僕は東京で、祖父の容態を母から電話で聞いていました。
祖父はかなりの高齢にもかかわらず、危篤状態がかなり長く続いていました。
病院で付き添っていた母は、母の兄弟にまかせて、一度、最近引っ越した和歌山に帰っていました。
ある日の夜、実家で僕の父がいきなり「般若心経」を大声で読み出したそうです。
父は無宗教で、「般若心経」なんて全く知らないのですが、母が写経をしようと買っていた本を見つけて、突然読み出したのです。
一度目は途中で間違えてしまったのですが、もう一度最初から間違えずに読み直したそうです。
僕が知る父は、その様な事をする人ではありません。
たとえ初めは面白半分に読んでみたとしても、間違えて最初から読み直すような忍耐力は皆無なはずで、家族も不思議に思いながら見ていたそうです。
父が読み終えた瞬間、親戚から祖父が亡くなったと電話がかかってきたのです。
後で父に「何でそんなことをしたのか?」と聞きましたが、「何となくそんな気分になった」そうです。
僕も東京でその知らせを受けて、次の日大阪行きの飛行機に乗りました。
しかし、この飛行機が何処か調子が悪いのか、なかなか離陸せず、飛ぶと天候は良いはずなのにもの凄く揺れました。
スチュワーデスも最後までベルトをしたままで、乗っていて生きた心地がしなかったです。
無事大阪に着き天王寺で父と合流し、お通夜に行きました。
そこで、父から「般若心経」の件やその日起こったことを聞きました。
その日、父は和歌山県の白浜から、車で母と二人で大阪へ出かけました。
出かける前から何かを感じていたのか「葬式に行く車は何故か事故が多いから慎重に運転せんとあかんな」と言い、安全運転だったそうです。
松原から阪神高速に乗って環状線に入る手前に長い直線があり、そこを走っていた時のことです。
交通状況は、スピードが60km程で順調に流れていて、父はわざと車間距離を多めにとっていたそうです。
すると、いきなり道路に眩しくグリーンに光る物体が落ちていたのです。
そんな物が落ちていたら、前を走る車がそれを避けるために、少しでも進路を変えるはずなのに、前の車が通過した直後にそれが現れたように見えたのです。
横に乗っていた母はもっと詳しく見ていて、それは最初空中に浮かんでいて、もの凄い速さで道路上に着地したそうです。
大きさはスイカ位で光り輝いており、二人が言うには「今までに見たどれにも当てはまらない、この世の物とは思えないほど綺麗な色を放っていた」とのこと。
父は慌ててそれをかわそうとハンドルを切ろうとするのですが、何故か体が固まってしまい、それをタイヤで踏んでしまったのです。
踏んだ瞬間、それは車の底に当たりながら、もの凄い音をたてたそうで、前輪のタイヤはただのパンクではなく、ボロボロに裂けてしまいました。
父は、乗っていた車が4駆のV8で、アンチロックブレーキ等最新の機能を満載していたので助かったと言っていました。
車を路側帯に寄せて道路公団を電話で呼びながら、後続の車がその落下物を踏んで多重事故になっては危険だと後方を確認したのですが、何処にも何も無かったそうです。
やってきた道路パトロールの人に「こんなのが落ちてなかったか?」と尋ねました。
すると「僕達はプロで、いつもそういった物があれば直ぐに分かりますが、ここに来るまでそういった物は落ちてなかったです」と言うのです。
しかし、彼らには何か心当たりがあるのか、意味深な顔つきだったそうです。
不思議なことに僕が次の日、父の説明を聞きながら車を見てみたのですが、「もの凄いガンガンという音をたてた」というのに車の底やホイールにも、へこみどころか傷さえ見あたりません。
その出来事があるまでは、家族で不思議な話など一度も話題に上らなかったのですが、今は実家に帰ると、そういった不思議な話しで盛り上がるようになりました。
また何か思い出しましたらメールしますね。ではでは。
[たいちょ@]
得体の知れない物体だったようですね。
その日、私は前日から寒気がしてたんです。当日になったら、39度近い熱が出てました。
だけど、その番組は親子で出ないといけないので、無理やりスタジオへ行ったのです。
本番まで、まだ3時間近くあるというので、私は離れにある凄いボロイ仮眠室で寝かせてもらいました。
2段ベットになってて、鍵をかけたのを確認して、私は下に寝てました。
そしたら「ダダッ」という音がして、すごい髪の長い人が出て行きました。
私は、熱でボーっとしてたので、誰かが出て行ったんだなと思い、また寝ました。
だけど本番になって、起きてその事を話したら、「あるはずがないよ、夢だったんだね」と言われてしまいました。
でも絶対に、夢なんかではなかったんです。
後になって考えたら、上には誰もいなかったし、鍵も閉めたし。ウワ〜っと思ってしまいました。
あの時、ボーっとしててよかった…。
[tarchan@s]
やっぱり、誰だったか気になりますよね? (^^)
僕はその後に春から放送になっていた深夜ドラマに参加していたのですが、スタッフルームのテレビをつけて作業をしていたところ、同局のバラエティ番組で「当局のドラマの劇中に幽霊が映っていた!」なんて事を言ってるんで見てました。
その番組は一話完結のお話でして、その回はサイコスリラーでした。
女の人が家の中で刃物を持った男に追いかけられる場面で、彼女がリビングから隣の部屋に逃げ込む場面です。
彼女が扉から部屋に駆け込むところで、扉から抜けたリビングの奥に、いるはずの無い人物が映っていたのです。
かなり一瞬で、スローモーションでないと解らないほどなのですが。
実際、編集の際、スローで見てたから見つけたそうで、確かに人の顔のようなものが映っています。
スタッフルームにいた人間も「ほぉっ!」となり、たまたまその時の監督も近くにいて、しかもその時現場にいた助監督も、うちのチームにいたので捕まえて話を聞きました。
で、真相なんですが、疑わしい人物は二人いました。
一人は録音部のブームマン。もう一人は女の人に部屋に駆け込むタイミングをキュー出ししていた助監督。
しかしブームマンは見える位置の反対側にいたので、彼ではないと。
残る助監督は確かに疑わしい位置にはいたのですが、撮影時はしゃがんでいたとの事。
しかも映っていた顔は老人っぽく、それとは似ても似つかぬ顔でしたし、やはり彼ではないと。
撮影の後日談で、撮影に使用されたのはハウススタジオと呼ばれるもので、一軒家をそのままスタジオとして使用するタイプの所でした。
普通こういうハウススタジオは空き家である事が多いのですが、このスタジオは老夫婦が実際に住んでいる所でした(僕も知ってる)。
けれど撮影の何日か前に、このスタジオの男性が亡くなられたという事で、もしかしたらこの男性が…という噂です。
でも僕も知ってますが、この男性にも似てないんだよなぁ。じゃ、誰だったんだ?
