今年の3月31日の事です。
私が夜、友達と電話で長話をしていると「おかえり」という声が聞こえたのです。
それは丁度、受話器から顔を離し、遠くにいる相手に声をかけた…という感じでした。
私はてっきり彼女のご主人が帰って来られたのかと思い「あ、ご主人が帰って来られたの?じゃあ…」と電話を切ろうとしたところ、「え?帰って来てないよ」と。
「でも今、お帰りって言ってなかった?」「言ってない、言ってない」
でも、確かに聞こえたのです。女性の声で「おかえり」と。
すると彼女が「ね、その声どんな感じだった?」真剣な声で聞いてくるので、「あなたの声に良く似てた。高めの可愛らしい感じの声…」そう答えました。
すると「そうか…」彼女は少しの間、黙っていました。
「実はね、今日…というか、日本時間の今日(4/1)友達の命日なんだ…。だから、もしかしたら友達の声かもしれないな、と思って」
彼女は5日後に日本に一時帰国する予定だったので、亡くなった彼女の友達が、自分の命日に一足早く「おかえり」と伝えに来たのかもしれません。
これは、その友達が昨日体験した話です。
彼女が夜中の2時頃、一人でインターネットをやっていたところ、PCが置いてある机の横にある観葉植物のあたりで、人の気配がしたそうなんです。
「うわっ、やだ…」彼女が思った時、部屋の間接照明、天井のライトがチカチカと点滅したそうです。
そして、壁から男の人の顔がぬーっと出てきて、すぐに消え、そして人の気配も消えたという事でした。
怖くなった彼女は、すぐにPCの電源を落とし、寝たと言っていました。
この話について、それは多分通りすがりの霊で、アパートの周りを巡回?していたところ、電気がついている家があったので「何をしてるのかな?」と覗いてみたんじゃないか?という結論に達したのです。
そう考えないと怖いですもんね〜。
彼女はそのアパートに住んで2年経ちますが、そんな事があったのは初めてだそうです。
[サカジュリア@]
後日談、いかがでしょうか。
夜10時頃、自室(男部屋)にいると、ドアをノックする音がしました。
ドアを開けてみると、女部屋のQちゃんが何故か廊下をスタスタ歩いて部屋に戻って行くところでした。
「わざわざ来てノックまでしたのに何で帰っちゃうんだろう?」と思い、裸足だったのでいったん部屋の中に戻って靴を履き、彼女の後を追いました。
廊下に出てみると、すでにQちゃんの姿は見えなかったので、女部屋のドアをノックしました。
Qちゃんが出たので、何の用?と聞いてもキョトンとしています。
今、男部屋に来たのにノックしただけで帰っちゃったじゃない、何か用だったの?と説明しましたが、「部屋から出てなどいない」と言います。
同室のPちゃんも、Qちゃんとは今までずっとお喋りしていたから間違いない、ずっと部屋にいたと証言します。
二人とも人をかついで喜ぶような事はしない性格ですから、ウソを言っていることはないでしょう。
詳しい話を聞くと、しまいには、Qちゃんは気味が悪いと言って泣き出してしまいました。
中国のホテルには、各フロアごとに服務台といって、フロントとは別に受付兼サービスカウンターがあり、24時間服務員がいて不審者(売春婦など)の出入りをチェックしています。
そこで誰か来なかったか聞いてみましたが、「さっきから誰も出入りしていない。そもそもこの階にはあなたたち4人しか泊まっていない」ということでした。
僕が、廊下を歩いていく後ろ姿を見た女性は、服装(Qちゃん自作のバックプリントのTシャツで間違えようがない)も髪型も背丈も、悪いけどちょっと太めの体型も、Qちゃんに間違いありませんでした。
彼女でないとすると、アレはいったい誰だったのでしょう?
