不思議小話
第21部


  1. いつも楽しく読ませていただいています。
    恐くはないんだけれど、まあ、夏向きの話ということで…。

    私の母の実家は宇都宮市の旧東京街道に面した鉄工所で、夏はよく道路に面した歩道に竹の縁台を出して、7人兄弟揃ってスイカやアイスキャンディーを食べながら、夕涼みをしたそうです。
    夏にはよくあった話だそうですが、実家から100m位離れたところに病院がありました。
    現在その病院はありませんが、別にどこかの病院のような恐い理由で廃院になった訳ではなく、単にオーナーの娘さんが病院を継がなかっただけ。

    その病院の角の道沿いに面した所に、霊安室があったそうですが、そこの窓からよく人魂がスイスイ出てきたそうです。
    始めの頃はそれを見て「キャーキャー」言っていた母達も、そのうち慣れて、「あっ、人魂、夏だな〜」と思うようになったそうです。

    もし人魂が人の霊魂であるなら、死後も人間の意志が存在するということになるのでしょうか?
    お盆の季節、なんとなく懐かしい話ではあります。
    [werewolf@ouu]
    昔は怪火がよく見られたそうですが。

  2. 私が金縛りにあった時の話です。
    その時うつらうつらと眠っていたんですが、だんだんと目が覚めてきました。
    目が覚めるとともに、足の方から身体が固まってきました。
    「あっ、動かない!」と思いつつ、その硬直状態は、どんどん上半身にまで達してきます。

    「もしかして、これがあの噂の金縛りってやつ?」などと心で思いながら、全身がもう全く動かない状態になってしまいました。
    耳鳴りはするわ身体は動かないわで、もう金縛り状態に身を任せるしかない私でした。
    「あ〜、金縛りったら、私をどうにでもして〜!?」。

    次の瞬間、プッと糸が切れるように我に返りました。
    するとどうでしょう、私は居間のコタツで寝ていて、テレビはついてるわ、家族はテレビ見てゲラゲラ笑ってるわ、電気はコウコウとついてるわで、そんな中で金縛りにあっていたのです。
    ホンマかいな? あ〜、馬鹿な私。
    きっと金縛りではなく、身体がシビれてたのでは?と思いつつ、いやいや正真正銘の金縛りに違いない!と、今だ思ってる私なのでした。
    チャンチャン!
    [がじろう@tpoz]
    誰でも金縛りに遭うそうですが、問題は何を見、何を聴くのかですね。

  3. こんにちは、今日は高校時代の友達Kちゃんの話をしたいと思います。
    私は、神奈川県C市に住んでいました。
    もちろん友達のKちゃんも、同じC市です。
    Kちゃんの家はC市に伝わる由緒正しい家で、なんでも市のどこかに、おじいちゃんだかの銅像があるくらいです。
    東海道線C駅の近くに小高い丘があり、Kちゃんの親族の家が集まっています。
    外観はどの家もクラシカルな佇まいで、豪華じゃないけど、明治時代位の建物かな?ってカンジのモダンな雰囲気です。

    Kちゃんの家には古いピアノがあります。
    なんでもKちゃんのおばあちゃんが子供の頃、お母さんに貰ったそうで、その時も新品じゃなかったらしいので、かなりの年代物だろうと言ってました。
    ドイツだか何処だかのピアノで、鍵盤がなんと、驚くなかれ象牙で出来てるんです。
    専門家は、「こんなピアノは日本では見たことない」と言ってるんですって。
    で、そのピアノ、夜すごい音で鳴るんです。
    Kちゃんが言うには「試験勉強とかして、夜中まで起きてる時に限って『バーン!!』って全部の鍵盤が全部押されてるって感じで鳴る」そうです。
    昔から鳴るんじゃなくて、ここ何年とかって当時言ってました。