よくこのテレビとかの話は、やらせとかが多いと思ってる方もいるでしょう。
でも今回の件に関しては、監督スタッフ自身「あれは幽霊だ」と言いきってます。
[横っ飛び父さん@]
情報源が一つだけだと、あれこれ言われるけど、今回の話もあることだし…。謎は深まるばかり。
松尾山の中腹にゴルフ場があり、その近くに絶好のポイントがあったので車を止めました。
そこは奈良盆地が一面眼下に展望できる見晴らしの良い所。
すでに何台かの車が着ていて、皆さん車から降りて日の出を待っていました。
暫くすると、東に見える天理の山の頂上から銀色の光るものが現れました。
周りにいた人々も「初日の出や」とかなんとか言いながら、少しざわめきました。
僕も、日の出というものをまじまじと観察したことがなかったので「おお〜、これが初日の出か」と感激していました。
しかし、よくテレビなどで夕日が沈む瞬間などを見て、結構太陽の動きは思ったより早いと感じていたのですが、そいつはいつまでもその場所に留まっています。
そして、上に上がらず、少しずつ右に移動していきます。
よく見るとそいつは山の頂上より少し下に浮かんでいました。
また暫くすると、眩しかった銀色の光は無くなり、灰色に変わりました。
松尾山から天理の山までの距離から計算すると、かなり大きい物体(長さは1km位)で形は丸みを帯びた長い棒状でした。
大きさ、形などから飛行船などの航空機では無いように見えました。
周囲にいた人たちも明らかに太陽でないと察知したのか、「あれ何や?」「UFOか?」と口々に騒いでました。
それから暫くして、本物の太陽が現れました。
それはまともに直視できない程眩しく、そのすさまじいエネルギーに感動しました。
謎の飛行物体は、太陽が出た所と重なり見えなくなってしまい、太陽が昇りきった後はもうそこにはいませんでした。
時間は午前3時位で、KとOは前に乗り僕は後部座席にいました。
彼らの会話があまり興味のない話題だったので、僕は何となく外を見ていました。
Oは、新車を買って嬉しいのか、話しをしながら用もないのにウインカーを動かしたり、ヘッドライトをつけたりしていました。
そのとき僕は、車のフロントガラスごしに、車の正面上空に見える星に異変を感じました。
Oがヘッドライトを「カチカチと」パッシング(ライトの角度を上下に切り替える)すると、その星も「カチカチ」と同じタイミングで光るように見えたのです。
錯覚かなと思いながら、Oにもう一度パッシングさせると、やはり星もピカピカと応えます。
面白いので続けていると、その星はだんだん我々に近づいて来るのが分かりました。
それはもの凄いスピードで接近してきました。
危険を感じた僕達は、慌ててKの家に飛び込み、彼の部屋の窓から上空を覗きました。
そいつは、スピルバーグの映画に出てくるUFOそっくりで、赤や青の光が無数に点滅していました。
その光は思ったより明るく、周囲が昼の様に明るくなりました。
音などは一切発せず、Kの家の上空50m程に浮かんでいました。
パニック状態だったので良く解らないのですが、1分程でそいつはまた、もの凄いスピードで最初にいた位置に戻りました。
そうすると不思議な事に周りの星と見分けがつかない、ただの一等星といった感じになるのです。
「もう一度呼んでみよか?」とOがパッシングをすると、今度はすぐに接近してきました。
僕達は再びKの部屋に駆け込み上空を観察する、そういった事を3度繰り返しました。
4度目は、いくらパッシングしてもそいつは近づいてこず、そいつはゆっくりと移動しだしました。
「追いかけよう」ということになり、Oの車を走らせました。
奈良という田舎で深夜、道も交通量は皆無、運転手は地元民ということで見失う事もなく、5km程行った所で車の真上にそいつが見える所まで追いつきました。
周囲は、一面畑と田んぼの所の上空100m位でそいつは止まりました。
見上げるのに首がだるいので、Oは少し高くなった所に前輪を乗り上げて3人で観察していました。
空は青く明るくなってきていたので良く見えました。
そいつは半円形をしており、直径は10m位だったと思う。
暫くするとそいつの中から小さな1m位の小型の飛行物体が次々と出てきた。
この頃になるとOも慣れてきたのか、大胆にパッシングをしまくっていた。
僕はビデオカメラは持っていたのに、その場に携帯していなかった事を死ぬほど後悔しました。
20〜30分程そこで上空を見ていると向こうからお百姓さんが、鍬を担いで通りかかった。
僕達は口々に「おっちゃん!あれ見てみ!UFOやで!!」と話しかけた。
するとその人は上空を見上げ、無表情に「あ〜、ほんまやな〜」と言ったきり、どこかに去っていった。
また、何か思い出したらメールしますね。ではでは!