[espresso@]
見間違いだったのか、それとも…。
ちなみに、プリントが『オバQ』だったってことはないですよね(^^;
数年前に、仕事でお付き合いのあるお客さんに誘われて、ロッキーの山岳部でもワラビが採れるらしく、一日かけて足を運んだことがありました。
数10kgなどというレベルの量で採れるのですが、その時に不思議な体験をしました。
路肩に車を停めて山肌に沿って登っていき、各自ばらばらになってワラビをつまみ始めました。
何百何千という樹木に囲まれると、不思議なエネルギーを充電するように感じる私ですが、かがみながらワラビを採っていると、自分の脇の方に人の気配を感じました。
仲間たちのそれだと思っていましたが、目をそちらに向けることなく、目の片隅に見える人影に気を配りました。
すると、まるで周りにある木の間から顔をひょい、ひょいっと出して覗いているように見えました。
その数が、無視できないほどになった時、顔を上げて周りを見渡しましたが、誰もいません。
自分より数10m下の位置に一人、仲間の背中が見えましたが、顔が見えたのは数mという至近距離。
決して悪意があるようなものではなく、好奇心から覗き込んでいる、といった印象でした。
「森の精」という言葉をふと思い出したのはその時でした。
小さな羽をつけた精たちが、森の中を飛び回る。童話に出てきそうなあれです。
しかし、私の見たものは、童話のそれではなく幹を片手で支えながら顔だけ半分覗かせ、覗き込むようなものでした。
童話に話が載っていたり、昔話にそのような精の存在を感じさせる話があります。
それは、実際に昔の人が何かしらの体験をして、それが話となって尾鰭、背鰭がついたにせよ、伝承されたものなのでしょう。
「森の精」。不思議な、しかし、人間が失いかけている自然の問いかけを受けたような気がしました。
[わらじのカウボーイ@]
自然との触れあい。多く持ちたいものです。
実は先月、とても悲しい事がおきました。
彼女(フランカ)のお母さんが亡くなったのです。
とっても悲しかったのですが色々と私も通訳などの仕事があり、結局、私自身はどうしても行きたかったのですがお葬式には参列できませんでした。
それどころか亡くなった日には病院に行く事さえも出来ませんでした。
亡くなった日の翌日の朝、病院の霊安室へフラの叔父に付いていただいて(一人では怖かったので=私は34です)行きました。
一人でさみしく眠っていて、とても涙が出てきて止まりませんでした。
亡くなった日、翌日、そしてその翌日と、とても良い天気でした。
因みにその後、お墓参りに行ったり、何かしら彼女に関係がある事がある時には、必ずとても良い天気になります。
偶然なのでしょう、でも、彼女のやさしい性格が関係しているような気がしてなりません。
前置きがとても長くなりましたが、怖いというよりも不思議だったのは、そのお葬式の日の夜の事。
その日、フランカはお葬式に参列し、私自身は別途、お客様と一緒にその日一日を過ごし、夕方、お客様方と一緒に彼女と合流しました。
お客様方にフランカを紹介する為です。でその後、いつもの事ながらみんなお揃いで、記念写真を一枚撮りました。
通りすがりの方に頼んでシャッターを押していただいたのですが、何故か写った写真は真っ青だったのですね。
デジタルカメラで撮ったのですが、夜、コンピューターに入れてみて初めて気がつきました。
写したその場では見ませんでした。こんな事は初めてでした。
フラッシュもたかれたし、距離もわずか2mくらいの所でしたし、街灯もついており、状況としては完璧なバッチリな状態だったのですが…。
で、いつもなら、上手く写らないとしても真っ暗になるか薄暗く写るかのどちらかで、画面全体が真っ青に、丁度ブルーフィルターを全体にかけたようになる、そしてなった、なんて事は一度もなかったのです。
不思議な事もあるものです。
画像修正してみましたが修正は全く効きませんでした。
きっと、フランカのお母さんが一緒に写ったんだろうね、と後で言い合った私たちです。
この後、一人でうちにいる時に何故か変な音がしたりした事が数回ありましたが「ああ、どうせフラのお母さんだし」と全然怖くなかったのは幸いでした。
だって、私はとても怖がりでして、普通の場合でしたらきっとビックリこいて悲鳴が出ていたかもしれませんので…。
