京都の中心地から北山を越えた洛北に、岩倉の街があります。
ここには地名のとおりに岩倉具視が隠居していた旧家があり、都市の喧噪が嘘のように静かな、田園と武家屋敷の残る落ち着いたところでした。
私はこの地が気に入って、学生時代は、とある古い農家の離れの二階に部屋を借りて暮らしていました。
その離れですが、一階は納屋で、中央に玄関と木製の階段があり、13段を上り詰めると廊下に突き当たります。
二階に部屋は廊下を挟むように三つずつ向かいあって6部屋あり、私は上がって右側の角の部屋を借りていました。
住人は他になく静かなもので、左手の窓を開ければ比叡山が目の前に見え、南側は広々とした畑が広がって、気持ちのよい眺めでした。
しばらくして気付いたのですが、木製の階段は古く、人が上がってくると「キュッ、キュッ」と音がして、部屋にいればその音を数えていると、部屋に人が顔をのぞかせるタイミングがわかるほどでした。
ある夏の日の晩のこと、夜も更けて外はしんみりと漆黒の闇に包まれ、すっかり涼しくなっていました。
期末試験の一夜漬け勉強がなかなか終わらず、気が付くと午前4時になっていました。
そろそろ諦めるかと、布団に横になってウトウトとしていたそのとき、「キュッ、キュッ、キュッ…」という音が、ドアの外から聞こえてくるのに気付いたのです。
今頃、いったい何だろう…?
部屋の片隅で半開きのドアを、凍った目で見つめていました。
「キュッ、キュッ、キュッ…」、9,10,11回、そろそろ来るなと思ったその途端、半開きだったドアがふわっと開いて、廊下の暗闇から一陣の冷風が吹き込んできました。
我に返った私は泥棒でも来たかと思い、廊下に出て電気を点け、あたりの部屋じゅうを調べましたが薄暗い部屋に人の気配はありません。
再び廊下に戻り、階段の下の薄暗い玄関をみると、戸もしっかりと閉められ、風が通る隙間もありませんでした。
あの風はどこからきたんだろう?
すっかり、疲労困憊した私はもう考える気力もなく、そのまま部屋に帰ると寝てしまいました。
翌朝、けたたましい電話のベルに起こされてでてみると、実家の母からで「千葉のおばあちゃん、病院で今朝早くに亡くなったよ。早く帰っておいで」との知らせでした。
幼い頃からとてもよく私を可愛がってくれた祖母が亡くなったとの知らせに、「あっ、そういえば…」と私は先程の晩のことを思い出しました。
あのときの風は…。
最後に祖母が私に会いに来てくれた、その知らせだったと、今もそう信じています。
[秀太くんのお父さん@202248060]
吹き込むはずのない風。きっと、そうだったのでしょう。
母と並んで私は寝ていました。
母の実家にやってきた父は、枕の上から私の顔を覗き込み、頬を指でプニョプニョしながら優しい顔をしていました。
その父を見上げた私は、『この人は「お父さん」だ。私を守ってくれる人だから信頼していいんだ』と、はっきり実感できたことを今でも覚えています。
いくら言葉がわからなくても意思を伝える術を知らなくても、動物として何かをちゃんとわかっているんだと思います。
だからこそ、『子供だからわからない』ではなく、伝えたいことがあるのなら、ちゃんと伝えようとさえすれば『何か』大切なことは、しっかり伝わる筈です。
でも子供を育てるというのは大変そうだア。
大きくなってから、このことを両親に話しても「えー本当?」と笑っているだけで信じてはくれません。
[まき@202227211]
お腹の中の記憶も有るそうです。不思議ですね。
車で行くには、くねくね曲がった道を上がっていかなくてはいけないのですが、登りきった所にちょっとしたダム(幽霊が出るという噂の)があるんです。
そこでちょっと怖い気分を味わった後、またあのくねくね道を下っていったんです。
すると、下っている間は一台も私達と擦れ違った車なんていないのに、車のライトとしか思えない光が、上がって行ったんです。
それも、一直線に…。
どこを探しても、車の通れる道は1本しかないんです。
不思議に思った私達は、もと来た道をまた上がって行ったのですが、どこにも車なんてないんです。
仕方なく諦めた私達は、「さっきの光はなんだったんだろうね」なんて話しながら、またもと来た道を下って行ったのでした。
その間、やっぱり他の車とは擦れ違いませんでした。
