花魁淵や八王子城址など、幾つかの有名なスポットを巡った結果、そこへ着いたのは明け方の4時近くになってしまいました。
始めは元気に巡っていた私たちも、その頃には疲れが出ており、眠気も手伝って、お堂が建っていたという広場に続く坂道を登るのが、少々面倒くさくなっていました。
特に、ずっと交代も無しに運転をしていた私は、その感覚が強かったような気がします。
「なんか面倒くさくなってきたね」と、誰ともなしに言い出し、私も同じような意見を返しました。
しかし本当は、何だか怖かったのです。
私には、その場所が、その日巡った他の場所とは、どこか違う気がしたのです。
雰囲気の為か、あるいは疲労や時間のせいなのかそれは解りませんが、何だか本物っぽい気がしました。
そして私は、引き返すことを主張しました。
丁度、途中の小屋が建っている辺りだったと思います。
私たちは、今登ってきた坂を下りはじめました。
しばらく下ると、前方から数人の人々の声が聞こえてきました。
その人たちは、お互いの顔が確認できる位の距離に来ると、「何か見えましたか」と声を掛けて来ました。
私たちが、なかなか辿り着かないので引き返してきたことを告げると、上までは結構距離があることを教えてくれました。
私たちは、人数が多くなり、恐怖心が薄れたこともあって、もう一度行ってみようということになり、再び坂を登り始めました。
少し離れた前方には、さっき会った人達が歩いていました。
しばらくすると先程の小屋の前に来ました。
私は、どこかのHPに『途中にある小屋の2階の窓から、誰かが覗いていた』という話が載っていたことを思い出し、その小屋に懐中電灯を向けてみました。
しかし、小屋の窓は塞がっており何もありませんでした。
私はさらに、懐中電灯で小屋のあちこちを照らしました。
すると、小屋の方から、鳥の声のような音がしました。
「ヒィー」とか「キィー」とかいうような短く、一瞬の音です。
その時は、特に気にならなかったので、誰にもその音について訊ねませんでした。
それからしばらく歩いた後、お堂があったという広場に着きました。
途中で会った数人は、すでに到着しており、あちこち見て回っていました。
私たちも、その広場の方々を見て回りました。
友人二人は、広場の奥の大木の下に卒塔婆のような物を見つけ、その方向に歩いて行きました。
私は、広場の中央にある、お堂の礎石の辺りを見ていました。
すると、別グループの一人が「礎石を踏まない方がいいらしいよ」と言いました。
その人によると、その石のどれか一つの下に、昔、このお堂の番をしていた老女が埋められているというのです。
私は半信半疑でしたが、とりあえず石を避けて歩きました。
その後、私は先程友人二人が歩いて行った広場の奥へ行きました。
そして、友人の一人に卒塔婆のことを訊ねると、それはただの木だったことが解りました。
続けて私は、もう一人の別の友人のことを訊ねました。辺りには、その友人一人しか見あたらなかったのです。
しかしその友人は、別の友人のことを知らないと言い、しかも、始めから一人だったと言うのです。
私は、狐につままれた気がしました。
確かに、友人二人の後ろ姿を見たと思ったのです。
私と友人は、広場の中央に戻ってきました。
すると、丁度私がさっきまで立っていた所のすぐ側に、別の友人が立っていました。
私は驚いて「ずっとここにいたのか」と訊ねました。
すると友人は、ずっとその場所でタバコを吸っていたと言うのです。
私は、またしても、狐につままれた気になりました。
彼がずっとそこにいたとすると、彼は、私の真後ろに立っていたことになるのです。
しかし私には、全くその友人の気配は感じられませんでした。
そうこうするうち、礎石の秘密を話してくれた別グループの一人が、広場の入り口の方に誰かが立っていると言い出しました。
その場の全員が、その方向に向かって目を凝らしましたが、私たちには何も見えませんでした。
相手のグループの人も、その人以外には、何も見えていないようでした。
それでもみんなは更に目を凝らし、そっちへ向けてカメラのシャッターをきりました。
ただ、そのとき私は、入り口ではなく反対方向が気になっていました。
それは、先ほど私が、友人が二人で歩いて行ったと思い込んだ、大きな木の生えている方です。
そして、その木の上の方から、小屋の近くで聞いた「ヒィー」とか「キィー」とかいうような音が、盛んに鳴っているのです。