[たいちょ@]
数年前、夜間、上空を広範に回転する光を見た時はビックリしたものです。
これは、パチンコ屋の光線が雲に反射していただけだけど。
が、今回の話はその類ではなさそうだし。早起きとはいえ、謎のお百姓さんも気になるところ。
その後、私はその物体を見ることはなかったけど、友人は「2,3回見たよ」と言っていた。
なんだったんだろう…アレ…。
[綾小路ささめ@]
未確認飛行物体ってことですね。複数の人に目撃されたということは…。
音響機器やコンピュータが多く置いてある所は出やすいと言いますが、アンプ等から発生する磁界が何かを呼んでしまうのでしょうか?
僕は、ある音楽の専門学校に通ってました。
僕が入学した時にその学校のすぐそばに空家がありました。
かなり古いもののようで木造のそれは半分崩れかけて、気味が悪かったのを覚えてます。
しかし、駅まで出るときに、その家がある路地を通ると近道だったので毎日見てました。
しかも、驚くほど猫が沢山いたのをおぼえてます、本当に驚くほど。
夏が終わるくらいにその家に「売家」と看板がでました。しかも、値段は驚くような安い値段です。
駅まで2分、しかも次の駅は新宿ですよ。書かれていた値段は百何十万円でした。
僕等は仲間と一緒に「これはヤバイだろ、絶対幽霊屋敷だよ」と話してましたが、それからすぐにその家は取り壊されました。
整地しているのを見て「誰か物好きが買ったんだねぇ」と話してました。
日が経つにつれ工事は進み、なんと地下数メートルまで掘り下げてました。
でも、そのときザクザクと、あのお墓の後ろにある卒塔婆が出てきました。
幸い工事は何事も無く進んだようでしたので、講師の方に「あの土地買った人がいるんですねぇ」と話しました。
すると、なんとその先生「え? 買ったのウチの学校だよ! あそこに2号館を造るんだって」と言うじゃないですか。
地下を掘り下げていたのは、そこに『ライブ実習スペース』を作るということでした。
僕等が2年に上がった時に、その『2号館』は完成しました。
早速授業でライブ実習をやることになり、学年全員地下に入りました。
出来たばかりでまだ塗料の匂いのするそこは、ライブハウスさながらの機材も入り素晴らしい空間でした。
が、何か足りないような寂しい空気がありました。
よくいう「嫌な感じ」でもなく「出そう」でもなく、何か…が足りないのです。
ライブ実習は滞りなく終わり、同時にまわしていたテープや写していたビデオなどを見て、自分の姿を反省する時間になり、録音したテープを回してみると…。
「うううううっおぉおおぉおぉぉおぉお……」
まさに地の底から発するような声、ちょうどテープを遅く回したような声が入ってました。
回転数は通常のままで、演奏もちゃんと録音されてます。
しかし、人数が段々増えてくるのです。
スピーカーではなく生徒たちの頭上から聞こえているような気もしました。
テープは先生によって止められました。当然生徒たちはパニック状態です。
次にビデオをまわしましたが、それもすぐ止められました。
次々と白いものや黒いもの、人の顔などが現れたのです。
それからすぐに2号館のライブ実習スペースは閉鎖されました。使用禁止です。
その上にあった教室も何かいるという話が出てきて、暗くなる前に授業は終わりにされ、鍵をかけられ夜は生徒は出入り禁止になりました。
それから僕は地下には入ってません。
今でも電車に乗って、そこを通りかかる時は思わず目をそらしてしまいます。
最近きいた話で、
「俺さ、すごく昔に○○のゼミ行ってたんだけどさ、そんとき聞いた話で、駅の向こうに住む人がすぐ死んじゃったり、引っ越しちゃう家があるって。そういう話って、あるんだねぇ」と言ってました。
専門学校に通いながらライブ活動をしていて、新宿のK町の真ん中にある練習スタジオに初めて入りました。
先輩からのお勧めで値段が安いので喜んで行きました。
予約していたA-stに入りチューニングなど準備を始めると、横のスタジオから大迫力のドラムの音が漏れてきました。
スタジオですから防音は完璧なはずです。
いまだかつてこんなことは無かったので、みんなで「すげーすげー」なんて言ってました。
プロも顔負け、いや、プロのドラマーの方が個人練習しているのか、もしくはこのスタジオがボロなんだなんて話してました。
すると、ウチのバンドのドラマーの奴が「俺ちょっと、どんな奴が叩いているか見てくるわ」と出ていきました。
スタジオは二枚扉ですが、小さい窓が開いてて中の様子がわかるようになってます。
するとそこにさっき隣を見に行ったドラマーの奴が血相変えて帰ってきた。
「どんな奴だった?」と聞くと、「そっちに何もねーよ! そっちは壁だよ!」って自分の機材をいきなり片付けてます。
「なんで?大丈夫だよ。じゃあ他のスタジオから換気扇とか伝って聞こえてくるんじゃねーの?」
「このスタジオで今練習してんのウチだけだよ…。しかも…ドラムじゃねーよ、あの音は和太鼓の音だよ!!」
静かに聞くと確かにハイハットやシンバルの金物の音がしない。
そのうち、だんだん近づいてきて、まるでスタジオの中で鳴っているような気さえしてきたので、みんなで帰りました。
スタジオのカウンターの従業員に話すとお金は取りませんでした。
何があって、地下で太鼓を鳴らしているのでしょう?