    私も友達と興味津々で、早速Kちゃんの家へ…。
    Kちゃんのクラシカルな部屋に、なんかちょっと不気味な、でも高そうなピアノが確かにありました。
    11時くらいまで待ったのですが、残念ながらその日は鳴りませんでした。
    「怖くないの?」と聞くと、「最初はびっくりしたけど、別に怖くないよ」とのこと。
    確かに私も金縛りにあった時、特に怖いという気持ちもなく、ただただ眠いと感じただけだったので、Kちゃんもそんなもんかな?って感じで幕を閉じました。
    もう7,8年会ってないので、その後はどうなったかは知りません…。

    Kちゃんのおじいちゃんは、戦場から棺桶に入って死体として帰って来たのですが、葬式中に生き返ったというパワフルなおじいちゃんです。
    そんなおじいちゃんの血をひくKちゃんだから、ピアノが夜鳴るくらい、きっとどうってことないんでしょーね。
    [くろぴん@tpoz]
    慣れというものは怖いものですね。(^^;

  4. 中学1年の頃、私は学校へ行く時に友達と近所で待ち合わせてました。
    いつもの様に待合わせ場所へ向かう時、いつも横断する道路を左右確認し、車が来ていない事を確認し、渡りました。
    その瞬間、私の右脇に車が突っ込んで来ました。
    一瞬、脳に「車来てなかったのに!」と声にならない声が響き、私は撥ねられ、スローモーションで空中を跳び、ドンというかドサッというか、なんとも言えない鈍い音が耳の奥に響き、アスファルトに落ちました。

    そのとき体がビクンとして、びっくりして目が覚め、夢だった事に気づきました。
    でも、全身(特に背中)が痛かったのを覚えてます。
    時計は午前2:30を示しており、私は夢か…と思い、再び眠りにつき、朝起きた時には「嫌な夢見たなぁ。でも、どんな夢だったっけ?」と、思い出せません。
    ただ、寝覚めが悪い感じで、なんか背中痛いな…、なんか身体が痛くなるような事したっけ?という感じでした。
    そして、いつものように待合わせ場所へ行く途中、夢の中と同じ目に遭いました。
    しかし、「あ、夢と同じ!」と思った瞬間、車には撥ねられず、私は無事でした。

    そして、思い出したのです。
    今と同じ夢を見て、再び眠りについた後に見た夢を…。
    このあと私と友達が、学校の近くの歩道で、対向車線のバイクに突っ込まれるという夢です。
    友達にその事を話し「今日は道を変えようよ」と言いましたが、友達は信じてくれず「車に撥ねられそうになったから、ちょっと神経質になり過ぎなんだよ」と言います。
    仕方なく、いつもと同じ経路で通学する事になりました。
    そして、起こったのです。バイクの事故が…。

    幸いバイクの単独事故で済みましたが、もしも夢と同じになってたら…、と思うと、背筋が寒くなります。
    でも、何故身体が痛くなったのかは、わからないままです。
    [夜那@tpoz]
    夢を印象づけるために痛みを伴なったのか…。

  5. 小学5,6年生の頃、不意に思い出し、祖母に聞きました。
    「ねぇ、おばあちゃん。ここに、向こう側に行ける、ちっちゃいくぐり戸なかったけ?いつなくしたの?」と。

    祖母は言いました。「そんなのお前のお父さんが子供の頃になくしたよ」。
    「うそだぁ、だって、ここで遊んだの覚えてるもん」。
    しかし祖母は、私が言ってる事は、大方誰かにくぐり戸があった事を聞いたんじゃないかと言いました。
    だいいち何年も前になくした扉で遊べるわけがないと、取り合ってもらえませんでした。

    しかし、私は確かにそのくぐり戸をくぐって、反対側の部屋に行き遊んだのです。
    それに誰からも、くぐり戸のことなんか聞いてません。
    その証拠に、父はそこにくぐり戸があった事さえ覚えてなく、祖父も私がその話をして「そういえばあったなぁ。なんで潰したんだっけ?」という感じです。
    父は長男なので、父が覚えていないのに、父の弟や妹が覚えてるわけもなく…。

    当時、取り合ってもらえなかった事もあり、それ以上追求はしませんでしたが、いま考えても、私は絶対にそのくぐり戸で遊んでいます。
    一体あれは何だったのでしょうか…。
    [夜那@tpoz]
    親から記憶を受け継いだのでしょうか。(^^; それとも…。