そんな不思議な物音も日にちが経つにつれ出なくなりましたので、きっとお母さんも落ち着いたのでしょう。
[酒井博]
他のお話も、お待ちしております<(_ _)>
ブリュッセル近郊のシャトーホテルでの出来事です。
シャトーとはいいますが、いわゆる城ではなく、日本的感覚でいうと「洋館の立派な物」という感じのホテルで、ホテルの専門学校も兼ねていました。
給仕してくれるのも高校生くらいの子達が多く、明るい雰囲気で、とてもそんな妖しい感じはありませんでした。
最近日本のツアーでも利用しているようですので、思い当たる人もいらっしゃるかも。
チェックインして案内されたのは、2階の表の駐車場に面した非常に広い部屋。
まずドアを開けると3畳くらいの廊下のようなスペースがあり、そこにクロークが。
そしてもう1つドアを開けると室内になるという、ちょっと変わった2つドアがある構造でした。
部屋自体は20〜30畳はあり、ベッドはドアから向かって左の壁際に二つ並び、その逆(ドアから見て右手)には窓と机がありました。
ドア自体が机側に寄って位置していたので、入ってからちょっと斜めに部屋を横切ると、駐車場に面した正面にある大きな窓に行きつけます。
これがあとでポイントになります。
なにしろ広い部屋ですし、夜中にトイレに行きたくなったら困ると思い、廊下部分の明かりをつけて、そのドアを開けたまま眠りにつきました。
ちなみに私がドア側、友人が正面窓側のベッドでした。今回はちゃんとツインです。
不思議なんですが、うつらうつら眠りながら、私はどうにもあの廊下の開けたドアを「閉めなきゃいけない」と思っていました。
しかし、半分眠っているため身体は動かせない。
閉めなきゃいけないと思いながらもそのまま熟睡してしまったのです。
そしてどれくらい経ったか、人がドアの方からヒタヒタとベッドに近づいてきて、私の腕を掴みました(またか、という感じですが)。
夢うつつで私が腕を振り払うと、その人は手を放し、またヒタヒタと友人の方(窓側)へ向かって走っていきました。
私は半分寝ぼけていましたし、ドアを気にしながら寝ていたので、変な夢を見たのだろうと、またまたそのまま寝てしまいました。
次に目を覚ますと、辺りは明るく朝でした。たださほど時間は経っていないようでした。
起き上がると友人もベッドに起きあがっていました。
変な夢見ちゃったというと、友人も暗い顔でうなずきます。
ドアの方から足音した?と聞くと、「うん」との返事。
「ベッドの端に誰かがギシッと乗ってきたから、もう朝で起こしてくれてるのかと思って。
そしたら布団をめくりあげて腕を掴まれた。これは違うと思って、一所懸命振り払ったら、ベッドから降りて窓の方に走って行った」と言います。
私が体験したのと見事に符合しています。二人で顔を合わせてゾッとしました。
今から思えば、あまり邪悪?な感じはしませんでしたし、足音も子供のように軽やかな物でした。
ちょっとだけ座敷ワラシを連想させられます。
まぁ、ドアを閉めて寝ていたら、入ってこなかったのかも知れませんが。
以上が海外での体験です。2度とも腕を掴まれてます。向こうの方が肉体派なんでしょうか?
日本でははっきり「人に腕を掴まれる」ような感覚を受けたことはありません。不思議です。
[まめぞ@]
腕を掴まれる。不思議でしたね。
私もDJをしてくれと言われ、当時の彼氏が横で見守る中、レコードをかけ始めました。
ふと、フロアを見ると様子の妙な二人組が踊っています。
照明はもちろん薄暗かったですが、ミラーボールが白いライトで回っていたので踊る人達の顔は良く見えました。
その二人組がどうして変だったかというと、二人とも頭から顔にかけて血がこびりついていて、目の周りや頬が青いのです。
洋服も擦り切れています。まるで車に轢かれたみたい。
私はすぐにはそれがどういう事なのか判らずにボーっと見ていたのですが、急に「もしかして、これって幽霊??」と思い、隣にいた彼に「ねぇ、あの人達ちょっと変だよね?」と聞いたのです。
すると彼は「見ちゃ駄目、気にしちゃ駄目」と言い、横にいた別のDJに私とDJを交代するように言い、私にDJブースから出るように言いました。
その後、彼に「あれって、お化けだった?」と聞いてみましたが、私が聞いた事も自分が私に「見るな」と言った事も覚えていないと言います。
あれはやっぱり何だったのでしょう?
