あのカラスの声が聞こえた一件以来、彼女は霊感のコントロールがつかず、いつも霊が見えたり声が聞こえたりと、ノイローゼになってしまったそうです。
状態があまりにひどいので、霊の存在など信じなかったご両親も流石に困り果て、とうとう霊能者に見てもらう事に。
しかし「憑いている霊が強すぎて私では祓えない」と断られたり、ひどい時には彼女を見るなり「帰ってください」と言われたりしたのです。
結局何件か廻ったのですが、引き受けてくれる所はひとつもありませんでした。
ご両親も本人も「もうだめだ…」と諦めかけていた時、一軒の古いお寺で除霊をやっているとの情報を聞き、藁にもすがる思いでそこを訪ねました。
そこは特に有名なお寺ではなかったのですが、住職さんがとても良い方で「これは大変な霊が憑いている。私でも祓えるかどうかは解らないが、私の命と引き換えてもお嬢さんを助けましょう」と言ってくれたのです。
住職さんは「2週間ほど時間が欲しい」と言いました。
それは、体を清める為に2週間、草や穀物だけを食べたり、滝に打たれて修行したりして力を高めたいからと。
彼女はもう老人と言ってもおかしくないような住職が、そんな事をして大丈夫なのかと心配になった…と言っていました。
そして2週間後、除霊の日がやって来ました。
住職はすっかり痩せていたそうです。
広い本堂の中、彼女は座布団の上に座らされ、読経を聞いていました。
すると、座っている座布団がまるで生き物のようにスルスルッと動き出したのです。
その動きは激しく、本堂の端から端まで動き回ります。
彼女は信じられない…と思い、目を開けようとしましたが目が開きません。
ただ、座布団が自分を乗せたまま凄い勢いで本堂を駆け巡っている事は、はっきり分かったそうです。
どれくらい時間が経ったか…、座布団の動きが段々と止まり、最後に「返せ〜!!」と野太い男の声が聞こえたかと思うと、視界が急に明るくなり金色の袈裟を着た男の人が空に昇っていくのが見えました。
除霊は成功したのです。
しかも、彼女に憑いていた霊というのがとんでもないモノで、なんと竜神だったそうです。
彼女の父親の実家は昔々商家で、商売繁盛の為にと、事もあろうに竜神を降ろして奉っていたらしいのです。
しかし何代か前に商売を辞めたにも関わらず、竜神をほったらかしにしたままだったのです。
怒った竜神はMさん一族で一番霊感が強かった彼女に取り憑いて、実は命を奪おうとしていたのです。
しかし、住職のお陰でやっと天に還る事ができ、それ以来自分の力がコントロール出来るようになったと言ってました。
除霊後、ご両親は御礼を持って住職の元を訪ねたのですが、住職はお礼を受け取らなかったそうです。
欲を出すと霊能力が落ちるからとの事でした。
何かの本で読んだことがあるのですが、本当に徳の高い霊能者は公園のトイレ掃除をしたり、除霊などを行っても、自分が暮らして行くのに必要な分しか取らないそうです。
欲を出したが最後、霊能力は消えて行くのだそうです。
この話を聞いた時、その住職さんは本当に徳の高い方なんだと実感しました。
そしてMさんはこの後、霊能力者に勧誘?される事件に遭遇します。
この話は、また次回ということで。
何だか連載物みたいになっちゃいましたね。「AさんMさんシリーズ」ってか?
