不思議小話
第36部


  1. 10数年以上も前、私が当時中学2年生の時の出来事です。
    私のクラスでは「コックリさん」が流行っていました。
    2学期の初めのまだ残暑が厳しいときのことです。

    夕方、西日が差し込むオレンジ色に染まった屋上の入り口の階段の踊り場で、友達5人といつものようにコックリさんをやっていました。
    下校放送がその日は鳴らず、私が「もう遅い時間だな」と何気なく感じたその時です。
    下を向いていた顔を誰かに指示されたかのようにパッとあげた瞬間、私の真っ正面、しかも友達と友達の間に、青い絣(かすり)の着物を着た「小ギツネ」がいたんです。

    驚きのあまり声も出ず、ただジーっと小ギツネを見つめていました。
    何秒かして小ギツネが消えた後、我に返り友達にこの事を話しました。
    皆は何も見ていなかったのですが、怖さのあまりすぐさま終わらして下校しました。

    その後、一人一人軽い風邪をひいたり、怪我をしたりとありましたが、運良く誰一人、大怪我をする者はなく、命を落とす人もいませんでした。
    それ以来、私達はコックリさんをする事は全くありませんでした。
    [keisys@nlbaan]
    何も起きなくて良かった良かった。

  2. 虫の知らせと因縁の話です。これは、私の父の友人にまつわる話です。

    平成2年のことですが、飲食店を手広く経営していた実業家が自宅で殺害されました。
    金庫の前で至近距離から拳銃で撃たれ、当時新聞にも載りました。
    現金と、時計や貴金属が無くなっていました。
    ただし、警察の話では、単なる物取りではなくプロの殺し屋の犯行とのことでした。
    この事件にまつわる話です。

    亡くなった方は、北陸のN市の御出身で、高齢のお母様と兄弟が住んでいます。
    事件当日の朝、お母さんが同居している長男の家族に「夕べ、○が帰ってきた」と言いました。
    少しボケも始まっているので、家族は「いいえ、○さんは東京ですよ。ここ暫く帰ってきてませんよ」。
    「いいや、帰ってきた。謝りながらこれから×寺(亡くなった方の菩提寺)に行くと言って又出かけた」。
    「お母さん、縁起でもない」。
    ところが、昼過ぎになって警察から事件の連絡が来ました。
    朝のやり取りをしていただけに、家族は絶句したそうです。

    遺留品や目撃者もなく、捜査はいっこうに進展せず、迷宮入りかと思われていた1年後、ひょんな事から犯人が捕まりました。
    あの時盗まれた腕時計(千数百万円)が修理に出されて、ここから犯人逮捕に結びついたのです。
    犯人は、盗んだ時計を自分で使用していたのですが、ある日動かなくなってしまいました。
    丁度、同居していた女性が男の知らない間に、件の時計を修理に出してしまったのが運の尽きでした。

    父が、警察から、犯人逮捕の知らせ受けたときに担当捜査官から聞いた話です。
    「時計が動かなくなった日が、○さんの丁度1年目の命日でした。犯人は、使い捨てにするつもりだったのでゴミ箱に捨てたそうです。
    ところが女は、玄関先に置いてあったので修理に出したと言っています。不思議なことがありますね」。

    現実に不思議なことは多いものです。
    警察官の話しでは、結構因縁めいた話が多いそうです。
    [神谷明]
    夢枕に立ち、自首という話はよく耳にしますが…。

  3. 僕の体験と情報 5題

    [Anubis]
    追加情報、感謝します。校正して載せますから大丈夫ですよ。

  4. 最近なぜだか知らないが、寝ようとすると必ず怖い映像が浮かんでくる。
    全身焼けただれた人だったり、血まみれだったり…と、さまざま。
    それも毎日。一体何故?
    [みきぴょん]
    ホラー映画でも観ましたか?

  5. はじめまして。霊感が無いといいつつ、結構皆さんあるみたいですね。
    私も昔このような目撃をしました。
    7〜8才頃だったでしょうか? あるどんより曇った、雨上がりの昼でした。

    突然黒いコート(のような)を着た人が現れたんです。ただし頭が垂直方向に5,6個ついて、いろんな方向を向いて。
    空間の切れ目から突然現れて7,8歩、歩いた後、また切れ目に吸いこまれていきました。
    消えるというのではなく、そんな感じだったの覚えています。

    顔…よく覚えていないのですが…人間の顔じゃなかった、トーテムポールってあるじゃないですか、あんな感じのぐちゃぐちゃした顔でした。
    驚いて声もあげられなかったし、不思議と誰にも言ったことなかったです。
    なんかごく当たり前のモノを見た感じだったし、驚いたけど恐怖はなかったんです。

    今も思うのですが何だったのでしょう、私たちの知らない次元にはあのような方々がお住まいなのでしょうか。
    皆さんもこういう異世界の住人?を目撃した方はいらっしゃるのでしょうか?
    [you]
    親しみを覚えませんでしたか?