ちなみに、その二人はとても楽しそうに踊っていました。
だからなのか、怖い思いもなかったのですが、今でも時々思いだしては首をかしげています。
[LUNA]
踊る二人組の話。海外での話に多いです。
モンサンミッシェルに行った夜のことです。
パリに戻ってきて、ホテルがなかなか取れなくて、女二人で仕方なくダブルベッドの部屋に泊まっていたのですが…。
夜中に私がうなされました。
夢の中でベッドの下から手が伸びてきて、私の腕を掴んだのです。
まぁ、これくらいなら別にただの夢かもしれませんし、驚きゃしないんですが、ダブルベッドが幸いして、友人が気づいて声をかけてくれました。
その時、起こしてくれた友人の方を見ると、ぜんぜん見たこともないハゲた男の顔が隣りの枕の上に乗っている。
その男は大口をうわーんと開け、その開けた口がそのまま頭全体まで広がり、逆さまに飲みこまれるかのように、ぐにゃりとゆがみながら消えました。
その後には心配そうな友人の顔が普通に見えました。
私は目が非常に悪く、コンタクトなしでは良く見えませんし、目覚めどきに変な物が見えるのも良くある事なのです(良くある事ではないと、友人にいわれたが)。
だから、あまり気にせず、また友人を怖がらせてもしょうがないと、「なんか悪い夢でもみたの?」と聞く友人にはなんでもない、と答え、そのまま寝てしまいました。
実際これだけなら、ただの気のせい、目の錯覚です。
しかし翌日、友人が「昨日は結局なんだったの?」と改めて聞いてきたので、実は…と話しをしていると、友人がえー!!と大声をあげました。
私のうなされる声で目が覚めた友人が、最初声をかけながら私の方を見た時、本来私の頭があるべきはずの枕の上に甲冑の頭部があり、しかも眼をカッと見開いていたというのです。
怖くて一瞬怯んだそうですが、そこで私がまたうなされていたので、これは起こしてあげなきゃと、また声をかけてくれ、そこで私が目覚めたらしいのです。
お互い違う顔になっていたということになるんですが…これはどういう事なのか分かりません。
その部屋に6泊しましたが、そんな事はそれ一度きりでした。
モンサンミッシェルの影響なんですかねぇ。一時期監獄に使われていたそうですし。
海外旅行での話は、これともう1つしかありません。
あともう1つ、ベルギーでの話がありますが、それは次回に。
[まめぞ@]
やはり、何かあるのでしょうか…。
次回のお話し、お待ちしております。
ところが、ある日のこと、彼の怖い話を聞こうとみんなで彼の話に耳を傾けていました。
その話がまた彼の話のうまさも加わり今までに聞いたことがないくらい怖くて、何人かの子は途中で泣き出す始末。
私は怖がったりするタイプではないので、かなり涙を我慢していました。
その後、彼と二人で庭を散歩し教会までいき、そのステンドグラスの美しさに目を奪われ、うっとりしていたのも束の間。
ステンドグラス越しに目を凝らしてみると何だか人の姿が外に…。
その人の顔は、明らかに私たちの方に向いており、私たちの存在に気づいているはずなんですが、手を上げるなどという挨拶は一切なし。
ただ、ジーとこちらを見ている感じでした。
私は心臓が飛び出るくらい驚きましたが、こんな時間に私達みたいに散歩している人もいるんだなあなどと思い、二人で外に出てその方に話し掛けようとしました。
しかし、いってみるとなんとそこは、教会墓地!!