ご清聴有難うございました。
[ラムちゃん]
なんとも凄まじい話ですが…。
彼女が高校生の頃、友達の家で友達2人と遊んでいました。
すると急に激しい睡魔に襲われ、友達のベッドで横になり眠ってしまいました。
その時、彼女の耳に次のような会話が聞こえてきたそうです。
「おい、知ってるか?」「何を?」
「●●町の●●さん家のじいさん、あと2日で死ぬんだよ」「その話なら有名じゃない。●●さんの家の子供が死ぬ話は知ってる?」
「知らなかった。そうなんだ?」「一週間後にね」
え…●●さん家っていうと、この家の近くじゃない…! そこで彼女はハッと目が覚めました。
そして友達を見まわして「あんた達、一体何の話をしてるわけ?」問い掛けたところ…。
「え…何って、今度の試験の話」とトンチンカンな答えが返ってきます。
「そうじゃなくて!」彼女が叫んだ時、窓の外で「カアー」とカラスが鳴きました。
その声に気付いて窓を見ると、2羽のカラスが電線にとまっていたそうです。
(まさか…)彼女はゾっとしました。
カラスが飛び立った後、友達にさっきの話をすると「アンタ何、寝ボケてんのよ〜!」と大笑いされたそうです。
しかし3日後、学校に行った彼女は友達から「あんたの言ってた事、本当になった。家の近所のおじいちゃん、昨日亡くなったの…」と聞かされたのです。
これには彼女自身も驚いたそうです。
偶然にしては出来すぎてるし、偶然じゃないとしたらやっぱりあの声の主は…。
この話をしてくれた時、彼女は「この時はまだ『私はすごい体験をした〜!』って呑気に喜んでたのよね…」としみじみ語っていました。
そしてこの後、彼女はとうとう自分の力を目の当たりにする事になるのです。
その話は、とても信じられないようなすごい話なのですが、これは次回ということで。それではまた…。
[ラムちゃん]
偶然の出来事…。不思議な符合でしたね。
ある晩、またいつもの様に金縛りにあった時、私は教わった通り「南無阿弥陀仏」を唱えながら、両手の小指を必死に動かしました。
小指だけがなぜか動くのです。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
解けた! その瞬間です、その「声」が聞こえたのは。
「それならお前の弟を」
低い、低い、男の声でした。
今まで、あんなにも低く、暗く、憎しみに満ちた声を聞いたことがありません。
金縛りが解けた私は、弟の部屋へ急ぎ、その晩は弟を抱いて震えていました。
そして次の朝、母に事情を説明し、部屋の四隅に盛り塩をし、簡単な「お祓い」の儀式としました。
それ以来、不思議と一度も金縛りにあいません。
当時、私の部屋の、ちょうどベッドで頭がのる部分の下が、階下の、おじいちゃんの遺影が置いてある棚です。
そして、おばあちゃん(父方)が毎晩焚いているお線香の煙が立ち上る先に、私の頭が位置していました。
母方の祖母の話では、そのお線香に誘われて、他の悪い霊が寄って来ていたのでは…と、いうことでした。
今になってもう一度思い出そうとしてみると、あの「声」を聞いた日以外の金縛り中の記憶が、ひとつとしてないことに気付き、改めて背筋が寒くなる思いです。
[みかど@s]
この世のモノとは思えない声だったわけですね。
その夏、Aさんは友達に誘われて、数人の友達と友達の別荘へ遊びに行く事になっていました。
しかし、私との電話中に起きた女の人の悲鳴と時計の音の事が妙に引っ掛かり、「何かいやな感じがする」と心配になったので行くのをやめる事にしたんです。
そして、一緒に行く友達の家にそれを告げに行きました。
すると集まっていた2,3人の友達が「何だ、また来たの?」と。
Aさんは「え?」と驚きました。何故ならその日、そこを訪れたのは初めてだったんです。
友達の話によると、彼らがワイワイと別荘の事を話し合っていたら、急に彼が現れて「俺、行く事にしたから」と言ったと言うんです。
皆が「分かってるよ」「何だよ今更…」と言うと、「それだけだから、じゃあ」と、さっさと帰ったとの事でした。
しかし今考えると、Aさんが現れた時、車やバイクの音もしなくて、庭先に急に現れていなくなったと言うんです。
彼は、これは俺に「絶対来い」という挑戦状だと思い、仕方なく行く事を決心しました。
時を同じくして、私はもう一人の友達、MさんにAさんを引き合わせる約束をしていました。
Mさん(女性)も大変な霊能力の持ち主で、前に彼の話をしたところ「是非会いたい」と言っていたんです。
二人が会った時にも色々と不思議な話はあるんですが、今回はこの話に関連した事だけを書きますね。
Aさんに会ったMさんは「あなた、今度旅行に行くでしょう」と言いました。
うん。
「そこは海があって…山があって…あ、もしかして伊豆かなあ…?」
見えるんだ?