  6. 久しぶりに投稿させて頂きます。
    夢の話。正夢の話です。

    私がまだ幼稚園に通っていた頃、10日間くらい続けて同じ夢を見ました。
    幼稚園のお迎えバスが来る所まで、歩いて5,6分かかります。
    通りは当時、そんなに車が多くはなかったと思います。
    夢は、家の玄関を出るところから始まります。

    夢の中の私は、祖母に連れられ、幼稚園バスの乗り場へ歩いて向かいます。
    実際、雨の日以外は自転車の後ろに乗せられ、バスの乗り場まで行きます。
    しかし、夢の中では歩いて行くのです。

    バスの乗り場まで、あと50メートルくらいの所まで行くと、車に撥ねられた猫の遺骸があり、私はそこで泣きながら目が覚めるのです。
    目が覚めるのは、いつも夜中で、もう一度眠りにつき、そして朝まで、もう夢を見ません。
    朝起きた時には、その夢の事は忘れているのです。

    こんな事が10日くらい続いた後のある朝、その日晴れているのに自転車ではなく、歩いてバス乗り場へ向かいました。
    そして、見たのです。
    夢の中と同じ光景を…。
    その瞬間、自分が毎晩その夢を見ていた事も思い出しました。
    その時の自分の反応は良く覚えていないのですが、猫が大好きな私は、多分泣いていたのだと思います。
    ただ、今でもその光景は、脳裏に焼き付くように覚えています。

    こういう事を正夢というのだと言う事は、まだこの時点では知りませんでした。
    ですが、これが発端で、以後不思議な夢を見る事が多くなったのは事実です。
    [夜那@tpoz]
    何処の猫だったのでしょう。生前10日も、なぜ訪れたのでしょうか。
    夢は深層心理の投影とも言われていますが。

  7. こんにちは。2回目の投稿をさせていただきます。
    今回は「虫の知らせ」の体験談をお話しします。

    私が高校1年生か2年生の頃、お休みの日に母と兄と私の3人で家にいました。
    その日は遅い昼食で、ちょうど「さあ、ご飯にしようか」と用意をしていました。

    時間は午後2:20。
    なぜか時計を見て、「○○君、最近来ないけど元気にしてるかな」と私が言い出すと、なんと、母も兄も全く同じ事を言ったのです。
    3人が3人、同じ事を言ったんです。
    「何、みんなで同じ事言ってるの? 気持ち悪い」とか言いながら、その時は気にもしてなかったのです。

    しばらくすると、突然電話が鳴りました。
    電話に出たのは母でした。
    戻って来た母は、無言でした。
    「なんかあったの?」、私と兄が聞くと母は「○○君、死んじゃったんだって!」。
    ○○君とは、私より1つ年上の、いとこの男の子でした。
    そのいとこが亡くなったと言うんです。
    信じられなかったけど、夕方頃、そのいとこの母親から電話がきました。
    いとこは電車に轢かれて亡くなりました。

    その母親がいうには、彼が亡くなったのは、ちょうど午後2:20だったと言うのです。
    家に居た、3人が3人とも同じ時間に同じ事を思うというのは、やっぱり彼がお別れに来たということでしょうか。
    [たにし@ihi]
    良い話だったら良かったのに…。

  8. このお話は、私が専門学校に通っているときの先生(女性)に聞いたものです。
    先生がまだ若い頃、東京のある救急病院で看護婦をしていた時の事だそうです。

    ある日、救急車が若い男性を乗せて、先生の病院に担ぎ込みました。
    すると、患者さんはもちろん、救急隊員の顔も真っ青だったといいます。
    先生が救急隊員の一人に、その訳を尋ねたそうです。
    それは、こんな話だったそうです。

    その事故は、踏切での事故でした。
    その日、彼はバイクのバックシートに彼女を乗せて、警報が鳴り遮断機が降りてきていた遮断機を、無理やりくぐりました。
    不幸なことに後ろに座っていた彼女の喉のところに遮断機が当たってしまい、首がそのままもげてしまったということです。
    近くにいた人の対応が早かったため、直ぐに救急車が到着したのですが、その時、救急隊員が見たものは、横倒しに倒れたバイクのそばに、頭のない女性の身体と、うめいてる男性。
    そして、離れた場所に女性の首。
    見ると、それはまだ生きていたというのです。

