学校の七不思議
第10章


  1. 中学生の頃、一学年上の先輩が交通事故で亡くなった。
    自転車で走っているところを、車にはねられて…。

    バスケ部だった人で、その後しばらくは、体育館で一人バスケの練習をする先輩の姿を見たという噂が学校中に広まった。
    夕暮れ時、体育館へ向かう渡り廊下を歩いていると聞こえてくる。
    バスケットシューズが床に擦れ、「キュッ、キュッ」と鳴る音。
    不思議と、ボールがバウンドする音や、バスケットゴールを通過する音は聞こえない。
    ただ、足音だけが体育館の中から響いてくる。

    そっとドアを開けると、一心不乱にドリブルを続ける先輩の姿…。
    そんな噂がまことしやかに囁かれて、実際に見てみたいと夕暮れ時を狙って体育館を覗きに行く者も少なくなかった。
    そんな野次馬根性を嫌っていた僕も、学校帰りに立ち寄った体育館脇のトイレで、バスケのユニフォームを着た先輩とすれ違い、しばらく身動き出来なかった事がある。
    本当に…、バスケが好きな人だった。

    ある夜、自宅の居間でテレビを見ていた時の事。
    2階の自室にいた姉が、大声で叫びながら階段を駆け下りてきた。
    顔が泣きそうで…。

    聞くと、部屋の窓から誰かが覗き込んでいるという。
    手近にあったバットを持って、僕と姉は階段を上がり、姉の部屋のドアを開けた。
    …、誰もいない。
    姉は、確かにその辺に立っていたと、窓の方を指差す。
    「どんな奴だった?」と聞く僕に、姉は亡くなった先輩の名を言った。

    先輩と姉は同級生で同じクラスだったし、仲も良かったとか。
    姉の泣いている理由が分かった。
    先輩が好きだったのは、バスケだけじゃなかったのかもしれない…。
    [FULL MOON@ofd]
    好きだったのは…。

  2. もう13年も前の話ですが、私の中学校で大騒ぎがありました。
    転校生の女の子が授業中に机に突っ伏していたので、先生が「保健室に行くか?」と聞くと、「行きたくない」と顔も上げずにこたえました。
    そして、その授業が終わると家に帰ってしまいました。

    それから2,3日は、授業の途中で帰ってしまい、そのあと一週間休んでしまいました。
    私達は「風邪かなんかこじらせて休んでいるんだろう」と思っていたのですが、実は彼女の家ではすごいことになっていたのです。
    一週間後、彼女は首から大きなお守りをぶら下げて、げっそりしていました。

    話を聞くと、最初、授業中に机の横の方から声がして「授業なんてつまんないから遊びに行こうよ」と、女の子の声がしたそうです。
    隣は男子なので、後ろを向いて聞いたのですが何も言っていないとのこと。
    そしたら今度は前の方からその声がして、だんだん恐くなり、机に突っ伏すと、机と足の間からその子の顔が見えて、しきりに「遊びに行こう、屋上に行こう」と誘っていたそうです。

    それが何日も続き、家にまでついてきて、彼女の部屋で物をぼんぼん投げては、同じ事を繰り返し言っていたそうです。
    親に言っても最初は信じてもらえなかったそうですが、ただ事ではないことが起こり(この事は話してくれなかったのですが…)、お祓いに行ったそうです。
    これで全てが終わったと思ったら、その一ヶ月後に来た転校生に取り憑いてしまい、その子も同じ所で祓ってもらったのです。

    先生も、此の話が結構大きくなったので私達に話してくれたのですが、実は10年前(今から24年前)、此の中学校でいじめられてた女の子が屋上から飛び降りたそうです。
    女の子に憑く霊だというので、男子連中は「よかったー!」と、はしゃいでましたが…。

    今はどうなっているんでしょうか?
    その土地を離れてもう10年も経っているし、今は知る由もありません。
    [ぱろぱろ@tpoz]
    女の子は今頃、何処を彷徨っているのでしょう。

  3. 私の知り合いの女性から聞いた話です。
    彼女が通っていた中学校は、かなり出たそうで、彼女も一回、霊を見ています。

    何でも、友達と話しながら階段を上っていくと、スッと顔の横を手首だけが通り過ぎていったそうです。
    また、ある部が練習を終えて体育館を閉めようとしたとき、裏口から「バタン!」と戸を開ける音が聞こえたのです。
    「まだ誰かいるのか?」と思っていたらやっぱり誰もおらず、裏口もしっかりカギがかかっていたそうです。

    話は変わりますが、彼女の話によると、初めて幽霊を見たとき、それが白っぽい幽霊だと、その後幽霊を見ることがあっても、それに悩まされることはないそうです。
    が、初めて見たのが黒っぽい幽霊であると、その後も霊に悩まされることが多いそうです。
    これは本当なのでしょうか?
    [無名氏@]
    白黒・明暗・陰陽…、対極のモノ。どうなんでしょう。>識者

  4. 私が友人から聞いた話です。
    ある中学校でのこと。

    その学校に在籍する女の子が授業を抜け出して屋上へ行ったそうです。
    自分一人かと思って屋上を見渡すと一人、既に先客がいました。
    その人は屋上のフェンスに肘をついて外を見ていました。