この話はスタジオではありませんが、その日は友達に僕の家でギターを教えてました。
夏休み中でしかもお盆で家には誰もおらず、自宅用の小さいアンプ(それでも30W)のヴォリュームはどんどん上がっていきました。
この気持ちは楽器をやってる人ならわかると思います。
恍惚としながら二人でギターを弾いてると、そのギターの音を掻き消すようにアンプから
「うぉぉぉるぅううぅうぅうさぁぁあぁぁっあぁぁぁっいいいいいっっっつっ!!」
冗談のような話でした。
タクシーや大型トラックとかの違法無線の声が入ることは良くありました。
それも突然なのでびっくりします。でも、そのときは違ったんです。
声が聞こえたとき僕の横にあったコンセントを思いっきり抜いたのですが、ONの赤ランプが消えたアンプからやはり声が聞こえているのです。
今では「あの時さぁ」って笑える話ですが、そのときは大変でした。
その友達は泡を吹いて痙攣してたので、救急車を呼んで運んでもらって…。
幸い霊障ではなく、ただのショック状態でしたが。
お盆であまりにうるさかったので、帰ってきた霊に怒られたのか…。
今年の1月15日成人の日、東京は大雪でした。
運の悪いことに現在組んでるバンドのライブのブッキングが入っていたので、止まりそうな中央線に乗り新宿へ向かいました。
もちろん自動車は使えないので、山のような機材はスタッフを含め分担し手で運んでます。
まさに東京の真ん中で遭難しそうなほど凄い雪でした。
やっとライブハウス「新宿○M」に辿り着き、事務所の方に聞くと「午後の部のバンドさんが一時間おしでまだ演奏してるのでスイマセンが一時間待って下さい」と言われてしまったので、そのビルの中で待つことにしました。
ライブハウスは地下なのでその上に何階建てかのビルが建ってます。
動いてないとマジ寒かったので、そのビルの1階を歩き回ってました。
かなり古いビルで昭和30年代の高度経済成長期に建てられたような壁や廊下、そしてその奥に地下へ下りる階段を見つけました。
「へーここからもライブハウスに降りられるのかな?」と下を覗いた瞬間、何か嫌な気持ちがしてすぐ目を上げました。
そこは真っ暗でしたが使い古されたソファーや机、ごみなどが散乱してました。
それから、尿意を催したのでトイレに入りました。
トイレは階段のすぐ横にありました。
中はまるで病院のトイレです。白と薄緑のツートーンの壁で欠けてしまっている便器。その上には何枚かお札のようなものが貼られてました。
さっき見た階下の様子や、お札で怖くなり、他のメンバーとつれ○ょんしようと思いそのメンバーを探しましたがいません。
入り口付近にいたメンバー(女性なのでつれ○ょんできません)に○×はどこいったの?と聞くと「なんかさっきあそこの階段を降りてったよ」って…。
それはヤバイんじゃない?と尿意も忘れ、さっきの場所に飛んでいきました。
また恐る恐る覗くといました。メンバーがさっきのソファーに座って寝ています。
この雪の中あれだけの荷物を持ってここまで歩いてきたのだから疲れてるんだな、まだ時間はあるし。
このまま寝かせておいたほうが良いのかなと思ったとき、暗闇に目が慣れてきたのかだんだん周囲の状況が見えてきました。
良く見るとメンバーの周りに黒い輪のようなもやもやがかかってます。
ちょうどドーナッツのように真ん中から寝ているメンバーが見えるのです。
やべ!起こさなきゃ!と、声をかけました。「○×! 起きろよ!!」
起きません…思い切り「○×! おーきーろーよー!!」まだ起きません。
そのうち黒いものだけでなく白いもやもやも出てきました。これは早くしないと…。
階段を恐る恐る降りて行くと、面白いことがわかりました。
なんと、その先には…何も無いのです、どこにも繋がってないのです。
ただ降りてくだけのかいだん…まさに怪談…すいません。
メンバーを起こそうと近づいていくと、さっきの黒と白のもやもやは、みんな人の形をしているのです。