鳥の鳴き声にも似ていますが、あまり抑揚のない機械的な感じの音でした。
その音は、他の人には聞こえていないのか、それとも気にならないだけなのか、誰もそれについて触れませんでした。
後に、友人にその音のことを訊ねましたが、気がつかなかったと言っています。
そのうち、先程の人が、入り口の霊らしきものが見えなくなったと言いました。
気がつくと、音も止んでいました。
私たちは、触れると祟りがあると言われる首無し地蔵の横で写真を撮り、その広場を後にしました。
私は、あの音の主が、後ろからジッとこちらを見ているような気がしました。
その後、もう一度HPをよく見ると、そこでは老婆の泣き声が聞こえることがあるという話が載っていました。
私が聞いた声のような音は、その泣き声だったのでしょうか。
ちなみに、首無し地蔵と友人を写した写真は、フラッシュを焚いたにも関わらず、真っ暗で何も写っていませんでした。
また、幽霊がいると言われた所を写した写真にも、何も写っていませんでした。
[Mr.Spooky@oc]
抑揚のない音。何だったのでしょうか…。
私は競馬が好きで、週末になると府中にある東京競馬場へ行くときがあります。
その競馬場の第3コーナーから第4コーナーにかけて、大きなケヤキの木が立っているのを知っている競馬ファンは多いでしょう。
でもこの木、井田摂津守是政という戦国武将の怨霊が乗り移っているという、いわく付きの木だったのです。
詳しい昔話はスペースの都合でいたしませんが、東京競馬場が今の土地に移転した時、あの木を伐採しようとした職人が相次いで変死しました。
さらに地鎮祭の時に業者と職人との間で、日本刀をも出し合っての血まみれの喧嘩が勃発。
かなりの死傷者が出て、当時の新聞にも大きく書かれたようです。
その後も、こけら落としのレース前日、馬場に五寸釘がばらまかれたり、昭和30年代の競走では毎年そのコーナーで馬の事故があって、年に5,6頭の馬が安楽死処分になっていました。
また、騎手の中にも「あのコーナー近くになると馬が木に吸い寄せられる気がする」などと言った人もいたそうです。
ただ、今となっては実況アナウンサーが「府中の名物・大ケヤキ」などと言うことも稀で、また騎手の皆さんも昔のように気にする人はいなくなったようです。
怨念も時代と共に薄れてしまったのでしょうか。それとも…。
[トップシークレット]
土地に棲みつくモノと、その念。争いの原因は…。
ところで、となりの噴水公園の奥のほうに、記念碑があるのはご存知ですか?
そこは今でも出るそうです。
私は小さいときから池袋のすぐそばに住んでいたので、サンシャインにはよく遊びに行きましたが、一回も噴水公園に足を踏み入れたことはありません。
そばにいくと、恐ろしい空気が漂っていて、とてもじゃないけどずっといられません。
一番怖い場所は、サンシャイン60と噴水公園の境にある階段付近です。
私は1回そこで、ぞっ!としてから、もう行けません。
はっきりとこの目で確かめたことはないので、もしその付近で何かを見たという人がいましたら教えてください。
でも刑務所と処刑場は別だったような…。
なぜ幽霊がでるのか不思議です。
[ゆき@aif]
跡地に土饅頭が有ったそうですが…。
すぐ近くの八王子市の工学院大学横の坂道を原付で下っていたら、前からオートバイが来て擦れ違ったらしいのです。
何気なく擦れ違いざまそのオートバイを見ると、バイクの前輪が無いように見えたので、変に思ってバックミラーを見ると、そのオートバイはUターンしてきたそうです。
彼はその瞬間ものすごい寒気を感じて、とっさにアクセルをひねり、スピードを上げました。
もう一度バックミラーを見ると、そのオートバイはものすごいスピードで彼を追ってきたそうです。
彼も必死で逃げましたが、すぐ後ろまでそのオートバイは近づいてきました。
それも全く無音で近づいてきたそうです。
その坂道の下りきったところはT字路になっていて彼は曲がりきれずに転んでしまいました。
恐怖のあまり痛さも忘れて起き上がると、追いかけてきたオートバイはどこにもいませんでした。
後日、その坂道の一番下のT字路に行ってみると、ガードレールに枯れた花束がありました。
[Y.K@meshnet]
追いかける理由でもあるのでしょうか。怖い話です。
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