ご飯を食べて、みんなでテレビを見ていた時、お母さんが私に、メロンをとってくるように言いました。
私は、お母さんの言うとおりにしました。
メロンは、茶の間から出て、廊下をまっすぐ行ったつきあたりの部屋に有ります。
でもその部屋には、お爺さんの仮祭壇がおいてあり、少し恐いと思いながら、メロンのある部屋に足を運びました。
部屋のドアを開けると、目の前に祭壇があり、左の角にメロンが置いてありました。
「メロンをとってすぐ帰ろう」と思って、顔を上げると、祭壇の上に、真っ白でフワフワしたものが飛んでいたので、「ギャー」と叫んで、茶の間に慌てて逃げ帰りました。
あの白いものが、本当にお爺さんなのかどうかはわかりませんが、もし成仏できないお爺さんなら、早く成仏してほしいものです。
[もののけ姫@北海道]
線香の煙でないとすると…。
事故があったのは午後だったが、その日の午前中、彼の父親はある仕事で、いつもは通らないその道を走っていた。
そして、彼の息子さんが事故を起こしたその場所に車を止め、田園の向こうに見える新緑に映えた山並みの素晴らしさに、しばらく見入っていたという。
偶然でしかないのかもしれないが、お葬式の時、それを聞いた彼の母親が言っていた。
「きっとあの子も、お父さんが見ていたのと同じ風景に気持ちを奪われていたのかもしれないね」。
…そうでもなきゃ、あんな事故は起きなかったと思う。
今でもたまに実家に帰ると、ふらりと車でその場所を走る時がある。
まっすぐに続く直線で、広々とした田園風景、そしてその向こうに続く山々。
とても開放的な気分になって、彼の事故現場を通り過ぎる瞬間には、その少年がその時感じていた想いが伝わってくるような気がする。
きっと、幸せな気持ちのまま…。
[FULL MOON@ofd]
親子の絆…。悲しい話です。
その日、デート中だった私は、何故だか今日は絶対早くバイバイして、おばあちゃんのそばに行ってあげようと思い、彼にその事を話して早めに祖母の家に向かいました。
祖母は、いつものように寝ていました。
夜になり、叔父や叔母も集まってきました。
当時、そんな日が続いていたのです。
「危ない、危ない」と言われながらも、頑張っていた祖母。
今晩も持ちこたえられるかもなんて、集まった親戚はおしゃべりに夢中になっていました。
でも、叔母が祖母を覗き込むと、祖母は叔母の首へ手をまわして、ぎゅっと抱きついたのです。
一人になるのが寂しいといった感じでした。
年老いた、しかも癌で体力もないはずの祖母の腕の力に、皆びっくりしました。
その手をやっとのことではずして、元のように眠りについた祖母でしたが、私はそばにいてあげようと他の従兄弟たちとそのまま、そばにいたのです。
眠っている祖母でしたが、「喉乾いているかも!」と私はガーゼを濡らして祖母の口元へ近づけると、目は開けないものの、喜んでいる様子でした。
「ああ良かった、喜んでる」と従兄弟たちと喜び合っていた次の瞬間、フッとろうそくの灯が消えるようにして、祖母は亡くなったのです。
初めて、こんなにも近くで人が亡くなったのを目のあたりにして、びっくりしましたが怖くはありませんでした。
ただ、祖母があんなにも強く、叔母の首に抱きついたのを見て「人間も自分が死ぬのが分かるのかもしれない」と強く思ったのです。
私は、外孫だったので特別おばあちゃん子だった訳ではありませんが、その日以来、この祖母に守られているそんな気がします。
デートを早く切り上げて、祖母のそばに行ってあげて良かった。
今でも本当にそう思います。
これも虫の知らせになるのでしょうか?