  6. クーラーのきいた部屋で閲覧すると、上着の欲しくなるような小話をワクワクしながら拝見しています。

    実は私はその手のものは見たことも聞いたこともないと思うのですが、父からこんな話を聞いたことがあります。
    「我が家の家系(父方)の男子は代々早死にする」というもの。

    私から4代上までは30〜50代で亡くなっているとか。
    現在父は52才。
    病気の兆しは無きにしもあらずといったところ。この説は父の代で終わるのでしょうか。
    [jill HomePage]
    偶然とはいえ、あまり気持ちのいいものではありませんね。

  7. 僕とその周辺 12題

    [Anubis]
    僕=Anubisさんですか?『怖い話研究家』ともなると、こんなに沢山体験してしまうのですか。(^^;

  8. 先輩から教えて貰った話です。

    彼が学生の頃、友人にSさんがいました。
    そのSにはTさんという恋人がいました。
    二人の仲は仲間にも知れ渡っていて、更に両人の親、公認のカップルだったそうで結構有名でした。
    幸せいっぱいの二人だったのですが、ある日破局が訪れました。

    Tが家に帰る途中、車にはねられて亡くなったのです。
    Sは、それはショックだったようです。何事もなく大学を卒業していれば結婚するはずだったのに。
    突然の愛する人との決別により打ちひしがれたSは、しばらく大学に来なくなりました。
    心配した先輩達はすっかり憔悴しきったSを励ますため旅行に誘いました。
    最初は嫌がっていたそうですが、ついに根負けして旅行に同行しました。

    8人で2台の車に分かれて行ったそうです。
    前の車にSは乗り、先輩は後ろの車に乗り込んでいました。
    ある池に差し掛かったときです。前の車が急に停止しました。
    驚いた先輩達は何があったのかと、車を降りて前の車へ向かいました。
    前の車のドアを開けてみると、Sが泣いていて皆は呆然としているという凄い光景があったのです。

    どうしたのかと先輩が聞くと、Sが号泣しながら言いました。
    「あの池の水面にY子(Tの名前)が現われて『幸せだったから。私は幸せだったから。
    お願いだから私のことは忘れて。元気を出して』って言ってくれたんだ」と。

    「それは、本当なのか?」と先輩が同乗者に聞くと、「ああ、声は聞こえなかったが確かに見たよ。あれは間違いなくTだった」と言いました。
    すると、俺も、俺も見たと他の人達も口々に言いました。

    その後、Tは出なくなったそうですが、Sは今ではすっかり元気になって職に就いているそうです。
    [Anubis]

  9. 今となっては、ずいぶん昔のことですが、10年程前に友達の身に起きたことです。
    その友達は、よく霊感が強いといって、あまりそれ系の場所には近付かなかったのです。

    ある時、県立博物館(開港記念館?)に行ったときのこと。
    彼は歴史にはあまり興味があるわけではなく、ただ、夏休みの課題を書くために行くという私に、くっついてきたのです。
    が、たいして見るものもなく、愚痴をこぼしながらも、ブラブラと館内を歩き回っていました。

    私は課題に適当な資料をみつけたので、そろそろ帰ろうと思い、彼を探しに行きました。
    館内は、閉館時間が迫っていたので人影もなく、うろうろと探していると、彼が白い顔をして疲れた口調で「もう帰ろう」と言いました。

    帰りの電車で彼は言いました。
    「あそこにでかい、空襲の絵があっただろ。
    あの絵を見ていたら何時の間にか、自分があの絵で起きている空襲さなかの、あの町にいたんだ。
    ものすごく、おっかなかった」と言って、冷えきってしまった体を、しきりにこすっていました。
    [ゾウサン@kngwua]
    意識が絵の中に引き込まれてしまったのか…。

  10. 1971年6月20日の出来事。大阪府箕面市にある○尾寺にて。
    あまり怖い話でもないですが…。

    僕の母は、僕が小学2年生の時に亡くなりました。
    命日は20日でした。

    1971年6月20日。その日は日曜日でした。
    なぜ日付まで覚えているかというと、僕が5年生の6月のときの出来事だったからです(歳がばれた…)。
    僕の父は、日曜日に子供を何処かへ遊びに連れていくなどということは、滅多にしなかった人でした。
    でも、どういう風の吹き回しか、その日は僕を寺に連れていってくれるというのです。
    子供心に珍しいこともあるもんだと思ったことを覚えています。

    その日は雨が降っていました。
    「雨が降るし、母親の命日だし、気持ち悪いからやめた方がいいんでは」と言って、お祖母ちゃんはとめました。
    でも父は僕を車に乗せて、寺に出かけました。

    何でも、何代か前のお祖父さんが○尾寺のお坊さんだったということで、よく父はそのお祖父さんのお墓をさがすために、その寺へ出かけていました。
    何度かそんな父に同行してお祖父さんの墓さがしについていった事もありました。
    結局は見つからなかったのですが、お坊さんの墓といえば普通の人の墓とは違って、細長い卵のような形をしていたことを薄ぼんやりと覚えています。

    その日も傘をさしながら、父と一緒に寺の境内を歩いていました。
    雨が降るうっとうしい日でした。
    寺は結構境内も広く、ずいぶん歩いて足が棒になったことを覚えています。
    僕は歩くことに退屈してしまって、父がかなり先行し、僕がそれに嫌々ついていくという形でした。

    すると、「賢治、こっちへ来るな」と父が叫びました。
    父は血相を変えて小さなお堂の影から飛び出してきました。
    彼の顔は、たった今何か恐ろしいものを見てきたばかりであることを、ありありと物語っています。

    父が見たのは自○者でした。
    すさまじい悪臭が漂い、体には虫がわき、一部は白骨化していたようです。
    それで僕と父は警察にそのことを報告しに行きました。
    家に帰って、お祖母ちゃんにそのことを話すと、「命日に、雨の降る日に墓さがしなんてやるから、そんな目に遭うんだ。縁起が悪い」と叱られました。
    [D.D]
    何とも言えないおばあさんの予感。雨降りの墓地は水煙が漂っていて…。


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