「木造の2階建ての家が見える。庭にはすごく汚い…もう水が緑色になった池がある。
あ、池の中に女の人がいる…白いワンピースみたいなのを着てる。すごく哀しそうな顔してこっちを見てるよ。何か言いたい事があるみたい…。
あ、家の中に入って行った。中には…柱時計がある、すごく古いやつ。動いてはいないみたいだけど。
あ…消えた…」
Mさんがここまで言うと、「やっぱりな」Aさんは納得しました。
実は私はこの時初めて彼が伊豆へ行くという事を聞いたんです。そして「やっぱりな」の理由も…。
「大丈夫なの?」私が心配して聞くと、Mさんが「イヤな感じは無かったから、多分大丈夫だと思うよ」と答えました。
そして「私、今日何でだか分からないけど『絶対Aさんに会わなくちゃいけない』って強く思ったの。私にこんな映像を見せたのも、きっとAさんに来て欲しいからだと思う…」
その言葉を聞いて彼は、真相を確かめるため伊豆へと行きました。
20人近い仲間と伊豆に着いたのは、夕方だったそうです。
その別荘を見てAさんは「本当にMさんが言った通りの所だった」と言って驚いていました。
一応2人の友達には、今回の事を話しておいたそうです。
何故二人かというと、その二人は比較的霊感が強く、また守護霊も他の人よりも強かったので、何かの時は助けてもらおうと思ったという事でした。
でも彼は、自分の霊感がそんなに強いという事を人に言いたがらないので、同じ力を持つ人だけに言った…という理由もあったと思います。
余談ですが、彼はこの力の事でとても哀しい思いを沢山しているんです。
夜、宴会も終了間近となり、殆どの人が良い気持ちでゴロゴロしている時、廊下に例の女の人が現れました。
そしてAさんに向かって「おいでおいで」をしたそうです。
「来た」と思った彼が2人の友達の方を見ると、2人も気付いていたようで「ちょっと散歩してくるわ」と3人で部屋を出て行きました。
女の人は「着いて来い」とでも言うように、3人の前を歩いて?行きます。
そして3人が例の池の前まで来た時、女の人の形相が変わり、もの凄い殺気がしたので「危ない!逃げろ!!」と叫んだら、いきなりナイフの様な物が彼の胸を切りつけたそうです。
慌てて家の中に逃げ込んだところ、それ以上は追って来なかったそうですが、彼の胸には3本の傷が出来ていました。
後日、私はAさんの家を訪ね、この話を聞くと共に傷も見せてもらいました。
まるで鋭利な刃物でスパッと斬ったような傷で、長さは3cm位の物が3本、胸の中心にありました。
その日、着ていたというタンクトップにも同じ切り口がありました。
不思議な事に出血は殆ど無かったそうです。
ただ、「なかなか治らない…。痛み方が変で、表面的な傷なのに体の奥の方まで痛む」と言っていました。
結局あの女の人の事は解らずじまいでしたが…。
時計については「止まっていた筈なのに、次の日勝手に動いてた。本当に誰も触ってないのか?と大騒ぎになった」との事です。
あの女の人はAさんを殺す為に呼んだのでしょうか? Mさんにも話したところ…、
「全く見えないのよ、あの時はあんなに鮮明に見えたのに。だから私にも理由はわからないの…ごめんね。
でも伊豆にはそういう所が多いから、多分いわく付きの場所だったんじゃないかな」と。
信じられないと思う方も多いでしょうが、これは実話です。
[ラムちゃん]
切り傷、気になりますね…。
自分が実際に体験したわけではないのですが、深夜に部屋の電気を消して寝ている時です。
突然目の前で何かがフラッシュみたいに「パパッ」と光ったように感じて、起こされることがあるそうです。
自分が把握しているだけで6人がそういう体験をしています。現象が起きる頻度は人によってまちまちです。
一週間に一回という人もいれば、二日に一回という人も。
うちの施設は今時では珍しく、4人部屋なんです。
そういうこともあり、他の部屋の人たちも自由に別の部屋へ出入りできます。
ですから最初は誰かが悪戯で人の寝顔をカメラで撮ろうとしているのかと思いました。
ですが、それで起こされてすぐに辺りを見回しても誰もいないそうです。
また壁側を向いて寝ていてもそうでなくても、その現象は起きるのです。
皆、熟睡中に起きていると言います。
知り合いのOは、あまりにその現象がひどいので、現象が起きるなり「ばかやろー! 起こすんじゃねー! 人の迷惑を考えろ!!」と叫びました。
そうすると目の前に人の横顔の輪郭が、空間に透けて見えたそうです。
Oはそういうものを見やすい体質らしいです。
それを聞いた私が、冗談半分でOの部屋の四方に塩をまいたんです。
そうすると一時的に現象が起きなかったそうです(今はまた起きているらしい)。
そういうこともあって寮の人と「霊と関係あるのかな??」などと話していますが。
寮は外見こそ立派ですが、内装は病院そのものといってもいいほどです。
しかも寮のすぐそばには施設に属する大型病院もあります。そういうことと関係あるのかなぁ…?
