夕方、西日が差し込むオレンジ色に染まった屋上の入り口の階段の踊り場で、友達5人といつものようにコックリさんをやっていました。
下校放送がその日は鳴らず、私が「もう遅い時間だな」と何気なく感じたその時です。
下を向いていた顔を誰かに指示されたかのようにパッとあげた瞬間、私の真っ正面、しかも友達と友達の間に、青い絣(かすり)の着物を着た「小ギツネ」がいたんです。
驚きのあまり声も出ず、ただジーっと小ギツネを見つめていました。
何秒かして小ギツネが消えた後、我に返り友達にこの事を話しました。
皆は何も見ていなかったのですが、怖さのあまりすぐさま終わらして下校しました。
その後、一人一人軽い風邪をひいたり、怪我をしたりとありましたが、運良く誰一人、大怪我をする者はなく、命を落とす人もいませんでした。
それ以来、私達はコックリさんをする事は全くありませんでした。
[keisys@nlbaan]
何も起きなくて良かった良かった。
平成2年のことですが、飲食店を手広く経営していた実業家が自宅で殺害されました。
金庫の前で至近距離から拳銃で撃たれ、当時新聞にも載りました。
現金と、時計や貴金属が無くなっていました。
ただし、警察の話では、単なる物取りではなくプロの殺し屋の犯行とのことでした。
この事件にまつわる話です。
亡くなった方は、北陸のN市の御出身で、高齢のお母様と兄弟が住んでいます。
事件当日の朝、お母さんが同居している長男の家族に「夕べ、○が帰ってきた」と言いました。
少しボケも始まっているので、家族は「いいえ、○さんは東京ですよ。ここ暫く帰ってきてませんよ」。
「いいや、帰ってきた。謝りながらこれから×寺(亡くなった方の菩提寺)に行くと言って又出かけた」。
「お母さん、縁起でもない」。
ところが、昼過ぎになって警察から事件の連絡が来ました。
朝のやり取りをしていただけに、家族は絶句したそうです。
遺留品や目撃者もなく、捜査はいっこうに進展せず、迷宮入りかと思われていた1年後、ひょんな事から犯人が捕まりました。
あの時盗まれた腕時計(千数百万円)が修理に出されて、ここから犯人逮捕に結びついたのです。
犯人は、盗んだ時計を自分で使用していたのですが、ある日動かなくなってしまいました。
丁度、同居していた女性が男の知らない間に、件の時計を修理に出してしまったのが運の尽きでした。
父が、警察から、犯人逮捕の知らせ受けたときに担当捜査官から聞いた話です。
「時計が動かなくなった日が、○さんの丁度1年目の命日でした。犯人は、使い捨てにするつもりだったのでゴミ箱に捨てたそうです。
ところが女は、玄関先に置いてあったので修理に出したと言っています。不思議なことがありますね」。
現実に不思議なことは多いものです。
警察官の話しでは、結構因縁めいた話が多いそうです。
[神谷明]
夢枕に立ち、自首という話はよく耳にしますが…。
いい加減気持ち悪くなった僕は、お前なんか消えちまえって思うと、おじさんはいきなり笑い出し、そして虚空にスーっと消えていきました。
時刻は22時に差し掛かろうというときです。
p.s.免責事項のDMって何ですか?
ドリアンとマンゴー? ドリフと漫画トリオ? 都々逸と饅頭怖い?
ダイレクト・メールです。
青春BEST文庫の「三浦竜著 日本史の中の恐い話」に関連することが載ってます。
興味があったら、どうぞずずずいっとお読み下さい。
ふっ、ということでぇ(どういうこと?)僕の友人知人先輩と称する手下ども(すいません皆さん)が、またいろいろ話を仕入れてきたので気が向いたら送っときます。
また校正に苦労なさるかもしれませんが、その時は宜しくお願いしますね。
因みに、Anubisとはエジプトの…いや、やめておきませう。
ここでペンネームの由来を長々語って何の意味があんねん、と思いましたので。
ではまた、そのうちここら辺に浮遊してきますぅ。
突然黒いコート(のような)を着た人が現れたんです。ただし頭が垂直方向に5,6個ついて、いろんな方向を向いて。
空間の切れ目から突然現れて7,8歩、歩いた後、また切れ目に吸いこまれていきました。
消えるというのではなく、そんな感じだったの覚えています。
顔…よく覚えていないのですが…人間の顔じゃなかった、トーテムポールってあるじゃないですか、あんな感じのぐちゃぐちゃした顔でした。
驚いて声もあげられなかったし、不思議と誰にも言ったことなかったです。
なんかごく当たり前のモノを見た感じだったし、驚いたけど恐怖はなかったんです。
今も思うのですが何だったのでしょう、私たちの知らない次元にはあのような方々がお住まいなのでしょうか。
皆さんもこういう異世界の住人?を目撃した方はいらっしゃるのでしょうか?