[まき@cac3hcb2]
言葉の定義はともかく、本人が「何かを知らせてくれた」と思えるのなら、虫の知らせでもいいと私は思います。
屋久島はご存じのとおり、樹齢数百年の杉が残る、鬱蒼とした深い森に覆われた山でした。
それでも標高が高くなると、杉は姿を消して見晴らしの利く低木や草地が現れて、山頂まで見渡せるようになります。
有名な縄文杉や大王杉、ウイルソン杉を過ぎて、最高峰の宮之浦岳を目指して登っていた私達は、見晴らしの良い低木と草地の尾根道にさしかかりました。
夕闇が迫り、この先の小高塚岳の近くにある小さな小屋を目指して、あと一歩、あと一歩と重い足をこらえて登っていました。
それでも一向に小屋は見えず、すっかり陽が落ちて真っ暗になってしまいました。
私達は懐中電灯を探しだすと、その光を頼りに登り続けましたが、グループを先導してた私達はここで次第に「迷ったのかなあ」と、不安になりました。
その時、私達の進む尾根筋の前方に、かすかな光が見えました。
小屋の明かりかと思ったのですが、考えてみれば小屋は無人で、電気など引いてるわけがありません。
それに見つめているとその光は、ゆらゆらとまたたいて、時代遅れのカンテラの光のようでした。
「誰かくるぞ、これで道を確かめられる」と急にホッとすると、思わず力が抜けてその場でへたりこんでしまいました。
光はだんだん近づいて、やがて200mほど先の林に消えました。
「林を抜けて出てくるだろう」そう思ってボーっと皆で尾根道の先を見ていたのですが、いつまでたっても現れません。
そのうち遅れて登ってた最後の二人が追いついて、8人全員が揃いました。
心細い気分になってた私達は元気をとりもどし、再び歩き出そうとしました。
その時「おい、カンテラの光みたいなの見なかったか? 前からふらふら近づいてきたんだ」と、すぐ後ろから登ってた後輩が言いだしました。
「カンテラって言えば、俺達が杉林を抜けて見晴らしの利く尾根道に出たとき、ずうっと後ろで弱々しい光みたいなものがゆらゆら見えてた。
それで一体あれ何だって、きっと土地の人かなって思ったけど、ここから里まで5時間以上かかるし、絶対あれは変だった」。
先頭で見た光は、私達を追い越して、仲間の間をすり抜けて、こんな遅い闇の中を下っていったのでしょうか。
その日の8時過ぎに、やっと小屋を探し当てた私達は、あらためて皆とさっきの「カンテラの光」について話し合いましたが、結論はでませんでした。
同じコースで同じような体験をした方、いたらぜひ教えてください。
[秀太くんのお父さん@netbeet]
山と怪火。まだ有りませんか?
弟の担任の先生が国道50号線にある渡良瀬大橋で交通事故を起こし、亡くなってしまったのです。
先生が亡くなられたという連絡は、その日の夜11頃に入ったのですが、夜も遅かったので、弟には明日の朝に話そうという事になったのです。
翌朝、母が弟に話そうとした時、「夜中に先生が僕の部屋に来た」と弟が言うのです。
びっくりした私が詳しく聞いてみると、弟は次の様に話し出しました。
夜中に自分を呼ぶ声が聞こえたので起きてみると、先生が枕元に立っていて、「お別れを言いに来た」と言ったそうです。
しばらくすると先生は消えてしまったということでした。
あまりの事に私と母は顔を見合せ、しばらくの間、言葉が出ませんでした。
[惣流アスカ@sunfield]
クラス全員の所に現れたのでしょうか。
魚とは思えない。水鳥とも思えない。
それは黒いシルエットで、四つん這いになった人間の形をしていた。
両手足を水面で滑るように動かし、長い髪をなびかせて消えていった影。
[FULL MOON@ofd]
アメンボ小僧でしょうか?