もちろんそんな時間に普通の人間がいるとは思えません。
ただ、耳の奥がキーンとするような静けさが、私たち二人の間に漂っていました。
彼が私の手を握り、男が立っていたはずの場所に行ってみると、そこには小さなお墓があり、そのお墓が何とも奇妙な墓で、どうやら男女の双子の墓みたいです。
まず男の子が3歳で亡くなっており、そのちょうど1年後、同じ月、日に女の子の方も亡くなっていたのです。
その双子と私たちが見た男とは何の関係があるのかは分かりませんでしたが、もしかしたらその子達のお父さんなのかも知れません。
私とT君は同じくらいの背だったので間違えたんだと、今ではジョークにしていますが、かなり怖い体験でした。
[i.k@]
夜の教会墓地。どんな雰囲気なのでしょうか…(^^;
僕は中学生の頃、両親と妹と4人で、2年ほどヨーロッパで暮らしたことがある。
でも、全然おしゃれな所じゃなく、ユーゴスラビアの近く、恐怖の独裁者が居た所。
年長の兄弟は受験のため東京に残った。
その頃は、とにかく物が何も無くて、外貨ショップでパンやトイレットペーパーまで買う有り様。一般の店には、商品が何も無い。
冬は凄く寒い。「石油が無くてベッドで凍え死んだ」なんて、ウソみたいな話も本当に有った。
この間、ロシア出張のついでに寄ると、商品は有るが誰も買わないんだ、お金が無くて。
「ティッシュペーパー」「トイレットペーパー」の単語が無くて、「紙」の一言で済ませている。
なんで、こんなに貧乏を強調するかというと、僕達家族の不思議な環境を知って欲しいから。
日本でいうと、戦後すぐの動乱期、っていう感じかな?
当時、首都の外人向け邸宅に住んでいた。学校は親の主義で現地人向け。でも、今考えると、政府高官の子弟向けの所に通ったんだ。
ところが、たまに生徒が失踪する。「あの子、どうしたの?」と聞くと、皆、怯えて話さない。
家で、メイド(実は、政府高官の夫人。その国では、一般人は外人と話しをしてはいけないから)に聞くと…。
「ジプシーにさらわれたんですよ。さあ、変な事を考えるよりも、お菓子を食べましょう」と言う。
だんだん事情がわかってくると、まず子供が居なくなり、それから家族も居なくなる。
で、メイドに聞くと「あの一家は、魔法使いだったんですよ。忘れなさい」って。
「ヨーロッパのある国には、魔女狩りがある」という海外の噂は、この事じゃないのかな?
帰国して父に聞くと「独裁者に粛清されたんだよ。収容所に行ったんだ。でも、絶対喋ってはいけない」って言われた。
父は、すごい高給で政府の研究機関で働いていたそうだ。北朝鮮で「金日成不老不死研究所」が有るそうだが、その類だって。
首都は、幽霊騒ぎやポルターガイスト騒ぎは有ったが、朝礼で校長が「つまらない噂を喋る奴は、党員になれないぞ」と言うと、皆、おとなしくなった。
色々経験したのは、夏の別荘暮らしの時。
首都の北に政府高官の別荘地が有り、夏は首都は暑いので家族は皆脱出する。
貴族の館が有り、400年前に建ったそうだが、ただの山小屋が大きいだけだった。
家具は、戦争の時に略奪されたそうで、合板の新しい物しか無かったし、美術品も全然無い。
まず、幽霊屋敷の感じはしなかった。
ここに父の同僚のドイツ人、デンシャーさんの家族と入った。カタリーナさんというおばさんが「ここは、いやだわ。寒いわ」って。
翌朝、中庭で朝食を食べていると、「あら、あそこにシルクハットを被った男が居るわ」と、二階の窓を指差す。
僕には見えなかったが、おばさんの息子のステファンは「うっ」て言って吐いちゃった。
ステファンと僕の妹と、村の男の子で、山に遊びに行ったりして、その日は帰ってきた。疲れたので、その夜はすぐに眠れた。
2,3日目、何時だか分らないが「ガシャッ、ガシャッ」って、変な足音で目が覚めた。
西部劇に出てくる、拍車の音。良く分からないが、部屋を歩きまわっているような気がした。
ビックリして、怖くてベッドから出られない。「シュッ、ピシッ」っていう音もするが、良く分からなかった。
夜が明けた頃になり、いつの間にか眠ってしまい、朝御飯になると皆、何だか寝不足みたい。
僕の母は、いつも通りにお喋りなんだが、妹とカタリーナおばさんとステファンは、無口で殆ど食べない。
おばさんは、後で「初日から食べれなかった、眠れなかった」と言った。妹は、コーヒーばっかり飲んでいた。