[you]
親しみを覚えませんでしたか?
実は私はその手のものは見たことも聞いたこともないと思うのですが、父からこんな話を聞いたことがあります。
「我が家の家系(父方)の男子は代々早死にする」というもの。
私から4代上までは30〜50代で亡くなっているとか。
現在父は52才。
病気の兆しは無きにしもあらずといったところ。この説は父の代で終わるのでしょうか。
[jill HomePage]
偶然とはいえ、あまり気持ちのいいものではありませんね。
夜中、僕がそわそわして彼からの連絡を待っていると電話がかかってきました。
僕が「大丈夫か」と言うと、「さっきから10分程いるけど何にも出えへんぞ」と言います。
「もう少し待ってみて何も出えへんかったら適当にここら流して帰るわ」
「分かった。気ィつけて帰って来いよ」「ああ、分かった」電話は切られました。
翌日彼は学校に来ませんでした。またいつものサボりかと思っていましたがやはり次の日も来ません。
彼が立て続けに休むことなどなかったので心配になって彼の家へ行ってみました。
彼はいました。布団をかぶってぶるぶると震えて。
「どうしたんや」と聞くと彼は怯えきった顔であの夜のことを話し始めました。
「お前に電話をかけたあと、怪物が現われたんや」
彼の話によると僕に電話をかけた後、ボックスを出ようとドアの方を向くと下の方に、頭が割れて顔が血塗れの女がいたそうです。
その女に右腕はなく、下半身がないのです。
その女はニターッと笑うと身体を引きずりズルズル音をたてながら、ボックスの周りをぐるぐる回りだしたそうです。
ボックスの周囲にはドーナツのような黒い環ができました。
彼は明け方まで動けなかったそうです。
明け方が来ると女もボックスの周りの黒い環も消えたので、急いで帰ってきたそうです。
彼はただ「怖かった…。本当に怖かった…。何も出来なかったんだよう」と泣きじゃくりました。
僕はそれが本当だと思えました。彼の髪には白いものが混じっていましたから。
店に入り、席に案内され注文をし、待っていると水が来ました。
しかし、一人分多いんです。「すいません。一つ多いですよ」って言いました。
すると店員さんは怪訝そうな顔をしましたが黙ってそのお冷やを下げました。
しばらくして注文したものが来ました。
僕達は面倒だったので同じものを注文したのですが、また一つ多いのです。
「すいません。また一つ多いですよ」
店員はまた同じ顔をしてそれを下げました。
食後、コーヒーを頼んだのでコーヒーが来ました。まだ一つ多い。
僕はたまらず聞きました「どうして一つ多く持ってくるんですか」と。
すると店員は「あちらのお客さんも同じものを頼んでいらっしゃったから…」と、誰もいない席を差して言います。
僕は言いました「ここには誰もいませんけど」
「えっ、でもさっき確かにそこにいらっしゃってオーダーをなさりましたよ」
「それはどんな感じの人ですか」
「長い髪に赤い服を来てうつむいていらっしゃった女の方です」
僕達の行った所はその女の人が出るとこなんです。ついてきちゃったらしいんですよね。
しかし、ある日彼がいません。
友達に彼がどこへ行ったのかと聞くと、「それ誰?」と言われました。
誰と喋っていたんでしょう。
しばらく乗っていると「A子か。A子だろう久しぶりだな」という声が聞こえてきました。
えっと振り返ると、そこにはだいぶ大人びてはいましたが初恋の相手だったK君が立っています。
彼も同窓会に出席するそうです。彼女は喜んで彼と話し込みました。
そして目的地についてバスから降りてみると彼の姿がありません。
先に行ってしまったのかなと思い会場に行きました。
一通り昔の仲間と挨拶を交しましたが、まだ見当たりません。
どうしたのかと思い、それとなく聞いてみると。
「ああ、そういえばA子は転校しちゃったから知らなかったわね。彼、あなたが転校したあとすぐ、事故で亡くなったの。
重傷だったらしいんだけどね、最期にあなたに会いたいって言ってたらしいわ。彼、あなたが好きだったらしいから」
