は分かりません。
03/14[音大くん@]
もう一人の自分がどのような格好だったか気になりますが、今となっては…。
大阪〜奈良をつなぐ『阪奈道路』を、その人は友人と二人で夜中ドライブしていたそうです。
二車線の右側を走っていたら、後ろのタクシーがパッシングしてきたのです。
ゆっくり走っていたからかな?
左車線に移り、そのタクシーに道を譲りましたが、そのタクシーも同じ様に左に寄りました。
そして、彼らの車の後ろにぴったりつけ、何度も「パッパッ、パッパッ」とパッシングをするのです。
これに腹を立てた、その人が停車すると、タクシーも停車しました。
「なんでパッシングするねん!道を譲ったやろ!」
タクシーの運転手に怒鳴りました。
「兄ちゃんの車、サンルーフついてるか?」
不安そうな顔をした運転手が言いました。
「おう!ついてるが、それがどないしてん!」
「あのな、わし後ろ走ってたら、あんたらの車の屋根に女の人がおって、サンルーフから入ろうとしてたんや…。
それで何度もパッシングで知らせたんやで」
慌てて車を見ましたが、何も居ませんでした。
「そ、そうか、おっちゃんありがとう!」
そう言うと、急いで大阪に帰ったらしいです。
03/13[ヒロピー@]
似たような話が各地で聞かれますが、男性が入るという話は聞かないですね…。
雑誌『ほんとにあった怖い話』ファンページ「ほん怖本舗」。情報交換しましょ。
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