[いぬむし@]
光るモノ。なんなんでしょう…。
すっかり遅くなり辺りは真っ暗で、街灯もない砂利道を歩いていたら、遠くからお坊さんが汗を拭きつつ、ふぅふぅ言いながらこっちに向かって歩いてきたそうです。
最初は不思議に思わなかったそうですが、考えてみると…。
「こんなに真っ暗で坊さんはまだ遠くにいるのに、なんであんなに姿がはっきり見えるんだ?」
こりゃあ狐に違いないと思った祖父は、下の砂利を一掴み取ったそうです。
だんだんお坊さんが近づいてきて、すれ違う時、祖父は持っていた砂利をお坊さん目掛けて投げつけたそうです。
すると「ギャン」という鳴き声がして、お坊さんの姿は消えたそうです。
帰って買った魚を確かめてみると、5匹買ったはずが4匹に…。
祖父は「魚をとられたのは悔しいが、痛い目に遭わせたのだから1匹くらいはしょうがない」と言っていたそうです。
関係ありませんが、私の姉が幼稚園に勤めていて、園児にこの話をしたら大喜びだったそうです。
昔は誰でも、このような体験をしていたのでしょうか。
あんまり怖くない話ですが、他の方々の怖い話の休憩話として読んで頂ければ幸いです。
[とくとく@s]
またのお話し、ありがとうございました。怖がらせる話だけを募集しているわけではないのですよ(^^)
私の友達で、霊能力者の方から「是非、修行しに来て欲しい」と熱望されるほど強い霊感(というより、もう霊能力ですね)を持った人が二人います。
二人とも現実では考えられないような体験を沢山していますが、今日はその一人、男性のAさんの話をしてみたいと思います。
ある夏の夜、私とAさんはドライブをしていました。
12時近くなったので「そろそろ帰ろう」と、Aさんが送ってくれたのですが、私の住む近所まで来た時、私の足に激しい痛みが起こったのです。
はじめは「筋肉の痙攣か何かだろう」と思い様子を見ていたのですが、痛みは段々と強くなり、ギューっと締めつけられる様な感じになってきたんです。
「何でだろ?足が痛いんだけど…」Aさんに言うと、彼は私の足元を見て「ちょっと時間いいかな?」と近所の工場の駐車場に車を止めると、私の手を握ってなにやらお経のようなものを唱え始めました。
30分ほどして痛みが嘘のように消えたので、理由を尋ねたところ「交通事故で亡くなった人が憑いてた。多分、死ぬ直前に何かにすがろうとしたんだろう、その力でギュッと足を握ってた。それで痛かったんだよ」との事でした。
私はつくづく見えなくて良かった…、と思いました。
Aさんに言わせると私は霊媒体質だそうで、拾っちゃうんだそうです。
ただ波長が少し変わってて、見えないけど体で感知するんだと言ってました。
そう言われてみると、確かに視覚以外の体験は多いような気もします。
Aさんの話をもうひとつ。
ある晩、Aさんと電話で話していました。時間は夜の10時くらいだったと思います。
話の最中に「パシュッ」と缶ジュースのプルタブを開けるような音がしました。
喉が乾いてジュースでも飲もうとしているのかな?と思っていると、また「パシュッ」という音が。
2本も開けてどうするんだろう? するとまた「パシュッ」の音。
流石に気になり、一体何本ジュース開けてんの〜?と笑いながら聞いてみると、「ジュースなんて開けてないよ。第一、飲み物なんて置いてないもん」と。
私が今聞こえた音の事について説明すると、「多分ラップ音だよ」と教えてくれました。
私がラップ音を聞いたのは、この日が初めてでした。
ラップ音の他にも、電話中に「キャーアアア…」という女の人の悲鳴が聞こえたので「何のTV見てるの?」と聞いたら「TVも何もついてないよ」と。
「え、でも今、女の人の悲鳴が聞こえた…」「そっか…他には?」
「あとは時計の音しかしない」「時計って?」