紙を人の形に切ったような、ただそれだけの表情も何も無いものが動いてます。
しかも、数え切れないくらい沢山、いるというよりひしめき合ってるような。
もう必死でした。これから演奏が始まるのに大事なメンバーにもしもの事があったら…。
しかもそのメンバーには愛する奥様や子供もいる。…で必死にメンバーの手を引っ張って階段を駆け上がりました。
夢うつつで訳のわからんメンバーは「ふぁぁ?」と言ってるところを「何であんなとこで寝たの?」と聞くと。
「いやぁ、階段があったから覗いてみたら急に眠くなって下を見たら、丁度いいソファがあったから座ってみたら寝てしまった」ということでした。
気持ち悪いのでそこから離れました。
やっと僕等のライブが始まり…この時点でJRのほとんどが止まっていたので、来てくれたお客サンは30人たらずだったのです。
しかし、演奏が終わったあとヴォーカルの女の子が変なことを言い出しました。
「今日すごいね、お客サン沢山来てくれたね」
「え? スカスカだったじゃん」
「なんでー、ステージからだとさ、あんまり見えないんだけど、頭が沢山あって向こうの壁、見えなかったよ」
その話を聞いていたもう一人の女性メンバーが「そこにもいるよ」と壁を指差して言いました。
その壁はさっきの階段が繋がっているはずの壁でした。
なんだかわからない、何をしたいのか、誰なのか…でもはっきり分かっているのは、あのお方達は僕等のライブを見てくれていた…。
ついこないだの話です。新小岩のホテルに彼女と入りました。
休憩で3時間でしたので、寝そべってゆっくり過ごしていると、けたたましく内線?が鳴りました。
フロントで「料金を間違えた」と言いましたが、すぐに「スミマセンこちらの間違いでした」と切られてしまいました。
通常こんなことは絶対ないので、なんだろーね位にしか思ってなかったのです。
しばらくして「ガチャガチャ、ガチャン!」とドアの鍵を開ける音と「ギィーバッタン!!」とドアが開く音がしました。
これは尋常じゃないと立ち上がった瞬間、カチャンと鍵のかかる音がしました。
玄関まで見にいっても誰もいないので、掃除のおばちゃんがマスターキーで開けてしまって、靴があったから驚いてすぐ閉めたんだろうということで、その場は解決しました。
で、そのあとまた寝そべろうかなと思ったら、洗面所からスリッパを引きずるような音が聞こえ始めました。
彼女は「誰かいるでしょ?」っていうので、ここは男たるもの見せ場だと思い見に行きましたが誰もいません。
まぁ、誰もいないのでそろそろ愛し合おうかなと思ったとき、お風呂の方から声が聞こえてきました。
明らかに二人です。男性と女性です。
女性のキャッキャ言う声と男性のこらこら…みたいな声が印象的でした。
それにしてはあまりにも現実的な声なので隣の声が聞こえてきたのかなと思いました。
声にエコーがかかってたので風呂場からと思ったのです。
しばらくして声は止みましたが、耳を澄ませば澄ますほどお風呂ではなく空中から聞こえるような不思議な声でした。
その後、しばらくしてまたガチャガチャ…ガチャン…と扉から音がしました。
また、見にいったのですが誰もいません。そのとき彼女がボソっと言いました。
「仲良さそうだったね、よかった」
あまり気にせずにいましたが、すぐ内線がかかった来ました。
「今ドア開けました?」
「いいえ開けてないですけど」
「おかしいわねぇ…まだいますね」と切られてしまった。
センサーでフロントに伝わるのは知ってましたが、こういうホテルはお客がいったん部屋に入ったら余程のことが無い限り内線はしてきません。
なんか煮えきらずに、少しだけ愛し合ってすぐ出ました。
出た瞬間わかりました。さっきの彼女が言ったこと「仲良さそうだったね」
僕等がいた部屋は一番はじの部屋で、横は壁でもう一つ横は階段で両隣部屋はありません。
「さっきのってなんだろうね?」と聞くと彼女は。
「だってあのドアの音、最初は外から開いて2回目は中から開けたでしょ?
