居間のドアが開く音がして、いつものように父が居間に腰を下ろす姿が目に浮かんだ。
とその時、居間の方から妙な音が聞こえてきた。
「ギィーッコ、ギィーッコ」ノコギリで、何かを切るような音。
「あれ、何の音かな?」と聞く僕に、母は言った。
「あれはね、お父さんがノコギリで人を切ってるんだよ」。
母の顔は、…普段と変わらなかった。
僕をからかってる訳でも、怖がらせようとしている訳でもないらしい。
お風呂から出て居間へ行くと、そこには誰もいなかった。
そしてそれから1時間後に、何事も無かったかのように父は帰ってきたのだった。
[GAN@ofd]
一体、誰だったのでしょう。裸のままでは、すぐに部屋の様子を確認できませんね。
私は俗に言う霊媒体質だと言われていました。
入居して1年ほどたった頃から3日に2日は、金縛りその他の霊現象に悩まされていました。
眠ろうとしたら髪の毛や手足を引っ張られるなんて日常茶飯事!
ある日など体が二つに引き裂かれるような感覚の後、おそらく幽体離脱の状態だと思いますが、2階の私の部屋の窓から外へ放り出されました。
私は宙に浮いたまま窓の方を見て「何で自分の部屋から放り出されなきゃいけないんだ!?」と思い、何度も部屋の方へ戻っては放り出され…を繰り返したこともありました。
いかにも戦争で死んだ兵士が、腹や喉に槍や弓矢を刺したまま現れたり、時には頭痛が半年の間続きそれに腹痛が重なることも度々でした。
帰宅時にアパートの側まで来ると雷に打たれたような衝撃を受けたりもしました。
でもなぜかそこに縛られ、引越しをしたいと思いながらも出来ませんでした。
なぜだか未だに分かりません。
ある日、体も相当に衰弱していたので藁にもすがる思いで成田山へ行き、お年寄りに混じって必死で祈りました。
「助けてください! 助けてください!!」何度も祈り続けました。
それから約1週間程して、夢枕にカラーで巨漢の御坊さまが立ちました。
厳しい顔でじっと私を見下ろしていました。
私は周りを見渡し、自分の部屋に居ることを確認し時計を見ました。
明け方の4時半くらいだったと思います。
このおじさん誰? 女の一人暮らしだった私はちょっと焦りました。
何しろ部屋に知らない男の人が入って来ているのですから。
すぐ正気に戻った私は時計を見ると、さっき見た時間から数分しか経っていませんでした。
部屋には勿論私しか居ません。
その後、霊現象はピタッと無くなりました。
成田山で買ってきた魔除けの御札の袋の裏に、祈れば必ず助けがあると書いてあったのを見て「ほんとだー!!」と思いました。
その御坊さまが成田山と関わりがある人かどうかは分かりませんが…。
そうそう、この件の数日前にも不思議な事があって、夢枕に亡くなった祖母が祖父と一緒に現れたのです。
亡くなって1年経つか経たないかの頃でした。
心細かった私は思わず祖母に抱きついてしまいました。
すると、まだ死人のような青白い顔をした祖母は「おじいさんは行くなと言ったんだけど…」と一言いって、心配そうな顔をして私を抱きしめてくれました。
祖父の顔は肌色で元気そうでした。
なぜかその時は祖父が9年も前に他界している事をすっかり忘れていました。
気付いたら布団の中で目から涙が流れていました。
時計を見ると、もうすぐ明け方の5時に近かったと記憶しています。
とその時、玄関の方から鈴の音が聞こえ、だんだんその音は遠ざかっていきました。
それから体を壊した私は、一ヶ月休職しました。
勿論引っ越しもしました。
[虎猫@gunmanet]
必死に祈ること。少しは精神的に落ち着くのでしょうか。
階段をのぼっていました。
最近階段を上る夢ばかりみていたので「ああまたか…」くらいにしか思いませんでした。
いつもは上っても上ってもまだ階段があって、ずっと上り続けている夢でしたが、今日の夢は違っていました。
階段が短かった。
そして何故かとっても胸が締め付けられるようで、悲しくて泣きました。
階段の先には何もありませんでした。
上り切ったところで声をださずに泣きました。
目が覚めてみると実際に涙をポロポロ流していました。
悲しみも残っています。
何かなあ…と不思議でした。
私はよく予知夢を見ます。
なんかいやーな気分のまま夜になって、ルクソールでの第一報がはいってきました。
そのとき「ああやっぱり…」と思ってしまいました。
日本時間の4時すぎ、現地時間の9時すぎに事件は起こりました。
思い込みでしょうか?