部屋で寝ていると、誰もいないのにそのドアの開く音がよく聞こえた。
それを閉じる音はしないのに、ドアは何の変化もなく閉じたまま。
部屋に、振動によって鳴く小鳥の玩具があって、時にはドアの開く音の後に、まるで人が歩くような間隔でそれが鳴く事があった。
確かに、私がドスンドスンといった調子で歩くと、それは鳴くのだ。
しかし私が寝ている時、足音は聞こえない。
友達が、「それは電車の震動だよ。けっこー響いてくるもんだぜ」と言っていた。
マンションの横には線路が走っていた。
なるほどね、と合点がいって眠りについた夜。
またドアが開くギィーッという音が玄関の方で聞こえ、小鳥が鳴き始めた。
「電車が走っている。ドアの開くような音も、きっと線路がきしむ音」と解釈して耳を澄ませた。
小鳥が一定間隔で鳴いている。電車の音はまるで聞こえない。
何かがおかしい。何かを忘れている…。
ふと、壁にかかった時計を見て、私はブルッと震えていた。
午前2時半。
線路に灯りは見えない。
…一体どんな電車が走っているというのか。
[FULL MOON@ofd]
部屋に何か曰くがあるのかも。
それはマッチ棒のように細長い、でも電車とマンションとの距離を考えると、丁度それは人間が飛び降りているかのような。
彼は自分の目を疑いました。
目を凝らして見れば見るほど確かにそれは、背広を着た男性がマンションの窓から飛び降りたようにしか見えなかったのです。
マッチ棒の芯が下を向いている、つまり頭から真っ逆様に、それも一人ではなく、彼の見ている目の前で何人もの男性が次から次へと…。
彼が呆然と見入っているうちに、そのマンションは別のビルに隠れ、電車は次の駅へと滑り込んでいきました。
物好きな彼は、そこで電車を降りました。
講義が始まる時間まで余裕があったのと、マンションの位置が、この駅付近に住む彼の友達の家から近いと思われた事。
そしてまた、「もしかして集団自殺!?」という野次馬根性も相まって、彼はマンションの方角へと歩いたそうです。
電車から見たとおりのマンションに辿り着き、辺りを調べましたが何の異常もありません。
おっかしーな、と思ってマンションを見上げると、何故か上の方の階の窓にだけ、鉄格子がはめられていて窓を塞いでいたそうです。
「あれじゃ、あそこから飛び降りる事なんて出来ない…」。
心なしかホッとしたのも束の間、当然のようにそこで「って事は、まさか…」という恐怖が膨れ上がってきました。
恐怖を確かめるようにマンションの正面へと向かい、「○○株式会社独身寮」というプレートを確認した後、その近くに住む友達に電話をかけました。
友達曰く、「ああ、そこの独身寮ね。何でか知らんが自殺が多いらしくてさ、最近窓に鉄格子ハメたんだよ。
仕事でノイローゼになる社員が多いとか聞いたけど…」。
彼は友達に礼を言って電話を切り、先ほど見た会社の名前をもう一度思い出していました。
たとえ就職活動に難航したとしても、決してこの会社にだけは入るまいと心に誓って。
[ゴーストバスターズ@ofd]
会社って入社しないとホントのところは分かりませんね。
この道は、対向車同士がすれ違うのにもギリギリのかなり細い道で、カーブも多く、断崖と山肌とに挟まれていて、脇道や街灯なども一切無い所です。
横浜の友人宅を出たのが遅かったため、この道を通るのが夜中になってしまい、とても嫌な雰囲気を感じたのを覚えています。
この道をしばらく走っていると、後ろから1台の車が追いついてきました。
カーブの多い道ですし、街灯もないので、バイクのヘッドライトだけが頼りです。
後ろの車もずっとついてきます。
自分は、バイクで、ゆっくり走っているので、追い抜かしてもらおうとしたのですが、なぜか抜かしてはいきません。
おかしいと思いバックミラーで、車の運転手を見たら、なんと運転手がいないのです。
びっくりして、あわててスロットルをふかし、その場を逃げ、やっと街灯のある明るい道まで来ましたが、なぜか、この車は途中から消えてしまいました。
脇道もなければ、Uターンできるような所も無いのに、一体どこへ消えてしまったのでしょうか??
[学校林]
車のライトは何色だったのでしょうか。
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