きっと事故か何かで二人一度に亡くなったカップルがまだ自分達が死んだことに気がつかないで仲良く生前と同じようにホテルにきてるんだね、なんだかうらやましいね」
怖いというよりもなんか悲しくて、うれしくなるような出来事でした。
僕は中学生の時、自転車が好きでした。
母からドロップハンドルのサイクリング車を買ってもらったときはすごくうれしくて毎日乗りまわしていました。
なんだかすごく自由で、これでもう道さえあればどこでも行ける。
毎日メンテナンスをして、スポークを調節したり、ベアリングにグリスをさしたり、お年玉をもらうと貯金もしないで、改造に明け暮れました。
おかげでもの凄く速い自転車が出来ました。
それで房総半島一周や、地域のロードレースにも出ていました。
将来は競輪選手か自転車屋だねと親にも呆れられてましたが、僕が中学2年生の6月くらいのことです。
久しぶりに梅雨空が晴れた日に、水戸街道を上っていこうと自転車を走らせました。
柏をすぎた辺りから、横道に入ったのですが道に迷ってしまいました。
そのうち牛久を通り、本当にわかんなくなって元の水戸街道に戻ろうとしてた時です。
道は下り坂です。登りが多かったので下りは汗が引くあの感覚がとても気持ちいいものです。
しかも、チューブラータイヤというチューブとタイヤが一緒になっている競技用のタイヤを履いていたため、どんどんスピードが乗ります。
一車線の道で車も少しはいたため道の一番端を走ってました。
短いトンネルに入りました。向こう側が見えるので長さは70m位か。
トンネルの真ん中辺りで不思議なことが起こり始めました。
スピードが急に失速しているのです。まだ坂は続いてます。
でもこいでもこいでもスピードはあがらずそれ以上に失速してます。
丁度二人乗りをしているようなペダルの重さです。
その時、何気なく、本当に何の気もなく後ろを振り返りました。
視線を感じるとか、気配がするとかそういうつもりじゃなくて。
するとそこには、手がありました。ひじから先はありません。
青白い、生気の抜けたような手が僕の自転車のサドルステーをしっかりと掴んでいるのです。
「うわぁ!」と叫んだ瞬間トンネルを出ました。出ると同時に軽くなりました。
心臓が破裂しそうなのと、急激な喉の乾きを覚えその近くにあった店に入りました。
よく田舎(失礼)の方にある、店の前に雑誌などが置いてあり、中は魚肉ソーセージや缶詰、スナック菓子などを売ってるような店です。
そこでジュースを買って一気に飲み干しました。
でも、どうしても気になったので店のおばあちゃんに聞いてみました、笑われるのを覚悟で。
すると「去年の今頃かねぇ、君と同い年くらいの子供があのトンネルでトラックにひかれてね。即死だったんだよ。そのときも自転車に乗ったままでね。
だから、きっと君が自転車でスピードを出していたから、危ないよって教えてくれたんだよ」
このときも寂しいような、うれしいような気持ちでもう一度トンネルに行って手を合わせました。
帰り道はさっきのおばあちゃんに聞いたのですぐわかりました。
本当は霊って、悲しくてうれしいような存在なのかなって漠然と思ってました。
3年位前の話です。
彼女の友達のカップルと4人で車一台で九十九里海岸へ行きました。
夕御飯を食べてからだったのでかなり遅くなってしまいました。
丁度7月の初めでまだ梅雨明けしておらず、むしむしした夜でした。
ご飯を食べてて「今日は暑いから夜の海にでも行ってみようか!」
「いーねぇー」と狭い車で、海に向かうことになってしまったのです。
千葉を出てから4時間くらい。前にも後ろにも車はいません。すれ違う車も稀です。
海に近づくと霧がでてきて、まさに嫌な感じです。しかも一本道の山の中。
誰ともなく「こういう日って出るんだよね」なんて話になって車の中は空前の怪談話になりました。
何事もなく海に着いて、駐車場に車を入れました。
他にもまばらではありますが結構、車はいます。
なんか、夜の海なのに全然さびしくないのです。
浜辺からは子供がキャッキャ遊ぶ声が聞こえます。
友達のカップルは「俺等ちょっとトイレ行ってくるわ」と50m位先の公衆トイレに行きました。
二人残ったので、やけにロマンチックな気持ちになり「砂浜におりてみようか」なんてキザに言って波打つ砂浜に降りました。
波打ち際で波を見ながら、キザな台詞を考えていた時です。
彼女が突然「あれなーに?」と指差しました。
「なんか黒いの二つ動いてんだけどなんだろーね?」
確かに二つ黒いのが動いてます。
でもそれは波打ち際から30mくらい海の方です。
しかも目を離す度に近づいてくるような気がします。
大きい塊と、小さい塊、遠目でみるとカップルが手をつないで歩いているようです。
これはヤバイんじゃない、と今来た道を走って駐車場に戻り、振り返ると、その影は波打ち際にいました。
僕等が今いた所です。
しかもただの塊ではなく、黒い紙を人の形に切ったようなものが動いてます。
彼女は喜んでます「すごいすごい!初めて見た!あれが幽霊なんでしょ?」
「いや…ちょっと待って、あれだけじゃないぞ…」瞬間二人とも同時に身震いしました。
気がついたらその黒い紙を人型に切り抜いたモノに囲まれているのです。
何もしようとはしませんが、ゆらゆら動いてます。
そこへ、さっきトイレにいったカップルが帰ってきました。血相を変えてます。
「帰るぞ、早く乗れ!」ほとんど怒り出しそうな声で叫びました。
僕等もすぐ車に乗り、物凄いスピードで来た道を戻りました。
海岸を離れてから、「いやぁ凄かったね、沢山でたね」
「さっき子供の声聞こえただろ、そんなんいねーんだよ、子供なんてどこにも」なんて話していると助手席の友達の彼女が静かだ。
「○×ちゃん、凄かったね」と声をかけても返事が無い。
その瞬間運転していた彼氏が叫びました。
「おい!○×!しっかりしろ!!」
後部座席にいた僕が乗り出して顔を見ると血の気が無い。しかも泡とよだれのようなものを吐いている。
「しっかりしろよ!」と声をかけると…ニターと笑って目をつぶりました。
車はとんでもないスピードで走り、街にでると彼女が起きました。
「どこ?」「もうすぐ千葉だよ」
「え、あたし寝てたの?」と言うと彼氏は「そうだ、よーく寝てたぞー」と優しく言いました。
そのあと彼氏に聞くと、彼女は霊感体質?らしくて霊を感じるとすぐああなっちゃうとのことでした。
夜の海は怖いです。何がいるかわかりません。もう行きたくないです。
中学生の頃、良く金縛りに遭いました。
でも体が寝てて頭が起きてる状態だって言われてたので怖くはありませんでした。
いつものように布団に入り電気を消して寝ようと思ったら、目を開けたまま金縛りに遭いました。
今日のは違う!金縛りで動けないうえに、足の先から痺れていく感覚に襲われました。
しかし指は動くのです、足の指も手の指も。
暗闇で目が慣れてきました。すると足の先に見なれないボールがあります。
僕は二段ベットの上で寝てるので、ボールは浮いているとしかいえません。
動く足の指で触ってみると、髪の毛なのです!