[ゆき@aif]
悲しい事件でしたね。…。
小学5年生頃だったと思います。その日もいつもと変わらず学校へ行きました。
4時間目のチャイムが鳴り、先生が話しを始めました。
「えー、この間も言ったように、Kさんがお父さんの仕事の関係で転校しますので、これからお別れ会をします」。
!? 僕は狐に摘ままれたように、しばらくボーっとしていました。
ここまでなら普通の話なのですが、僕はこのとき初めて転校するという事を知ったのです。
どーせ休んでいなかったんだろ! そう思われるかも知れませんが、当時健康だけが取り柄だった僕は、一日も欠席をしていなかったのです。
しかし、転校するという話を誰からも聞いていなかったのです。
帰りに昨日のことを思い出そうとするのですが、どうしても思い出せません。
僕だけが、この日から一週間前まで居なかったような不思議な感覚に陥るのです。
僕が納得いかなかったのは、他の人はそのことを知っており、手作りのプレゼントを用意していたこと。
そしてプレゼントは手作りでなければいけないと決まっていたこと。
どう考えても一週間前には知っていないと作ることは出来ないはずなんですが…。
えっ。自分は新品のノートを持っていたのでそれをプレゼントしました。
さて、去年の夏に体験したことです。
現在大手ゼネコンに勤めている僕は、シールド機という地中を掘る機械で地下トンネルを掘る現場にいました。
そのトンネルは、右1km左2kmと二手に分かれていました。
配属になった当初から何かしら嫌な感覚があり、一人で作業していると人の視線を感じたり、視界を横切る人影があったりと、絶対にいる!
そう確信させる出来事がちょくちょくありました。(現場に入った人間はみんな感じている)
夜勤の勤務となったある日のこと、監督の僕は午前2時から3時頃、トンネル内の巡回をしていました。
その時もう一人の監督は地上の事務所で電話番、作業員は奥で作業をしていました。
作業員に指示を与えて事務所へ帰る途中、誰かがついてきます。
直線になった所で振り向いたところ誰も居ません。
気のせいだと思い歩きだすと、また足音がカシャカシャっと…、作業員の悪戯と思い急に止まりました。
すると足音はワンテンポ遅れて止まりました。
確認のためもう一度止まってみると、やはりワンテンポ遅れて足音は消えます。
しばらくその場でジッとしていましたが何も聞こえず、後ろには人の気配もしませんでした。
驚かせやがって! そう思いながら歩きだそうと前を向いた瞬間でした。
ガシャン! 1m後ろで金属の落ちる音がしました。
何とも言えない嫌な雰囲気のなか振り返りましたが何も落ちていません。
背中に突き刺さるような視線を感じつつ、事務所まで走って帰ったのは言うまでもありません。
それから昼の勤務へと変わったある夜のこと、恐い話を扱った番組を見ていて急に尿意を催しトイレへと急ぎました。
ホッとしたのも束の間、またあの嫌な感覚が襲ってきて何故か以前の事を思い出しました。
寮のトイレは人を感知して水が流れる仕組みになっており、自分は左端で用を足していました。
すると誰も居ないはずの真ん中の小便器のセンサーが働き水が流れ始めました。
これはよくあることなので気にも留めずにいたところ、右端のセンサーも働き水が流れ始めました。
僕から真ん中のセンサーまでは1mほどしか離れていないため誤作動も考えられますが、右端のセンサーまでは2.5mほどあり誤作動は考えられないのです。
久しぶりに一人で夜のトイレに行くのが恐いと思いましたよ。(笑)
それから2週間ほどで盆休みに入り、実家に帰ってからは毎日のように飲んでまわっていました。
その日も布団に入ったのは2時半過ぎ、アルコールのためそのまま眠りへと落ちていきましたが、ふと人の気配を感じました。
そっと目を開けると(じわーっとしか開かなかった、手足は動かなかった…動かす気が無かったので動かなかったのかも)、足元に祖父が片膝を抱えてこちらをじっと見つめていました。
なんだ、じーちゃんこんな時間に!