「柱時計みたいな音、カッチカッチって」「家にはそんな時計無いし、この部屋にあるのは小さい目覚ましだけだけど」
時計の音はずっと聞こえていたけれど、私はずっと柱時計かなんかの音だろうと気にも止めていなかったので、とても驚いてしまいました。
「○○(私の名前)と電話してると必ず何か聞こえるんだな〜」Aさんは笑っていました。
彼いわく、私達はお互いにお互いのアンプになって、力を増長し合うんだそうです。
だから一人で居る時より2人揃った時の方が色々と起こり易いと…。
女の人の悲鳴と時計の音については後日理由がわかりましたが、これ以上長くなると申し訳無いので、その話はまたにしたいと思います。
ご清聴?有難うございました。
[ラムちゃん]
続きの話、お待ちしております。
多分3,4歳の頃だと思うが、奇妙な体験をしたことがある。
何故、こんな昔の話だというのに覚えているかというと、当時かなり衝撃を受けたからだと思う。
時期は分かりませんが、ある時、幼かった私は唐突に目を覚ましました。
時間感覚が全く掴めなかったこともあるでしょうが、なにより、居間に電気がついていたこともあり、もう朝なんだと思って居間にいきました。
そこには寝間着に着替えた父と母がいて、なにやら談笑していました。
「おはよう」と声を掛けた私は、次の瞬間、大声で笑われました。
「まだこんな時間よ」と、言った母が指差す時計は夜の12時を指していました。
恥じ入った私は、赤面した顔を隠すように寝床に向かいました。
その途中、「せっかくだからトイレに寄るか…」と、トイレに向かいました。
その時、父と母がいつも寝ている部屋を通り掛かると、そこのドアは開いていました。
何気なしに覗いた私は、そこに母と父が寝ているのを見てしまいました。
その時は、「あれ、おかしいな」ぐらいにしか思いませんでした。
しかし、トイレの帰りに居間を確認した私の目に映ったのは、まだ談笑を続けている父と母でした。
とても確認する勇気がありませんでした。私は大急ぎで二階の自分のベッドに潜り込みました。
いつもは五月蝿いと思っている弟が、二段ベッドの上で寝ていることがどんなに心強かったか分かりません(笑)
一体何だったんでしょう? 私の見たものは…。
[ウッド@s]
見たものは、ドッペルさんだったのかも(^^;
僕の母方の先祖は佐賀出身で、曾祖父と曾祖母が、狸に会ったそうだよ。
明治30年位で、正確な場所は分からないが、牛小屋の屋根を葺き替えるために、葦を川の中洲に取りに。
国有地なので夜にこっそり行くと、昼間に泊めておいた小船の近くで、知り合いの神主さんに遭った。
「私も葦を失敬するんですよ。船に乗せてください」というので、三人で乗って漕ぎ出したそうだ。
声も態度も話題も、いつもの神主さんなので不審に思わず、中洲に着いた。
葦をたっぷりとって「神主さん、帰るよ」といったら、そこら辺で葦をとっている筈の神主さんが居ない。
結構広い中洲なので、二人で「おーい、おーい」って探した。
そしたら「おーい、ここだ」と神主さんの声がするので、そっちに行ってみると、反対側から「おーい、ここだ」と声が。
右往左往していると、四方から「おーい、ここだ」って、同時に声がする。
怖くなった二人は、船に乗って帰ってしまった。
翌日、怒った曽祖父母は、二人で神社に出かけた。「氏子を馬鹿にするのか」ってね。
そしたら、神主さんは「何?」と言う。
「昨日は村の結婚式に呼ばれて、その時間は、まだ戻っていない」と。
「狐ですか?狸ですか?」と聞いたら…。
「ここいらの狐は、うちの神社には手を出さないんだよ。先代が、女中に化けた女狐を、伏見の眷属にしてやって、毎日油揚げを御供えしているから。
そいつは狸だ。小便も、馬糞団子も食べていないから、ますます狸のやり口だ」というので、二人とも、とても驚いた。