    人間は、脳の信号で筋肉を動かすことができるそうです。
    首だけになった彼女は、死ぬまでの一瞬、何を見て何を感じたのでしょうか。
    [藍弧]
    痛ましい事故です。人体には、まだまだ解らない事が多いです。

  9. その日、私は不思議な夢を見た。
    大きな黒い翼の生えた悪魔のような顔の男が、老人の身体を持ってこちらを見ているのだ。
    その男には醜い大きな嘴(くちばし)があって、その老人の下半身はその嘴に食いちぎられて無い。
    ところが、その老人はじっと私の方を見つめたまま何も言わない。
    苦しそうな顔をしているわけでもない。
    何かを悟ったような顔で、ただ私の顔をじっと見ているだけだった。
    そこで目が覚めた。

    学校から戻ると、ベランダに置いてあった水槽で飼っていた金魚がいないことに気づいた。
    「あれ、どうしたの金魚」。
    「食べられちゃったのよ、カラスが来て」。
    走馬灯のように瞼の奥を今朝の夢が駆け抜けた。
    とても可愛がっていた金魚だった。
    もう稚魚のころから何年も飼っていたから、人間でいえば確かにおじいさんだったろう。

    あの日の朝、夢に出てきたのは、きっと金魚の仮の姿だったのでは、と私は思う。
    本当ならそこで気づいて何かの対策をたてて欲しいと訴えてたかも知れないのに。
    そう思うと悔しくて仕方がないけど、あの時夢で見た老人の目は死期を悟ったように静かだったのを覚えている。
    そういう運命だったのかな、それともそれは人間の勝手な都合のいい解釈だろうか。

    以来、私の弟はカラスを見ると空気銃で撃ちまくっている。
    「やめなさいよー」と口では言いつつ、それ以上止めないうちの家族。
    やっぱり金魚を食べたカラスが許せない。(> <)
    ちなみにその数ヶ月後、今度はカメが食べられた。(私も学習能力がない?)
    カラスには気をつけよう。
    [レイ@qmvntjy]
    今度はカラスに…。

  10. うちの書斎には神棚がある。
    神社で買ったお札やお守りをその棚にあげ、一年の終わりにはロウソクをつけて「1年間ありがとうございました」と手を合わせる。
    そのお札がある日、風も無いのにパタッとじゅうたんの上に落ちたことがある。

    「あら?」不思議に思った母は、それを拾うとまた元の場所に戻した。
    それから5分と経たないうちに、当時5歳だった弟の「ぎゃぁぁっ」と泣く声が書斎から響いてきた。
    驚いた母が駆け寄ると、なんと風も無いのに大きなクロゼットが弟の背中に圧し掛かっている。
    「きゃあ!」驚いて慌ててそのクロゼットを押し上げてみると、そこはさっき御札の落ちていた場所だった。

    母は、首をかしげながら盛んに弟に訊ねた。
    「なんで風も無いのにあんな大きな棚が倒れたの? 乗っかって遊んだの?」。
    「違うよ」。
    「それじゃ、ドアを開けて引っ張ったりしたの?」。
    「してないよ」。
    弟の話ではクロゼットの前に背を向けて座ってブロックで遊んでいたら、突然後ろから倒れてきたという。
    「そんな…」。
    確かに弟は、背中から押される形で下敷きになっていた。

    「あーあー。せっかく御札がこの場所は危ないって教えてくれたのに、その教えを無駄にするやつ…」。
    とか、散々言われた母だったが、やっぱり不思議だ。
    ちなみに御札が落ちていた場所は斜め前方。
    普通に落ちても斜め前方にあるクロゼットの前には落ちる筈がない。
    窓は閉まっていた。風もない…。
    御札が落ちていたら、きっとそれは何かを教えてくれているのだと思ってやまない一家であった…。
    [レイ@qmvntjy]
    何かしら前兆はあるものですね。


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