[たにし@ihi]
光は何だったのでしょうか。
今から10年程前のこと、まだ交際中だった私たちはそれぞれ独り暮らしで、週に数回、お互いのアパートを訪ね合っていました。
彼女の住んでいる部屋は4階の402号室。
昔から霊障を受けやすい体質だった彼女は、その部屋で何度も金縛り等の不気味な体験をしていたそうです。
そんなある日、いつものように彼女の部屋に泊まっていたときのこと、なんとも言えない奇妙な夢を見て目を覚ましました。
その夢とは、ちょっと色っぽい話ですが…。
私と彼女が二人でシャワーを浴びていると、私達を見つめている人物がいる。
四畳半程の広さの暗いシャワールームの中で、その人物はただニヤニヤ笑っている。
人相もはっきり覚えています。
身長150cm位で痩せており、黒っぽい服を着た胡麻塩の坊主頭のおじいさんで、目だけが異様に大きいのです。
彼女も私と同時に目を覚ましたようで、体を震わせているのが感じられます。
「変な夢を見たよ」と私が言うと、「私も」と夢の内容を語り出す彼女。
なんと彼女の見た夢は、私と全く同じシチュエーションで、ただひとつ違ったのは彼女にはその人物の姿が全く見えなかったということ。
「でも、誰かがじっと見ていたの」。
私は思わず、自分も同じ夢を見たと言い、そのおじいさんの人相について話すと、彼女がビクンと体を震わせ、泣きそうな声でつぶやきました。
「あのおじいさんだ…」。
彼女によると、夜な夜な金縛りの時に現われるのが、まさしく、そのおじいさんだったそうです。
心霊体験など全くしたことの無かった私ですが、この話だけは今だに説明のできない唯一の出来事です。
[GEN@bekkoame]
同じ夢をみたということは…。
まず、朝。
猫は私と妹の二段ベッドの下(地下と呼んでいましたが…)で寝ていて、朝になるとそこから這って出てきていたのですが、ちょうどそこで首輪が引っ掛かり、独特の音がしていたのです。
朝は、いつも起きていた時間になると、その音がしました。
それと、トイレを置いていた場所には、もうトイレは無いのに砂をかく音がしていました。
あと、いろいろなことがあったのですが、それも埋葬して墓参りに行くと、無くなりました。
その時、墓参りに来なかった兄は、夢でその猫に噛まれた夢をみて、慌てて墓参りに行き、その夢も見なくなったそうです。
[ひすてりっくぐらんま@bhsfy]
可愛がっていたから、覚えてる?って出てきたのでしょうか。
ついこの間、実家に戻って友達と遊んでたら、出ると有名な橋があるから行ってみようとの事。
出るわけないだろと思って行ってみたら、ホントーに出なかった。(笑)
ただ、橋に辿り着くまでの道のりで迷子になって、やたら真っ暗な山道を走ってゆくと、途中で行き止まり。
不思議な事に、山道とはいえフツーに舗装されてる道が続いてたのに、突然目の前に森が広がって道が途絶えちゃってるんだから。
どーなってんの?
走ってきた山道には民家もなく、何のための道なのかも分からない。
やっとの思いで車をUターンさせて、同じ道を戻る途中で、森の上にまっすぐ伸びている赤い光があった。
レーザー光線!?
こんなド田舎に、そんな洒落たもんが…?
見ようと思えば見える。
でも、フッと見ると見失う。
ずーっと空高く伸びている赤い光。
何だろな?
イメージは、誰かがその光に包まれて天へと昇ってゆくシーン。
「誰か、死んだのかな…」友達がポツリとつぶやいた。
実際にその橋に着いてみたら「ここって…鮎焼いて食わせるんで有名な観光名所じゃん」。
よく両親に連れられて遊びに来たっけな。
もちろん日中に。
なんで、夜になるとこんな風になっちゃうんだろう。
後日、友達が電話で言った。
「あの道、行き止まりなんか無かったぞ。民家もいっぱい並んでた」。
…この程度くらいの不思議が、一番不思議だったりする。
[RYUS@msn]
山道は迷宮への入口だったのかも。
ちなみに私は浜松の出身なので太宰府とはなんの関係も無く、家がキリスト教なので、日本の神様については何も聞いたことがありませんでした。
だから、菅原道真という名前は、それまで一度も聞いたことは無いはずなのですが。
[pu-yan@twcu]
不意に、聞いたことも無い人物の名前が、浮かんだりしませんか?