そう思いながら動かない体をもぞもぞと動かして、窓を閉めようと身をよじり祖父に背を向けました。
そのとき、ハッと気付いたのです。
祖父は僕が中学2年の時に交通事故のため、7年も前に亡くなっていたのです。
振り返るとそこには祖父の姿はありませんでした。
飲み過ぎていた僕を心配して出てきたのでしょうか。
どことなく寂しそうな表情をしているように見えたのは。
[うるふる@]
感応式トイレの妖異譚。雰囲気が怖いですね。
中学3年生の頃でしょうか。
彼女は男子校に通う男の子を好きになり、手紙の内容はその子の事ばかりになりました。
学校が違うので、なかなか会えないこと。名前は何とかわかったものの、その他の情報が少なくて寂しいこと。などなど。
話に聞く彼はステキな人で、私も一目会いたいと思っていました。
Yとは別の中学に通っていた私には、同じ中学のJという仲良しがいました。
彼女は2年生の頃から、毎朝同じ電車で会う近くの男子校の生徒を好きになりました。
バレンタインデーにプレゼントするチョコを買うのを付き合いました。
でも私は、Jが好きになった彼に好感を持てず、バレンタインの日はわざと電車に乗る時間を遅らせて「Jが私を待っていてくれるか、彼にチョコを渡すため先に行ってしまうか」試してみたりした程です。
結局私はおいていかれました。女の友情なんて…、というカンジです。
私達が晴れて高校生になった春、学校の帰りに例の男子生徒に会いました。
登校途中に会うことはあっても、下校時に会えることは珍しく、Jは「追いかけたい! 一言でもおしゃべりしたい」と言い出し、私はシブシブ付き合う事にして、電車を降りました。
駅の改札を出ると、Yが友達と一緒にいました。
よく手紙に書く同じ高校のJと、Jの憧れの彼を教えるのに、良いチャンスだと思い近づいて行きました。
すると、Yも息をはずませこちらへ来て、「例の彼がいるの」と言うのです。
鈍な私は?という感じだったのですが、YとJはお互いピン!
二人で彼を追いかけるというのです。
やっと事情を理解した私は「もう勝手にして」という気分でしたが、Yが手紙に書いていた彼と、Jを通して見た彼はずいぶん印象が違いました。
でもまさか、仲良し同士が同じ男の子を好きになっていたなんて…。
その後、YとJはお互いに「あんな、かわいい子がライバルなんて」と言い合い、恋は実りませんでした。
そして今、私の彼はあの時の…、なんてオチはありません。あしからず。
[まき@cac3hcb2]
そんな偶然、滅多には無いでしょうね。
冬のことで、その年買ったばかりの真っ赤なロングコートを着ていました。
本当に真っ赤でロング丈なので、郵便ポストに似ていて、母とは「今日ポスト着て行く?」のように『ポスト』と呼び合っていた程でした。
友人からも「目立つよね〜」と言われ、得意気になっていました。
エスカレーターを昇って、すぐ目の前にあるお店にひかれ入っていくと、ズラーッと洋服が並び、店の角に鏡がありました。
特別珍しいレイアウトではなく、さっと見渡して、鏡に自分の姿が映っていて「うんうん! ポスト似合ってる」と安心して、再び洋服を見始めるのです。
そこで、少しの間の後、鏡の中から視線を感じたのです。
ギョッとして鏡に目を向けると…、私がこちらを見ている。(鏡なら当然)
でも何かが変。
鏡だと信じていた所に鏡は無く、私の『ポスト』に似た真っ赤なコートを着た、私に似た人が、やはり母親らしき人と歩いていたのです。
彼女と母親もこちらを見てびっくりしている様子でした。
お互いにビックリしすぎて笑顔で通り過ぎることもできないくらいに顔が固まったまま、その場を離れました。
似た顔の人が似たような趣味でコートを選び、お店も時間も連れている人も似たような状況…、ということでしょうか?
でも、お互いの母親は似ていませんでした。ホッ。
[まき@cac3hcb2]
自分と同じ好みの人。居るようで居ないんですよね、身近には。
往復で約20分、傘売り場へ直行しました。(もう想像がつきますよね?)
そうなんです! ほんの20分の間に誰かに買われてしまったのです。
信じられなくて店員に聞いてみました。
「お買い求めいただいたようですね」。
悔しくて別の傘をもう一度選ぶ気にもなれず、同じものを取り寄せてもらうことにしました。
しかし、その傘はあまり使っていません。
気に入っているし、せっかく取り寄せたものなのですが。
なぜなら、傘の折り目が薄くなっていて、何だかずいぶん長いこと使った物のようなのです。
取り寄せてから実際に使う迄に、かなり日がたっていて、デパートに事情を話しに行くのをためらってしまったので、何となくそのままになり下駄箱の隅にしまわれたままです。
[まき@cac3hcb2]
返品された、自分で選んだ傘だったのでしょうか?