「まさか文明開化の世の中に、狸が出るなんてな」と、死ぬまで言っていたそうだよ。
僕の同僚の、お母さんが経験した、昭和30年代初めに八王子であった話。
お母さんの従妹が、突然狐憑きになったそうだ。
中学を出て、お母さんの家で、お手伝いをしていた大人しい女の子だったが、或る日、お昼頃に帰宅したら、はぁはぁ言って様子がおかしいの。
四つん這いになって目が光って、犬の水をぺちゃぺちゃ舐める。
お母さんの家族が怖がって、拝み屋さんを呼んだが全然効かなくて、終いには皆の前で自慰を始めた。
拝み屋さんが「もう駄目だから、師匠を呼びましょう」と有名な霊能者が来たが、かなり苦労したらしい。
お母さんを「さにわ」にして狐を呼んだら、「この、たわけもの。お前に私が落せるか!」と叫んで、お母さんまでおかしくなっちゃった。
結局、夜中になっても狐が落ちなくて、従妹を柱に括りつけて、次の日に精神科に連れて行ったそうだ。
原因不明だが、段々良くなってきて、語った内容では「あの日、お稲荷さんの前を通ったら、汚れているので掃除をしたが、後は覚えていない」
医者は「親戚なのに、自分ばかり貧乏で、ストレスが溜まったんでしょう。従姉妹が高校に行っているのに自分は中卒だし」と言ったそうだが原因不明。
田舎の親戚の家に返したそうだが、数年で亡くなった。
ところが、お母さんの方に不思議な力が付いたんだ。
まず、失せもの探しが出来るようになり、事件、災害が、夢で予知できるようになった。
結婚したら全く無くなったが、ご主人が亡くなってから、また復活。
でも、力はうんと弱くなって占い師も出来ないって。たまに、死にかかった人の余命が分かる事が有る程度だって。
病院ですれ違うと、線香の匂いの強さで、大体分かると言ってるよ。
ちょっと、憑き物とは違うと思うけど、女房の同僚のお姉さんの話。
お姉さんには霊感が有って、小さい頃から「ユタになりたい」と言っていた。
高校生の時、お祖母さんが病気になり、病院に詰めるようになったら、無口になって痩せ始めた。
「姉ちゃん、どうしたんだよ?」と聞くと、「霊が見えて怖い。死神かも知れない」って言う。
「死にそうな人の横で、げらげら笑っている。魂を引っ張って行く」と言うので、「姉ちゃん、ユタ志願が何しゃべっているんだよ」と言うと、「もう、イヤだ。鹿児島で就職する」って言い出した。
お祖母さんが亡くなり、高校を卒業すると、本当に鹿児島に行って就職してしまったそうだ。
でも、「姉ちゃんの写真には、たまに幽霊が写っているんだよ。電話にはラップ音が入る」なそうで、安心できないよね。
[件四郎]
化かされるとは、こういうことなのか…。
よく晴れた日に父と母は、滋賀県(だったと思います)の山へハイキングに行き、夕方近くまで歩き回っていました。
日がそろそろ傾きかけてきたので、二人は緩やかな下り坂を下りて行きました。
もう少しで町が見える場所に差し掛かったところで、小さな小川が道を横切るように流れていたそうです。
父は、一跨ぎで小川を越えたのですが、母は足を前に伸ばそうとするのですが、足がすくんで、どうしても小川を跨ぐ事ができなかったそうです。
仕方なく父はまた小川を跨ぎ、母と小さな橋が架かっている所まで回り道をしてその小川を越えました。
小川を越えた所に出た母は、何気なくその小川を覗いたところ、跨ごうとしていた所に蓮の花が一輪だけ咲いていたそうです。
その蓮の花は薄暗くなった水面に微かに光っていたと言っていました。
お釈迦様でも居たのでしょうか?
[大阪太郎@in]
キラキラと光っていたのでしょう…。
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