もう頭の中は真っ白「わー、助けてー」って叫んだら、下に寝てた弟が起きてきて「おにーちゃん、今の声聞こえた?」なんて言うのです。
「何でだよ、今俺たすけてっていったじゃん!」
「違うよ、なんかおばあちゃんみたいなしわがれた声で『殺してやる』って言ったんだよ。僕眠れなくて起きてたからはっきり聞こえたよ」
すると、向こうの部屋で寝ていた母が起きてきて「なによ今の声?」
「え?俺だよ」「違うわよ、おばあさんの声だよ」
打ち合わせは…できないよね。少なくとも母は寝てたんだし…。
じゃあ誰?
また機会があったら送ります。
[BUN@]
何かを訴えかけられたような体験ばかりでしたね。
朝イチに会場で配るものなので、当然仕事は夜です。
たまたま、他の人は別の部屋で作業してて、私一人が編集室でマック作業してました。
気が付くと後ろに誰かの足が見えるんです。
なんか急かされてるみたいでやだよなー…と思って、視界にチラチラ見える足の主は無視してたんですが。
しばらくして振り返ると、誰もいない。
疲労のせいだと思って気にしませんでしたが、今度こそいるじゃん! 足、見えてるよ!!
…と思って見ても、…いない。3回は見ました。
それでも疲労のせいだと思ってました。
でもその後、助っ人に来て下さってた男の人が「あの辺りは戦前、何が在ったのか?」って訊いたそうです。
「何でそんなこと訊くの?」って言うと、「威勢のいいお兄さんが一人、あの部屋に立ってたから」って…。
うーん、やっぱりいたのかー??
ちなみにその辺りは市場だったみたいです。
先の戦争で焼き尽くされた地域です。
[フール@s]
戦争の爪痕は各地に残っていますね…。
私の母は戦時中、井の頭公園の隣に住んでいたのですが、敵機の機銃掃射や池に投下された時限爆弾の話などをよく聞かされます。
平和ボケしている自分が幸せだと感じる時でもあります。
いつも利用しているスタジオは、東京都内にある結構古い所で、中にはA,B,C,Dの四つの部屋があります。
普段はAを使うのですが、時々ブッキングの関係でBスタを使う事があるのですが、決まってここで異変が起こります。
入り口は一つで防音用の重い扉なのですが、その取っ手が勝手に動きます。
中では演奏の練習をしているのですから、扉の取っ手などには気付かないはずなのですが、なぜかそのときに限ってそこが気になるのです。
その取っ手は物凄く硬くて、一旦ガチャンと閉めてしまうと開けるのに男でも結構力がいります。
ヴォーカルが川崎から通っていて、いつも遅れて入って来るので最初の頃はヴォーカルの人が来たのだなと思い、扉を開けると大きい音が外に漏れるので、演奏をストップしていました。
が、一向に入って来ない。開けて外を見ても誰もいない。
悪戯か、誰かが別の部屋と間違って開けようとしたのかな、とも思いましたが何度も続けて起こるので、今では「またか」としか思わなくなりました…。
それは、僕にだけ見えるのではなく、スタジオの中で扉の方向を向いて演奏しているドラムも良く見ます。
やはり彼も、それを見る時はそこが「何となく気になる」そうです。
最近もそこに入った時、「キーン」といった音がしていて、マイクがハウリングを起こしているのか?と思い、ミキサーの音量レベルを下げたのですが治まりません。
練習が終わって全ての電源を落としても鳴っていた時はメンバー全員がパニックになりました。
受付の人に起きた事を話すと、「Bスタですか? そんな話は聞きませんが、Dスタなら良く聞くのですが」と言ってました。
それと、この話はスタジオとはいわないのかもしれませんが。
今から10年程前、まだ僕がアマチュアだった頃、当時組んでいたバンドで、デモ・テープでも作ろうという事になった。
当時のマネージャーの実家が埼玉県の奥地で工務店をしていて、その木工作業場にプレハブの小屋がありました。
お金が無いので、そこを使わせてもらって録音した時のことです。
そこは一面麦畑の中にポツンとあり、1km四方民家は何も無く、一日中大きな音を出せるので喜んで機材を持ち込んで録音を始めました。
必要な食料や布団等は、マネージャーが少し離れた町にある実家から、車で持って来てくれました。
3日泊まり込みで完成させようと録音作業は毎日深夜までやっていて、初日も夜中の2時頃に作業を切り上げてそこで寝ました。
しばらくすると「ガチャ」と、閉めていたプレハブ小屋のドアの鍵を開ける音がして誰かが中に入って来ました。
そこの鍵を持っているのは、僕達とマネージャーだけなので、僕は「マネージャが忘れ物をして取りに戻ってきた」と思い、とても疲れていたので話しかけずに寝ていました。
でも、そいつは全くの暗闇の中を、明かりを一切使わずに部屋の奥の方でうろうろ歩き回っていて、時々僕の枕元にも近付いてきました。
しかし、僕はマネージャーが、明かりをつけて僕達を起こしてはまずい、と気を使っていると思い込んでいて「気を使わずに明かりをつけて、早く帰ってくれ」と思いながら、いつの間にか寝てしまいました。