別に怖くなくて良いのですよ。心霊Webサイトではありませんから。
一つは、実家の自室で休もうとしている夢です。
真冬なのにどこからか冷風が私に向かって吹いてくるので、不思議に思って布団から起きあがると、押入れの中にもう一人の私がいて、私に敵意を向けていました。
ショートヘアのもう一人の私は、ロングヘアの私に向けて「あたしが本物なんだから。あんたは消えろ! 邪魔なんだよ!!」と言い放ちました。
「何のこと!?」そう言った瞬間、目が覚めました。
二つ目は、鏡。
畳一枚分程はある鏡が何故か私の部屋に置いてあって、鏡には、映るはずの部屋の中ではなく何処かの並木道が映っていて、その道を私に向かってもう一人の私が歩いてくる。
目一杯私に近づいて、鏡の中からニュッと手を伸ばし私の襟首をつかみながら、「替わってあげるからこっちに来なよ。あんたにはこっちの世界がお似合いなんだよ」と。
私が手を振りきって逃げ出したところで目が覚めました。
三つ目は、岩がごろごろした山道でした。
私は裸足で何かを引きずって歩いていました。
「これでやっと本当の私に戻れるわ」。
私はそう言って、右手に握られたロープの先に目を向けました。
「あんたの役目はもう終わり。ペルソナはいらないの」冷たく言い放った私の目には、血塗れの私の姿が映りました。
引きずられていたのは私。
ロングヘアの私。
引きずっていたのはショートヘアの私…。
この夢を見てから後、私は唯一の友人であり良き相談役でもあった同級生と大喧嘩をするハメになり、周囲を驚かせました。
自分が自分を殺す夢、あまりにも強烈で8年経った今でも、はっきりと覚えていますが、これって何だったんでしょうか…。
p.s. 私が見た夢の中に変なのがあります。それは「字幕付きの夢」です。
登場人物の話す言葉も字幕も日本語でした。
[がう@202225021]
抑圧された自分の欲求や、葛藤が出てしまっているようです。陰と陽、光と影など対照的な自分は内在するものです。
彼の話によると、ある日の午前5時頃、カブで新聞配達中に竹薮の中の獣道の途中でふとミラーを見ると、空中を浮遊する白い着物を着た幽霊が写ったそうです。
一目散に逃げて、それ以降、その場所は通らないようにしたそうです。
よって、その竹薮に隣接する私のアパートには、できれば昼間以外は訪れたくないとのことでした。
もう一つ、主人と結婚する前、福島のいわき市に2泊3日で遊びに行ったときのことです。
忘れもしない、いわき○○○○ホテルの8階の端っこの部屋。ここは出た!!
部屋に入ったときから、ただならぬ重苦しい空気で変だなと思いました。
1日目は私も主人もお互いに気付いていましたけど黙っていました。
まず部屋に入って、ベッドに腰掛けてテレビを見ていると、ベッドに誰かが上がってきてスプリングを揺らすのです。
主人の悪戯かと思った私は、振り返ると誰もいませんでした。
主人は窓際にいて外を眺めていました。
それどころか次の瞬間、私は凍り付いてしまいました。
ベッドの上に、人間の足型が歩いているような感じで移動しているでは有りませんか!!
その後、部屋の壁からコンコンとノックするような音がし続けていました。
それも起きて見ている前でですよ! 決して寝ていません。
だって食事をして午後8時頃で部屋にチェックインして、まだ1時間も経っていなかったのです。
恐すぎる…と思って主人に言おうかと思いましたが言いそびれてしまいました。
予想通りその夜はひどい目にあってしまいました。
次の日、このまま黙って2日目も泊まるのか…と思っていると、主人が「ねえ…、この部屋おかしくない?」と言ってきました。
私はこの時嬉しくて涙が出そうになりました。
変な話ですが、実家に住んでいるときも理解者が居なくて誰にも相談できず、一人で恐い思いをしていた事が多かったからです。
実は昨日からずっと変だ、と言うと、主人も気付いていたそうです。
主人は壁の中に痩せた男性が入っていくのをはっきりと見たそうです。
とりあえず終わり…。
[虎猫@vuplzp]
壁に消える男や女は、ホテルで良く聞く話ですね。
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