私はビクッとして友達の方を見たが、友達はすでに訳知り顔で私にこう言った。
「あの人ね、いつもあそこに立ってるんだよ。
なんでも、彼の一人息子が交通事故で亡くなってね。それからずっとあれだ。
ノイローゼらしいよ。
以前は夕方だったんだけど、最近じゃこんな真夜中まで立つようになったんだな。
ほんとに、気の毒な人なんだよ」。
友達の言葉に、僕の恐怖は一気に倍増した。
僕が見たのは、その男一人ではなかった。
男の背中にしがみつくようにして、無邪気な笑顔で私達の方を見つめていた、一人の少年の姿…。
[GAN@ofd]
大変、気の毒な話です。
たしかMY BIRTHDAYという、今も売られている雑誌に載っていたもので、幽体離脱の仕方が書いてありました。
夜寝るとき目をつぶって、もうちょっとで眠りに入る…という瞬間に「起きろ!!」と強く念じれば、それができるというものでした。
半信半疑で昼間でしたがやってみました。
ああそうそう、体に戻るときは「戻れ!!」と念じるんですよ、…それは12年たった今も忘れられないほどの衝撃でした。
「起きろ!!」と念じた途端、体が浮いたようになりました。
恐る恐る目を開けて周りをみたら、全体がオレンジの光につつまれていました。
グニャグニャした光でした。
ポスターが貼ってある壁をみたら、やっぱりその顔もグニャグニャしていました。
隣の部屋には家族がいましたが声がでません。
まずい!と思ってすぐ「戻れ!!」と念じて戻りました。
もう二度とやらないと誓いましたが寝る瞬間にできるものなので、しばらくは大変でした。
皆さんもやるのは勝手ですが、必ず5分以内に戻ってください。
5分がタイムリミットですから。
[ゆき@aif]
意識?が抜け出す…。不思議な体験ですね。
友達も声に気づき、「誰かが道に迷ってるんじゃないか?」と、不思議そうに言っていました。
人の迷うような大きな山じゃないし、それ故、人家なんてこの辺りには無いから、そんな声が聞こえるのはおかしな話なんだけど。
その声が近付いたり遠ざかったりしてるのは、もっと不思議でした。
「幽霊じゃないかな?」。
友達が言ったその一言で、僕達は早々と眠る事に決め、毛布にくるまってライトを消しました。
と、急に僕はオシッコをしたくなって起き上がり、テントの外へ出たんです。
他のテントもライトを消して真っ暗闇で、静まり返っていました。
「なんでみんな、こんなに早く寝ちゃったんだろ?」と不思議に思うほど。
と、その時、木々の間の暗闇に何かが動きました。
風かな?と思った瞬間、そこに一人の男の姿を見たんです。
彼はこんな山の中でも、黒っぽいスーツにワイシャツで、ネクタイもきちんと締めていました。
そして、ただじっと前方だけを見つめ、僕から10mほど離れた所を、テントの間をぬって通り過ぎてゆきました。
さっきの声は、あの人の…と思った瞬間に何故か怖くなり、僕は慌ててテントに戻りました。
次の日の夜、僕達がみんなで集まってキャンプファイヤーをしていた時です。
突然、2,3人の生徒が、山奥へと続く道から泣き叫びながら飛び出してきました。
その時は何があったのかさっぱり分からず、引率の先生達が彼らから事情を聞いて右往左往してるのを、ただ見てました。
そしてそれから20分位で警察が到着し、かなりの人数の警官達が、山奥へと続く道に入っていった光景をよく覚えています。
首をくくったサラリーマンが見つかったのは、僕達がキャンプファイヤーをしていた場所から、ほんの20mほど奥へ行った所でした。
キャンプファイヤー中にオシッコをしたくなり、友達を連れて山奥へと進み、みんなから見えなくなったところでズボンを下げて用を足していると、頭の上で何かが揺れている。
それが革靴を履いた人の足だと分かった時の驚きと恐怖を、友達は後に話してくれました。
また、その人が黒いスーツにネクタイを締めた男性であった事も。
いま思うと、あの夜僕が見た男の人は、生前の姿だったのか、それとも亡くなった後の姿だったのか、判断がつきかねます。
死亡推定時刻なんて聞いてないから。
だけど、どちらにしても、いや、生前の姿であった方が、僕はあの夜に見た光景を一生忘れられないと思います。
[Full Moon@ofd]
その場に居合わせただけでも衝撃的ですね。トラウマとして残ってしまうのか…。
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