    最初は別に気にしないでいたのですが、何か不安なものを感じて、彼女はその先客をよく観察しました。
    すると、その人もやはり女生徒だったのですが、なんと上半身のみで下半身がなかったそうです。
    彼女はびっくりして、確かめようともう一度その女生徒を見ると、女生徒はグッといきなりこちらへ振り返り、すごい形相でこちらを睨みました。
    彼女があまりの恐怖に動けずにいると、女生徒は腕を使って猛スピードでこちらに向かってきたそうです…。

    その女生徒は何者だったのか、また彼女がその後どうなったかは、誰も知らないそうです。
    [パル@upipv]
    ヘビに睨まれたカエル状態。その後が気になります。
    各地に伝わる『てけてけ?』の話。元ネタはどのような話なのでしょう。

  5. 私は高校生時代、漫研に所属していました。
    漫研といえば、いつもはそれはそれは影が薄く、文化祭が唯一盛り上がれる場所でした。
    さて、高校二年のある夏の日。
    文化祭も近づいて、当日お客さんに無料配布する冊子の印刷のため、私を含む5人の部員は、学校の印刷室にいました。
    順調に進む印刷作業に、誰もが「今日は早く帰れる」と思っていたのですが…。

    「あれ? このページ、左右が逆になってる」。
    部員の一人が、印刷されたばかりのページに目をやると、左右が逆になっていたのでした。
    しかし、そういうミスは良くあること。
    気を取り直して、原稿を正しくセットして、もう一度印刷にのぞみました。

    「やっぱり、左右が逆になってる!!」。

    さっき直したばかりなのに、なぜか元どおりになっていたのです。
    印刷する用紙が残り少ないため、正しい位置に直したかどうかはさっき確かめたばかりでしたから、一同唖然としてしまいました。
    結局異変が起きたのは、その時だけだったのですが…。

    後に、みんなでこの事を話していると、ある事に気がつきました。
    それは、今回のこの本の中に収録されている作品の半分以上が、ホラーものだったり、誰かが死んでいたりするものだったのです。
    恐い話をしていると霊が集まってくるといいますが、あの日の印刷室にも、もしかしたら…。
    [ひなみ・りゅう@ublbnbutv2]
    印刷室につきものの怪異譚ですね。とすると…。

  6. 俺の通っている工業高校の新校舎(とは言ってももう古い)は工事の時、一人の工員が事故で亡くなり、その4階で幽霊が出るという騒ぎがあったそうです。
    騒ぎが大きかったため、一ヶ月くらい住職さんを呼び、お経を読み続けたそうです。

    その後居心地が悪くなったのか、体育館付近での幽霊の目撃例があります。
    俺は定時制の生徒のため、夜間一人で校内を歩くこともありますが、実際壁から人の気配を感じ足を止めることがあります。
    [伝説のバイク乗り@interq]
    徘徊するモノ。夜の学校は怖いです。
    私も夜間に通学してますが、深夜の教室の物音には、ギクッとしますね(^^;。

  7. 私の弟が小学生の時に体験した話です。
    当時、私や弟が通っていた小学校はまだ開校して10年未満で、七不思議という話はありませんでしたから、これが七不思議と言えるかどうかは分かりません。

    ある日の休み時間、弟は友人3,4人といつものように図工室で遊んでいたそうです。
    鍵はかかっておらず出入りが自由だったため、そこで遊ぶ児童の姿が良く見られました。
    私も遊んだ記憶があります。

    図工室の後ろの棚の上には胸像が3体ほど飾られていました。
    デッサンに使う以外はずっとそこに置かれたままで、先生でさえ滅多に動かしませんでした。
    その日、ふと友人の一人がその胸像が1体少ないことに気づきました。
    別の友人がきっと授業中にでもふざけて落として壊したんだろうと言うと、みんなは胸像が割れるとどうなるのか見たくなり、図工室の後ろにある準備室へと入っていきました。

    準備室には、授業に必要な道具の他、1枚の油絵が飾られていました。
    綺麗な女性が赤ん坊を抱いている絵でした。
    以前は図工室の方に飾られていたのですが、いつの間にか準備室に移動されていたんです。
    弟たちは好奇心で準備室に入った事を後悔しました。

    中に入ってみると、壊れた胸像はなく、残念がって部屋を出ようと振り向いた時、弟はその絵が目に入ったそうです。
    いつもはその腕に赤ん坊を抱いているはずの絵の中の女性が、その時は胸像を愛しそうに抱いていたというのです。
    弟たちは一目散に逃げ出しました。
    それからというもの、弟たちは準備室に近づこうとしませんでした。

    後で聞いた話では、この絵に描かれた女性はその後その赤ん坊を亡くしたとか、女性が赤ん坊を残して死んでしまったとか…。
    真実かどうかは分かりませんが、この絵に赤ん坊の顔は描かれていませんでした。
    布でくるまれて見えないように描かれていました。
    そして、赤ん坊を見つめる女性の顔がとても哀しそうだったことを記憶しています。
    今、この絵がどうなっているか、私は知りません…。
    [がう@cac3facb]
    誰がその絵を描いたのでしょうか。


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