では彼女が見たのは何だったんだろうか。彼女曰く「きっと私に会いに来てくれたんだと思う。それにみんなにも会いたかったのよ」
そして「少なくとも私はそう信じたい」と言いました。
僕もそう思っています。
そこには去年ピラミッドの一番上に乗るはずだった、体育祭の直前に事故で亡くなったF君が乗っていたという。
彼はよっぽどピラミッドに乗りたかったのだろうか。
何?と見ていると、それがだんだんでっかくなってきて何であるか分かりました。
どうやらそれはお婆さんで、畦道を辿りながらカメラに向かって歩いてきてるんだなと。
おっ、いよいよ新たな展開か!と、じっと見ているけど全然展開しない。時計は4時を差している。
変えようかなと思ったけど気になったのでやめました。
5分ぐらいしてそれがカメラの2,3mぐらい向こうに立ちました。確かにお婆さんです。
しかも先程は見えなかったんですが、漠然とこんなお婆さんかなと思ってたイメージどおりの顔でした。
そのお婆さんがじっとカメラを見据えて無表情でたたずんでいます。
どうなるだろうと、またじっと見入っていたのですが、お婆さんは静止したまま動きません。
あれっ、テレビ局の故障で止まってしまったのかと良く見ると、お婆さんの目は動いていて、向こうの方で穂が微かに風に揺れています。
そのうちお婆さんの口も、モゴモゴと動いていることに気付きました。
何を言っているのか聞き取れなかったのですが、やはりモゴモゴと動かしてます。
何だ?とボリュームを上げてみると、それははっきりと男の声で「『あの時何でY(Anubisの本名)は助けてくれなかったんだ。とても胸が苦しかったのに』とSさんは言った」とか。
「『首が痛い。苦しい。息が出来ない。Y、助けて』とHさんは助けを求めているよ」とか。
僕の友人や知り合いの方の死に様から、どういう経緯で亡くなり、今どうしているかなどを事細かく語っているのです。
うわっ、何だと思いました。確かにこのお婆さん?の語っていることは一つ一つ正確なのですが、ちゃんと墓参りにも行ってるし、供養はちゃんとしています。
それを見ず知らずのお婆さんに、しかもテレビで流されているのです。
どうやって局が知って流しているのかは分からないけど、きっと悪質な嫌がらせだと思ってテレビの電源を切りました。
翌日あの番組のことが気になり新聞を見たのですが、その局は3時には既に放送が終了していました。
それから同じように夜更かししている友達を片っ端から当ったのですが、「俺も3時過ぎいろいろ見たけど、そんな番組はあの時流れていなかった」と言われました。
じゃあ、あのどこでも終了した時に流れる夜景の替わりだったのではと思ったんですが。
「あの局では夜景は流れないはずだゼ。第一あの局がそんな人権を侵害するような番組を放送するはずがない」と言われました。
何だったんでしょうね、あれ。
ある日会社のトイレで用を足していたそうです。大きいほうです。
シンとしたトイレで用を足していると、突然前のボックスから「サッ、サッ、サリーちゃん」という叫び声が聞こえてきたそうです。
先輩はあれは確かに部長の声だったと言ってました。違う意味で怖かったらしいです。
彼が学生の頃、友人にSさんがいました。
そのSにはTさんという恋人がいました。
二人の仲は仲間にも知れ渡っていて、更に両人の親、公認のカップルだったそうで結構有名でした。
幸せいっぱいの二人だったのですが、ある日破局が訪れました。
Tが家に帰る途中、車にはねられて亡くなったのです。
Sは、それはショックだったようです。何事もなく大学を卒業していれば結婚するはずだったのに。
突然の愛する人との決別により打ちひしがれたSは、しばらく大学に来なくなりました。
心配した先輩達はすっかり憔悴しきったSを励ますため旅行に誘いました。
最初は嫌がっていたそうですが、ついに根負けして旅行に同行しました。
8人で2台の車に分かれて行ったそうです。
前の車にSは乗り、先輩は後ろの車に乗り込んでいました。