次の日マネージャーに「一体あんな時間に何を取りに来たのか」と聞くと、「そんな時間に、恐くてこんな所に一人で来られないわよ」と言い、確かに、夜中にどうしても彼女が取りに来なければならないものは、そこにはありませんでした。
あれは夢か?と思い込もうとしたら、ドラムが「実はオレも寝られずに起きていて、確かにそのようなことはあった」と言い出した。
その夜は、僕以外の人はそれ以前に打ち合わせていたので、全員東京にレンタル機材等を返しに帰ってしまい、一人でギターの録音をしていました。
時期は春の少し暖かくなって来た頃なのに非常に寒く、作業場なので電気だけは動力用のを引いていたので電気ストーブを3台つけていました。
が、どこからか冷たい風が吹いて来るので効かない。
吹き込む隙間をガムテープで塞ごうと探したのですが何処にも無く、タバコの煙が何も無いある空間からサーッと横に流れていた。
その向こうでは煙が上に上がる。
それと誰かに近くでジーっと見られているような視線を感じる様になった。
同じ部屋の中にギターアンプがあり、大きな音が出るので物音か何かを察知出来ないので凄く恐かった。
それでも作業を続けていると服の肘の所を何者かがツンツンと引っ張った。
僕は驚いて飛び上がり、何度かそれが原因で作業が中断した。
音を出していない時は、部屋のあちこちで「バチッ」という乾いた木を折るような音がしていた。
やがて周囲が明るくなって来ると、風や「バチッ」という音、ジーッと見られているような感じが無くなった。
メンバーも帰ってきて、その録音作業も終わりに近付いた最後の夜、昨日起こった出来事を話していると、外で「ザッ、ザッ」という足音がした。
それはプレハブ小屋の周りをぐるぐる回って移動していた。
無事録音を終えた、その年の暮れに埼玉でライヴをやり、忘年会も兼ねた打ち上げをやろうということになった。
しかし忘年会シーズンで、僕達も人数が多かったので何処も入れず、例のプレハブ小屋に酒や食料を持ち込もうと思いつき、皆で行ってみた。
酒も入って賑やかになった頃、僕が「以前ここで録音した時、こんなことがあって…」と話し出すと、いきなり外で「ザッ、ザッ」という足音が聞こえて来た。
全員パニックで、あちこちに散らばっていた人が部屋の真ん中に集まって「今あそこにいる」「こっちに移動した」と外の足音に聞き耳をたてていた。
その時は足音の他に話し声も聞いた。
凄く小さい声だったので、何を話しているのか、何語で話しているのか聞き取れなかったが、2,3人の男の声の様に聞こえた。
別に何かを見たというのではないのですが、ここならいつでも霊感の有る無しは関係なく、誰でもこのような体験は出来ると思います。
また、何か思い出しましたらメールしますね。
ではでは!
[たいちょ@]
感性豊かなミュージシャンほど、何かを感じるのかもしれませんね。
長文にわたるお話し、ありがとうございました。
夜中の2時前なのに、途中で一組の親子にすれ違い「案外今のが幽霊やで!」と騒ぎ出したりしたのですが、他の3人は疲れていて「そんな事どうでもええ。早く飯喰って寝ようや」とそのホテルに急ぎ戻りました。
その後もその親子の話しをA君はしきりにするのですが、「この部屋や旅館が大丈夫ならそれでもうええやんけ!」と他の者は怒り出す始末で、酒の勢いもあってみんなゴロ寝しました。
A君は車の中にカメラがあったのを思い出し、「ちなみにこの部屋撮ってみようや。なんか写りそうやと思うわ」と一人興奮していましたが、私がトイレから戻ってくると、彼はなぜか意気消沈なのです。
「どうした? カメラはとってきたか」と尋ねると、小さく頷きながら「もう寝るわ」と言い、結局みんな朝遅くまで熟睡しました。
旅行から帰った翌朝、そのカメラの写真を見ましたが特別何も写っておらず、期待はずれでしたが、A君の意気消沈の理由を聞いてビックリしました。
カメラを取りに駐車場へ行った時、車の中にあの親子が乗っていたそうです。
キーロックは勿論かけてあったし、後部座席に乗っているその親子の身体の大きさがどう見ても、こびとのように小さい。
その親子は30歳位のロン毛の母親とポニーテールにしている小学5,6年生の女の子だったそうです。
そして、彼の方へゆっくり振り向いたその瞬間、二人とも鼻がぐちゃぐちゃになっており、目が血走っていたのです。
腰を抜かした彼がもう一度勇気を振り絞って立ち上がった時、もうその二人はいませんでした。
後部座席には潮の香りが漂い、タンポポのような花びらの一部らしきものが落ちていました。
みんなを驚かせないようにと後日まで秘密にしていたA君でしたが、よく我慢できたものだと悪友ながらに思います。
[百物語@i]
高原の甘い香りではなく潮の香りとは…。砂丘から…。
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