「(音を)聞いたな」と思い、現地語(母にはわからない)で三人に話した。
おばさんは「笑い声が聞こえた。顔をハンカチで撫でられた。ダンスを踊っているような音楽が聞こえて、足だけが見えた」
ステファンは「馬が走った、自分の上をジャンプした。鳴いた」
妹は「高い帽子、でも、シルクハットじゃないわ。変な帽子を被った男が立っていて、背中から、どんどんウサギを出すの。面白かった」と言った。
全身見えたのは、妹だけ。
おばさんが「絵を描きなさい」というのでノートに描いたら、おばさんはしばらく眺めていて「トルコ人みたいね」と言った。
ステファンは「違うよ、偉大な●●大公だよ」って。
ステファンの方が、僕より現地生活が長いので、詳しかったんじゃないかな。「中世の服装だ」と言う。
でも、●●大公は、もっと東の人だというし、別人なのは分った。
母が、怒り出して「英語で話してよ」と言うと…。
おばさんが「今日から一人で寝るのは、よした方が良い。この辺りは貧しいから、強盗が出るかもしれない。子供は一緒の部屋にして、あなたは私と寝よう」と。本当にホッとした。
おばさんは、母と一緒に一日居るので、ステファンにこっそり「調べなさい」と言った。
管理人夫婦と息子が居たので、ステファンが訊ねたら「知りません。夢です」って答えた。
ステファンより悪賢い僕が「買収しよう」と言ったら、ステファンがおばさんに頼んで、1マルク貰って来た。
管理人の息子はしばらくためらってから「小学校の先生に聞けば」というので馬車で案内させた。この辺りには、車は殆ど無かった。
先生だった人は留守で、奥さんが出てきて、用件を話すとイヤな顔をした。
「私達は知りません。邪魔しないでください」と追い返すので、全然わからなかった。
夜になり、三人で同じ部屋に寝たら何も起こらなかった。おばさんも何も無かったと言ったので、安心した。
しばらく、本当に何もなくて、テレビも1チャンネルしかないので、退屈になり近くの町に遊びに行ったが、ここも何もなかった。
おばさんが「図書館に行きましょう」と言った。
郷土史を調べるつもりだったらしいが、図書館にも殆ど本が無いので、断念して帰った。
2週間位、何もなくて、母は退屈して「温泉に行きましょうよ」と、ずっと北にある保養地へ行き、1週間位で帰ってきたら、食器が全部壊れてしまってたって。
「地震なの?」と聞くと、「私達は、自分の家で寝ているので知りません。悪い奴がやったんです」
すると、母とおばさんが怖がって「あさって、首都に帰ろう」という事に。
ステファンは、とても残念がり、おばさんに頼んで管理人の奥さんを、お金で懐柔して聞き出すように言ったんだって。
首都で、おばさんが話してくれた…。
「トルコ人に虐殺された、貴族の一家の幽霊が出る。あと、戦前、農民暴動が有って領主一家が虐殺された。
管理人は、裸の女が、髪の毛が燃えながら走って逃げるのを見たと言っている。
戦争中は、あの館はファシストが占領して色々やったらしい。見た人は殺されたので、誰も知らないそうだ」なんだって。
デンシャーさん一家は、絶対別荘には行きたがらなくなったし、母も退屈なのはイヤなので、バカンスの後半はハンガリーで過ごした。
次の年は、ヨーロッパ一周をやった。
僕が経験した心霊体験らしいものは、この位だけど、妹は良く経験している。
姉は留学中に良く見たそうなので、今度、聞いてみるね。
[件四郎]
どこの、どんな国でも幽霊譚はあるんですね。
ワープロのカーソルが左右上下に突然動き始めてメールのウインドウが小さくなったり大きくなったりして結局クローズして、打ち込んでいたものが削除されて消えてしまいました。
マウスのせいかと思いましたが、それ以前もそれ以後もそのようなことはありません。
話さない方がいいようですので、その「内容」は取りあえず今は話しませんが、まさか日本で20年も前にみた霊がコロラドまで来て悪戯したと思うのもいいかなあと感じています。
世の中には説明できない出来事が沢山あります。
私が私なりに体験していることは何かしらの意味があるのでしょうが、説明しようとせずに出来るだけ有り難く経験させてもらおうと思います。
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