ある池に差し掛かったときです。前の車が急に停止しました。
驚いた先輩達は何があったのかと、車を降りて前の車へ向かいました。
前の車のドアを開けてみると、Sが泣いていて皆は呆然としているという凄い光景があったのです。
どうしたのかと先輩が聞くと、Sが号泣しながら言いました。
「あの池の水面にY子(Tの名前)が現われて『幸せだったから。私は幸せだったから。
お願いだから私のことは忘れて。元気を出して』って言ってくれたんだ」と。
「それは、本当なのか?」と先輩が同乗者に聞くと、「ああ、声は聞こえなかったが確かに見たよ。あれは間違いなくTだった」と言いました。
すると、俺も、俺も見たと他の人達も口々に言いました。
その後、Tは出なくなったそうですが、Sは今ではすっかり元気になって職に就いているそうです。
[Anubis]
ある時、県立博物館(開港記念館?)に行ったときのこと。
彼は歴史にはあまり興味があるわけではなく、ただ、夏休みの課題を書くために行くという私に、くっついてきたのです。
が、たいして見るものもなく、愚痴をこぼしながらも、ブラブラと館内を歩き回っていました。
私は課題に適当な資料をみつけたので、そろそろ帰ろうと思い、彼を探しに行きました。
館内は、閉館時間が迫っていたので人影もなく、うろうろと探していると、彼が白い顔をして疲れた口調で「もう帰ろう」と言いました。
帰りの電車で彼は言いました。
「あそこにでかい、空襲の絵があっただろ。
あの絵を見ていたら何時の間にか、自分があの絵で起きている空襲さなかの、あの町にいたんだ。
ものすごく、おっかなかった」と言って、冷えきってしまった体を、しきりにこすっていました。
[ゾウサン@kngwua]
意識が絵の中に引き込まれてしまったのか…。
僕の母は、僕が小学2年生の時に亡くなりました。
命日は20日でした。
1971年6月20日。その日は日曜日でした。
なぜ日付まで覚えているかというと、僕が5年生の6月のときの出来事だったからです(歳がばれた…)。
僕の父は、日曜日に子供を何処かへ遊びに連れていくなどということは、滅多にしなかった人でした。
でも、どういう風の吹き回しか、その日は僕を寺に連れていってくれるというのです。
子供心に珍しいこともあるもんだと思ったことを覚えています。
その日は雨が降っていました。
「雨が降るし、母親の命日だし、気持ち悪いからやめた方がいいんでは」と言って、お祖母ちゃんはとめました。
でも父は僕を車に乗せて、寺に出かけました。
何でも、何代か前のお祖父さんが○尾寺のお坊さんだったということで、よく父はそのお祖父さんのお墓をさがすために、その寺へ出かけていました。
何度かそんな父に同行してお祖父さんの墓さがしについていった事もありました。
結局は見つからなかったのですが、お坊さんの墓といえば普通の人の墓とは違って、細長い卵のような形をしていたことを薄ぼんやりと覚えています。
その日も傘をさしながら、父と一緒に寺の境内を歩いていました。
雨が降るうっとうしい日でした。
寺は結構境内も広く、ずいぶん歩いて足が棒になったことを覚えています。
僕は歩くことに退屈してしまって、父がかなり先行し、僕がそれに嫌々ついていくという形でした。
すると、「賢治、こっちへ来るな」と父が叫びました。
父は血相を変えて小さなお堂の影から飛び出してきました。
彼の顔は、たった今何か恐ろしいものを見てきたばかりであることを、ありありと物語っています。
父が見たのは自○者でした。
すさまじい悪臭が漂い、体には虫がわき、一部は白骨化していたようです。
それで僕と父は警察にそのことを報告しに行きました。
家に帰って、お祖母ちゃんにそのことを話すと、「命日に、雨の降る日に墓さがしなんてやるから、そんな目に遭うんだ。縁起が悪い」と叱られました。
[D.D]
何とも言えないおばあさんの予感。雨降りの墓地は水煙が漂っていて…。
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